栗田暢之特定非営利活動法人全国災害ボランティア支援団体ネットワーク代表理事

2026年6月19日・第221回国会 参議院 災害対策及び東日本大震災復興特別委員会 第7号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 7 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 102 発言)

私のような者をお招きいただきまして、大変恐縮です。

全国災害ボランティア支援団体ネットワーク、通称JVOADと呼んでいますが、その代表理事を仰せ付かっています栗田と申します。

その下にNPO法人のレスキューストックヤードとありますが、これは私が母体とする一NPOでございまして、名古屋に拠点を設けて、それこそ阪神大震災以降三十年、この活動に取り組んでまいっております。まあ言ってみれば、レスキューストックヤードが一NPOということで虫の目。ただ、俯瞰をしてしっかりと連携体制を整える、そういう機能が必要じゃないかと。東日本大震災も推計三千団体ぐらいがNPOが入ったんじゃないかと言われていますが、一体誰がどこで何しているかよく分からないということではいけないんじゃないかということで、このJVOADというのを鳥の目として対応させていただくということが二〇一六年の設立でございます。

一ページおめくりいただきたいと思います。二ページ目です。

私たちは、今日は両方の立場からお話しさせていただきますが、JVOADとしては、今申し上げたように災害時のコーディネーションを行う組織であるということで、先ほど申し上げたように、NPO、いろんなボランティアが様々被災地に行きますが、そこをどうやって調整するのかということで、私たちが目指すべき姿は、次のページ、三ページでございます。

この左側に丸打っているところ、NPO・企業等とありますが、私たち三者連携と呼んでいますが、行政、それから一般ボランティア、まあ社会福祉協議会が多いですが、で、NPO・企業と。

これも、企業を分けて四者連携とすべきだったのかなという向きもありますが、まあまあ、民間支援という枠組みの中で、丸の中にNPOとか企業等、そういうものが、ひっくるめて表記させていただいておりますが、そこと一般ボランティアの話が少しごっちゃになっているんじゃないかと。防災庁が設置されたときには私たちも重要なパートナーとして連携させていただきたいというふうに思っておりますが、世の中的にはNPOもボランティアもひっくるめてボランティアという向きがあるんじゃないかと。

ただ、役割はそれぞれ異なります。両方大事だというふうに思っております。特に、この右側の一般ボランティアは、最近では二〇〇四年以降、災害ボランティアセンターが設置されまして、本当に多くの人たちが災害ボランティアセンターを通じて様々なボランティア活動を行って、能登半島地震では約十九万人ということでございます。

だから、この一般的なボランティアさんをしっかりと受け入れてその復旧復興を行うということをこれからも大事にしていきたいということは思う一方、ただ、幾らボランティア頑張っても、専門的な知識とか様々な深みを持った活動をしていくというのはやっぱりNPOとか企業の力が必要だと。そこが、ボランティアもNPOも自分たちの意思で動きますので、だからそれが、誰かに届け出てやるわけではありませんから、やっぱりばらばらとなっちゃうんですけれども、そこをここに書いてある災害中間支援組織というところがしっかりと把握しながら調整をすると。今回、能登半島地震では、石川県にはまだ災害中間支援組織が設置されておりませんでしたので、多少JVOADが出張っていって、一月の二日からそうした対応、参画させていただきましたが、大体、能登半島地震で四百三十団体ぐらいが、NPOが現場で活動しております。

そういった災害中間支援組織を軸としながら、実際どこで誰がどうしているのか、それに対して何が課題なのか、そこに対してしっかりと調整しないと、支援の漏れ、むらができるんだろうということです。だから、この支援の漏れ、むら、ないようにしっかりと調整をして対応していく、それで初めて被災者の困り事やニーズに達成できるんじゃないかと。

ただし、そこに行政がしっかり絡んでいただかないと、私たちだけではもちろんできないこともたくさんあります。行政がしなきゃいけないこともたくさんあります。だから、これを三者連携と呼んで、この体制づくりをJVOAD設立以降、対応させていただきました。

次のページをお願いします。

このNPOと一般ボランティアの連携みたいなところで、ボランティアセンターとの連携の事例ですけれども、これはピースボート災害支援センターというところがまとめた表ですけれども、先ほど申し上げたように、能登半島地震では珠洲市が大変な被害に遭って、そして、それぞれ技術系と言われる団体が入ってきました。でも、例えばAさん宅にどの団体が入る、Bさん宅にどの団体が入るということを調整をしないとやっぱり漏れ、むらができますので、そこをボランティアセンターと協働した。

何でボランティアセンターかというと、やっぱり災害中間支援組織を、将来的にはというか、本当は市町村の中にあるといいんですが、市町村でそういう調整機能を行うNPOなんかほとんどなくて、奥能登もNPOが少ない地域ですから、どうしてもやっぱり社協にニーズが集まるんです。社協にニーズが集まって、じゃ、その技術系の必要な、例えばブルーシート張ってみたいなニーズがあったとしても、今日並んだボランティアセンターの人にブルーシートを張ってというわけにいきませんから、でも、それができますよというNPOがありますから、そこをきちんとつないでいただいて対応したと。

特に、この真ん中辺りの車両救出とあるじゃないですか、二百二十六件。これは、能登の方々は納屋に軽トラックとか農機具しまっていらっしゃるので、それごと潰れましたよという話ですよ。だけれども、それがないともう一歩も動けないんだという方々に対して、これも一般ボランティアでは無理なんですが、軽トラックが埋まっている納屋をしっかりと養生しながら、見える範囲だけチェーンソーで切り開いて、そしてウインチで軽トラックを出すと。これでどれだけ多くの方々が救われたかというか、これでお母ちゃんを病院に乗せていけるとか、これでようやく近所にスーパーに買物に行けるとか、そういう方々が続出したわけですよね。

この機能って、じゃ、誰がするのかといったら、やっぱりこうした技術を持っているNPOしかもうないということだと思います。なので、こうした実践が、やっぱりしっかりと行政等も含めた連携体制の中で果たしていかなきゃならないということがあると思います。

もう一枚おめくりください。

これは、レスキューストックヤード、私の母体であるところの能登半島地震での対応ですが、トイレはやっぱり最悪の状態でした。これはしようがないですね。私たちも、拠点が名古屋ですから、名古屋も南海トラフが来ますよというふうにずっと言われていますから、防災士の育成とか、名古屋大学と連携しながら様々な人材育成を一緒にさせていただいておりますが、その中でスーパーボランティアがいっぱいいます。その方々が能登半島地震にいっぱい行ってくれて、まあしようがないからぐっと突っ込んで、それで全部きれいにして、それでビニール袋を二枚重ねますと。一枚目に、それだと、外しませんから固定しておきます。もう一枚掛けます。新聞紙の全面を半分に切って四つ折りにしたものを下に敷きます。用を足します。凝固剤掛けます。ということで、一枚目のビニール袋だけぎゅっと取り出して口結んで、これ燃えるごみなんですね。これができると、かなりトイレが衛生的に使えます。

でも、スーパーボランティアは、そのことを自分たちでやるということじゃなくて、その避難者の方々にこれを教えなきゃいけないということで、その後、何回も講座を開きます。そうして、いつの間にか住民が自発的にそういうことができるようになる。そして、住民も、私たちトイレ当番やってもいいよというグループができます。そういうような、自主運営といいますが、これを、行政何やっているんだみたいなこと話をしていても、もうらちが明かないというか、もっともっとこういうことが分かる、元々知っているか知っていないかだけのところもたくさんありますから、そういうことをしっかりと対応していかなきゃいけない。

ただし、私が一月三日にこの穴水町とか珠洲市とか回りましたが、そこでやっぱり、玄関入ってすぐにですよ、避難所のこんな固い床の上で人が寝ているわけですよ。これは本当に災害関連死が出るぞというふうに思いました。どうすればいいのか。

そういう意味では、本当にそうした事前対策の充実と、災害が起こったときにすぐにそういう方々をきちっと見れる住民が育たないといけないんだと。幾ら頭でっかちでいろんな装備を備えたとしても、それを誰が使えるのか、誰がやるんだということになると、これ住民自身が育っていかなきゃいけない。そこに、NPOも限界がありますから、今言うところの地域住民の育成というところをやっぱりやっていかなきゃいけないんじゃないかなということを思うところであります。

六ページのところに、私もアドバイザー会議に参画させていただきましたが、今申し上げたように、行政だけではできることできないこと、いろいろありますから、そこに官民連携が必要だというふうに申し上げました。だから、その意を酌んでいただきまして、この漏れ、むらのない被災者支援の実現とか産官学民連携体制の強化とか、こういうことをしっかり盛り込んでいただきました。私たちも、微力ですが、ここにしっかりと、先ほども冒頭で申し上げましたように、パートナーとしてしっかりと関わっていきたいというふうには思っております。

防災庁ができるできないにかかわらず、その次のページを見ていただきますと、これは令和七年六月六日の閣議決定をいただきました施策でございますが、その目標の一つに、都道府県域における災害中間支援組織の組織率を令和十二年までに一〇〇%にしましょう、あるいは全国の市町村の地域ボランティア人材育成研修の開催を令和十七年までに一〇〇%にしましょう、こんなことが閣議決定された。これ、私たちは歓迎しているといいますか、これをしっかりと官民連携でやり遂げなきゃいけないという覚悟でいます。

一ページおめくりいただきますと、この避難生活支援・防災人材エコシステムの構築ということでこの研修をやっております。これは、令和二年の五月の防災・減災、国土強靱化新時代の実現のための提言によって生まれた研修でございます。今までに、令和四年から六年までで二千名、令和七年以降も二千名。この令和六年のところで、そろそろモデル研修終わりだみたいないつものパターンになりかけましたが、令和七年、あっ、令和六年の能登半島地震で、これはもっと進めるべきだということで御了解いただいて、現在までに二千名の方々がこの講座を受講して育っております。

これが重要だと思うのは、地域には、本当にこの研修の意義を理解されて、地域のためなら尽力したいと考える人は必ず存在します。それが町内会長さんであったり、あるいは民生委員さんであったりボランティアであったり、いろんな方々がやっぱり地域に存在するはずなんです。そこを、行政に任せていけば何とかなるんだみたいなところを逆転させて、自分たちで自分たちの地域の命を守り合おうというようなことをここではしっかりとお伝えさせていただいています。

この研修は現場のリアルを伝えますので、皆さん方どうでしょうか、避難所に来られて全然話をしない方、もう青ざめている方、泣いていらっしゃる方、そういう方々にどうやって声掛けられますか。勇気要りますよ。勇気要るんですが、お困り事ありませんかということで、そういう方々をちゃんとつないでいただく方、発見していただく方、まずは気付く方、こういう方が必要だろうと思うんです。そこはやっぱり、災害ケースマネジメントの議論も進んでいますが、仕組みに乗せる前に、それを誰が気付くんだという話が最初にあるんです。それは、結局、いろんな関わりの中で、奥能登は特にそうでしたけれども、自分たちで助けてと言ってこないんですよね。言ってきたら分かるんですよ。言ってくる方もありますよ。だけど、ほとんど言ってこられない。だって、避難所って皆さんがいらっしゃいます。そして、その避難所の中で自分だけつらいとか自分だけ厳しいと言えない、言えないんですよ、なかなか。そこをしっかりとぴいんとアンテナ張って見ている住民がいて、あんた大丈夫ですかと声掛けて、気付く。でも、自分たちだけで何とかしたいと。ダンボールベッドがないといって文句言うんじゃなくて、例えば今日座っている椅子も、工夫すればベッドになるわけですね。

そういうことを、環境を整えつつ、そして、自分たちだけではやっぱり無理なので、専門職とか行政にきちっとつなぐ。この方々、これやっぱり、気付く、そして整える、そしてつなぐ、こういうことが分かった方々を是非全国でもっともっと増やしていきたいというふうに思っております。この研修を是非先生方も御覧いただきまして、一緒に考えていただきたいというふうに思うわけでございます。

次のページお願いします。

これは、災害中間支援組織が、この閣議決定の中で内閣府防災の普及啓発の御担当によりかなりアクセルをぐっと踏んでいただきまして、ようやく二十八まで来ました。令和八年度中に、未設置の十三県においても立ち上げ支援事業を展開いただいております。だから、この議論はどんどんこれも進んでいるところですが、次のページお願いします。

この災害中間支援組織を設置するという、この一〇〇%目指そうということは、設置することが目的ではなくて、設置した後、いかに都道府県ごとに連携体制が構築できるかということに懸かっていると思います。各都道府県の災害中間支援組織を軸とした連携体制を整えていかないといけないと思っていますが、防災庁が頑張るということイコール、都道府県ごとでやっぱり災害対応異なりますから、東日本大震災でも都道府県ごとでした、だから、やっぱり都道府県ごとの本気度を上げていただくようなことを防災庁には期待したい。

そして、平時の対応が鍵です。災害時のとき頑張りましょうというわけにいきませんので、その災害対応を維持させるための財源の確保が必要だというふうに考えます。

民間支援の拡大を図って、そして、多様な分野の、多様な分野というのは、次のページの十四分野というふうに分けておりますが、例えばこの六番の子供でございますが、これ、子供の支援、例えばふだんから子供食堂をやっている人たちは災害時にも活躍してくれますよね。ところが、今はその被災援護協力団体のところに枠としては入っておりません。だから、これもったいないので、こういう被災援護協力団体せっかくあるので、そこをしっかりと充実させて、そして、中間支援組織がそれをしっかりと、NPO同士が連携する場をつくって都道府県とも連携して、こんな姿を皆さんで目指していくということに是非御理解と御協力いただきたい。

最後の十二ページの問題は、もう時間ございませんのでまたお読みいただきたいんですけれども、広域避難への支援に関しましては、さきの災害対策基本法等の一部修正で、誰がどこに行ったのか分かるようにしましょうというところもありましたが、でも、誰がどこに行ったか分かって家を貸しますよという制度があっても、それを誰が見るんだと、ハードがあってもソフト面が。だって、能登でも、おばあちゃんたち、おじいちゃんたちが、右も左も分からない方が避難していらっしゃる方、そこに何も支援がないというのはおかしい。

これは今、復興庁が東日本大震災の広域避難者支援に対して二十六の拠点を設けております。これが、こういう仕組みがなぜ生かされなかったのか。これはやっぱり、今後、官民連携の抜本的な支援が構築だというふうに思っております。

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