司隆史 (公明党)

2026年7月8日・第221回国会 参議院 デジタル社会の形成及び人工知能の活用等に関する特別委員会 第8号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 5 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 147 発言)

公明党の司隆史です。

会派を代表し、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律及び情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案に賛成、個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案の原案に反対、立憲民主・無所属、公明及び沖縄の風により提出の修正案に賛成の立場から討論を行います。

まず申し上げますが、デジタル技術の急速な進展に伴い、個人情報を含むデータの利活用に対する需要が高まっており、AI活用にも資する円滑なデータ連携を促進する必要があることは十分に理解し、また賛同するものであります。

一方で、今般の個人情報保護法改正案には、統計作成等の特例に基づく個人データの第三者提供によって、民間企業、行政機関、個人事業主の全てが本人の同意なしに要配慮個人情報の取得が可能となることで、個人の権利利益が侵害されるリスクがこれまで以上に高まるおそれがあることがこれまでの国会審議を通じて明らかとなりました。

以下、個人情報保護法改正案に反対する理由を三点述べます。

第一に、病歴、障害、精神疾患の治療歴、不妊治療歴、犯罪被害歴など、本来最も守られるべき情報が、漏えいや不適正利用等によって本人の知らないところで拡散し、社会生活において回復困難な不利益をもたらすおそれがあるにもかかわらず、十分なガバナンス体制が構築されるような制度設計となっていないことです。

政府は、安全管理措置義務が課されるので問題ないと答弁をしていますが、行政機関であってもこれまでも数々の漏えい事案が発生をしています。安全管理措置の実施は当事者に委ねられており、個人情報保護委員会が事前に審査するわけでもなく、実効性が担保される根拠も示されておりません。これでは、入口を広げておきながら出口規制は全く機能しない、極めて脆弱な制度と断じざるを得ません。

第二に、次世代医療基盤法との関係がきちんと整理されていないことです。

医療情報は、患者が医師や医療機関を信頼して提供する極めて機微な情報であり、その利活用については、個人情報保護法の特別法である次世代医療基盤法において厳格な仕組みが丁寧に整備されてきました。それにもかかわらず、今回の統計特例に基づく要配慮個人情報の第三者提供という、より簡単な方法が併存することとなれば、現行制度と不整合が生じ、医療現場に混乱を生じさせ、さらには医師と患者の信頼関係をも損ねることになりかねません。

第三に、政府が十分な説明責任を果たしていないことです。

統計特例によって要配慮個人情報の第三者提供を可能とする重大な制度変更がもたらすリスクについて、高市総理は個人情報保護委員会から法律案の閣議決定前に説明を受けていなかったことが明らかとなりました。本委員会でも、その後、総理に説明をしたのかと確認をさせていただきましたが、説明をしたとの明確な答弁はもらえておりません。総理にさえ懸念を説明しない個人情報保護委員会に、国民に対する説明責任を果たすことができるのでしょうか。データ利活用を進めるのであれば、政府はそのリスクを含めて真正面から説明を尽くすべきです。このまま法律案を成立させれば、国民の信頼を失い、データ利活用の促進どころか、これまで築いてきた基盤そのものを揺るがしかねません。

こうした問題意識の下、我々は、統計特例であっても、現に公開されている要配慮個人情報以外の要配慮個人情報については本人の同意を得ないで第三者に提供することはできないこととする修正案を提出をいたしました。各会派の御賛同をお願いを申し上げます。

御清聴ありがとうございました。

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