平戸先生、御質問ありがとうございます。
御質問の趣旨といたしましては、いわゆるPETsと呼ばれるデータ保護技術を今回のデータの利活用に関する法改正においてどのように位置付けていくべきであるかという御質問であると承りました。
御承知のとおりだと思うんですけれども、一口にPETsと申しましても、極めて多様な種類があるというのがまず率直なところでございまして、私もその点に関する技術的なすごい専門家というわけではありませんので、私が法学者として、あるいはこれまで共同研究をする中で理解している範囲で御説明をさせていただくということになりますが、PETsの中には、入力段階と出力段階のそれぞれにおきまして、先生が御懸念になられましたような要配慮個人情報を情報処理者において濫用されないように、見れないようにしながらAIを学習させるような方法というものもあれば、出力の段階でそういった、出力から元々の個人情報あるいは個人データに関するものを推論されないようにするという方法と両方ございます。
それぞれに費用がやっぱりかなり変わってくるというところと、ここが非常に難しいんですが、出力を調整するPETsの中にはAIの精度を下げてしまうというものも含まれてございまして、これらの諸要素を勘案しながら、何が該当しているデータ、あるいは共有しようとしているデータ主体、あるいはそのデータ主体が備えているガバナンスシステムとの関係でベストなのかということを、これは事前に法律で一義的に決めるということはかなり難しいということが率直なところかなと思います。
ですので、今回アジャイルガバナンスという考え方を少し申し上げましたけれども、まさにこのソフトローですね、ハードローに今回バックアップをされてございますので、指針を定めるとはっきり書かれておったり、あるいは個人情報委員会の規則で定めると、個人情報の委員会の規則はこれはハードローに入るのかもしれませんが、いずれにしても、こういった技術的な措置に詳しい人たちがハードローのバックアップを受けながら詳細を決めることができる手続が用意されているというところが最も重要なポイントではないかというふうに考えてございます。
したがいまして、専門的な知見に基づいて、状況に即した適切なPETsを組み込んでいくということはこれは当然考えるべきですし、その過程においてソフトロー上の義務が発生してくるということはあり得ることかなというふうに考えてございます。
以上でございます。
29石石川智也西村あさひ法律事務所・外国法共同事業パートナー弁護士
御質問ありがとうございます。
やはり、法理論的な整理が結構難しかったんじゃないかなというふうに私は思っています。消費者という概念と、個人情報保護の文脈でいう個人というのは必ずしもイコールではないんですね。消費者関係にない場合であっても個人が被害を受けるという場合がありまして、ここの整合性がなかなか難しい。
これは欧州でも同じような問題がありまして、GDPRの下で被害を受けた個人について、消費者保護団体が訴えの権利を持つのかということですね、これがまさに争われまして、最後、欧州司法裁判所がある意味法律を作るような形で、消費者保護団体がGDPR上の権利を…
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岸真紀子(立憲)
四人の参考人の皆さん、ありがとうございます。
質疑を終えます。
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31平平戸航太(国民)
国民民主党・新緑風会の平戸航太です。
四人の参考人の皆様、それぞれの立場から御説明をいただきまして、誠にありがとうございました。
私たち国民民主党は、新しいAI開発競争を勝ち抜くために、データの利活用、これは推進していかなければいけないという基本的な考え方を持っております。と同時に、国民の権利利益の保護、信頼の確保、この点に関して今疑問、懸念が残っているというふうに考えておりまして、今回の法改正についてはこのバランスをどう取っていくのかというところが鍵になると考えております。
その上で、四人の参考人の皆様に質問をさせていただきます。
まず、稲谷参…
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- (上の発言)
32稲稲谷龍彦京都大学大学院法学研究科教授
平戸先生、御質問ありがとうございます。
御質問の趣旨といたしましては、いわゆるPETsと呼ばれるデータ保護技術を今回のデータの利活用に関する法改正においてどのように位置付けていくべきであるかという御質問であると承りました。
御承知のとおりだと思うんですけれども、一口にPETsと申しましても、極めて多様な種類があるというのがまず率直なところでございまして、私もその点に関する技術的なすごい専門家というわけではありませんので、私が法学者として、あるいはこれまで共同研究をする中で理解している範囲で御説明をさせていただくということになりますが、PETsの中には、入力段階と出力段階のそれぞれにおきまして、先生が御懸念になられましたような要配慮個人情報を情報処理者において濫用されないように、見れないようにしながらAIを学習させるような方法というものもあれば、出力の段階でそういった、出力から元々の個人情報あるいは個人データに関するものを推論されないようにするという方法と両方ございます。
それぞれに費用がやっぱりかなり変わってくるというところと、ここが非常に難しいんですが、出力を調整するPETsの中にはAIの精度を下げてしまうというものも含まれてございまして、これらの諸要素を勘案しながら、何が該当しているデータ、あるいは共有しようとしているデータ主体、あるいはそのデータ主体が備えているガバナンスシステムとの関係でベストなのかということを、これは事前に法律で一義的に決めるということはかなり難しいということが率直なところかなと思います。
ですので、今回アジャイルガバナンスという考え方を少し申し上げましたけれども、まさにこのソフトローですね、ハードローに今回バックアップをされてございますので、指針を定めるとはっきり書かれておったり、あるいは個人情報委員会の規則で定めると、個人情報の委員会の規則はこれはハードローに入るのかもしれませんが、いずれにしても、こういった技術的な措置に詳しい人たちがハードローのバックアップを受けながら詳細を決めることができる手続が用意されているというところが最も重要なポイントではないかというふうに考えてございます。
したがいまして、専門的な知見に基づいて、状況に即した適切なPETsを組み込んでいくということはこれは当然考えるべきですし、その過程においてソフトロー上の義務が発生してくるということはあり得ることかなというふうに考えてございます。
以上でございます。
33平平戸航太(国民)
ありがとうございました。
法整備とテクノロジー、技術、そして運用というものを掛け合わせた上で、どう実効性を高めていくかという議論をこれからも続けていきたいと思います。ありがとうございます。
続きまして、石川参考人にお聞きしたいと思います。
先ほどの御説明の方で、データ駆動型社会においては事後規制への移行の流れは避けられないという御指摘がございました。私もそうなのかなというふうに感じております。
その中で、我が国がAI開発を後押しするためのルール整備、これは喫緊の課題だと考えておりますし、イノベーションを阻害しない制度設計が重要であると十分理解して…
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34石石川智也西村あさひ法律事務所・外国法共同事業パートナー弁護士
御質問ありがとうございます。
現在の課徴金制度の実効力というところについての御質問だというふうに理解をいたしました。
まず、課徴金を課したときに利得を吐き出させるということができるということになっておりますけれども、この利得というのは、利益ではなくて、実際にデータを悪用したことによる売上げといいますか、それ自体なんですね。ですから、課徴金が課されると、利得の部分、利益の部分だけが取られるということではなく、売上げ全体が取られるということになりますので、事業者にとっては明らかにマイナスになるという意味で抑止力はあるというふうに考えております。
ただ、…
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35平平戸航太(国民)
ありがとうございます。
私自身も、課徴金の導入という点は大きな一歩だと思っておりますし、その点については先週の本会議でも触れさせていただきました。引き続き、課徴金の在り方については私自身も考えていきたいと思います。ありがとうございます。
続きまして、郷野参考人にお聞きします。
差止め請求制度の削除、要配慮個人情報の特例拡大によって、個人の権利保護が後退しかねないという点について私も危機感を抱いております。
仮に、本法案が現行のまま成立するとなれば、国民の不安を少しでも和らげ、潜在的な被害を未然に防ぐための実効的な手当てが不可欠かと考えております。…
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