そもそも、犯罪情報は国が持っていると思うんですね。それはもう、提供を受けたときに、そういうことではなく当然持っているわけです。このような提供を認めてしまえば、人種、信条、社会的身分などの特定の属性と犯罪を起こす可能性を結び付ける推論なども生成されかねません。
衆議院の委員会審議では、政府参考人はAI開発について、違法な差別が誘発されるおそれがあるAIモデルを、そのようなおそれを予見しつつ、個人情報を用いて作成して公開することは規定違反になり得ると説明しています。
しかし、なり得るということであって、それはされ得るわけですよ。そのことを考えますと、やはり、では、このような犯罪予測を目的としたAIモデルは違法な差別が誘発されるおそれがあるとは判断しないのでしょうか。違法な差別を誘発するおそれの判断基準は何ですか。
138佐佐脇紀代志個人情報保護委員会事務局長
お答えいたします。
委員がおっしゃった収集するところというのは、統計特例等の特例に該当する提供を受ける事業者のことかと思いますけれども、その事業者が、先ほど来御説明しておりますように、統計特例等の要件に該当するような使い方をする場合には、その過程で必要なデータの加工ということは行われるわけでございまして、その形態の一つとして、委員がおっしゃっていることも含まれ得ると思います。
この発言のページ
139
伊波洋一政府参考人など
これまで提供してはいけないということだったと思うんですよね、個人情報は。要するに、要配慮も含めて氏名、住所等を、基本的なところで、それを。でも、受けるところがAI開発だったら全てできるようになるという法律になっちゃっているわけですよ、この法律は。
そういう意味で、AI開発のために要配慮個人情報を含む個人データの本人同意なき第三者提供を可能にしようとしていることについて伺います。
病歴など医療情報のほか、人種、信条、社会的身分、犯罪などの情報も含む要配慮個人情報も、犯罪予測のためのAI開発に利用するという目的であれば、本人同意なく提供されますね。
この発言のページ
140佐佐脇紀代志個人情報保護委員会事務局長
法律の定義上、利用分野の限定はございませんが、まず前提といたしまして、人種、信条、社会的身分、犯罪などの情報を、まず、例えば本人から同意の上取得した事業者がいた場合に初めて提供する対象の情報があるということでございますので、そういったものがあることが前提の議論であることは御留意いただければと思います。
この発言のページ
- (上の発言)
141
伊波洋一政府参考人など
そもそも、犯罪情報は国が持っていると思うんですね。それはもう、提供を受けたときに、そういうことではなく当然持っているわけです。このような提供を認めてしまえば、人種、信条、社会的身分などの特定の属性と犯罪を起こす可能性を結び付ける推論なども生成されかねません。
衆議院の委員会審議では、政府参考人はAI開発について、違法な差別が誘発されるおそれがあるAIモデルを、そのようなおそれを予見しつつ、個人情報を用いて作成して公開することは規定違反になり得ると説明しています。
しかし、なり得るということであって、それはされ得るわけですよ。そのことを考えますと、やはり、では、このような犯罪予測を目的としたAIモデルは違法な差別が誘発されるおそれがあるとは判断しないのでしょうか。違法な差別を誘発するおそれの判断基準は何ですか。
142佐佐脇紀代志個人情報保護委員会事務局長
まず、先ほどの答弁に少し補足することを御了承いただければ、行政機関が持っている犯罪等に関する情報を提供できるかどうかということの全ての規範をこの個人情報保護法あるいは改正後の個人情報保護法で規律するわけではございませんで、当然、どう取得したかとか、どの目的に使うかという、行政機関固有の根拠に基づき提供できるかどうかをまず判断された上で、統計目的のために使うのであれば個人情報保護法上は許容されるということにすぎませんので、その点は誤解なきようと思いますけれども。
今も御指摘がありました点につきましては、何分一般的な法律でございますので、様々な多様な個別案…
この発言のページ
143
伊波洋一政府参考人など
これまでのいろいろ議論を見ていて、政府が認めないのは、氏名と住所等、個人を特定するものがくっついているということを切り離さないという意思が強いんですね。つまり、まさに要配慮情報と個人と氏名をくっつける仕組みとしてのデータ提供であるというふうに言って間違いないと思うんですね。
ですから、今回の衆議院の審議で、特定の属性とネガティブな結果を結び付ける推論を生成して、そういう属性を有する人を多少なりとも差別的、不利益的に扱うことは大きな権利侵害につながるおそれがあるとして、EUのAI規則のような、個人の特定や分析の禁止や、あるいは評価や分類を目的とすることな…
この発言のページ
144
松本尚(自民)デジタル大臣・内閣府特命担当大臣(サイバー安全保障)
例えば、AIの開発については、違法な差別が誘発されるおそれがあるAIモデルを、そのようなおそれを予見しつつ、個人情報を用いて作成し公開することもそうですし、AIの利用については、先ほどから政府参考人が述べているように、性別、国籍等により正当な理由なく本人に対する違法な差別的取扱いを行うために個人情報をAIモデルに入力することなど、これは、開発であれ利用であれ、いずれも違法になるということは、個人情報保護法の十九条に不適正利用ということでしっかりと書かれているわけでございまして、決して開発と利用を分けて考えているということにはならないというふうに思います。…
この発言のページ