ラサール石井 (社会民主党)

2026年5月20日・第221回国会 参議院 資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会 第5号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 101 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 129 発言)

話は変わりますが、去る五月十七日に、私は、社民党の自治体議員の皆さんとともに、福島県双葉郡楢葉町の宝鏡寺境内にある伝言館という施設に参りました。住職を務め、半世紀以上、反原発運動を続けられた早川篤雄さんが、私財を投じ、原発事故により故郷を奪われたことの悔しさと、核兵器も原発もない世界を願う思いを込めて造られた展示施設です。早川さんは残念ながら二年前にお亡くなりになっておりまして、現在、館長は安斎育郎さん。この方は共に早川さんと闘ってこられた方で、八十六歳ですけれども、東大工学部原子力工学科の一期生であられる方なんですね。恐らく、東大で原発のためにつくられた学部だと思うんですが、この一期生が十五人いて、残りの十四人は全て原子力、原発推進派となり、そして、安斎さんは、専門家として原発に批判的な見解を述べたことでかなりのアカデミックハラスメントに遭われたということでございますが、現在八十六歳でもかくしゃくとして二か月に一回展示を変えたりしておられます。

福島第一原発事故は、いまだ終わっておらず、ふるさとを追われた方の帰還も廃炉に向けた作業もまだ道半ばであります。本調査会でも原発の発電コストについて様々な議論がありましたが、原発事故が奪ったものの大きさを考えれば、原発を安上がりな電力と評価することはあってはならないと考えます。

政府は、福島第一原発事故の処理費用約二十三兆円、うち廃炉費用は約八兆円として原発の発電費用を試算していますが、処理費用の中には、燃料デブリ取り出し以降に生じる廃棄物処分費用や汚染廃棄物等の最終処分関係費用は含まれておりません。

そして、燃料デブリ、合計八百八十トンあると言われるこの燃料デブリはいまだ〇・九グラムしか採取されておらず、四十年間で廃炉が完了することを前提とする廃炉費用の見積りは過小評価だと言わざるを得ません。公益社団法人日本経済研究センターが二〇一九年三月に発表した試算では、事故処理費用は四十年間で三十五兆から八十兆円になるとしています。

放射性廃棄物や取り出したデブリの最終処分地も見付けられず、事故処理に掛かるお金、時間が現在の想定よりも膨れ上がる可能性が十分ある現状において、原発が安上がりであるとの認識を広げるのは不適切ではないでしょうか。

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