竹内真二 (公明党)

2026年7月13日・第221回国会 参議院 本会議 第28号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 20 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 51 発言)

公明党の竹内真二です。

会派を代表し、令和七年度政策評価等の実施状況及びこれらの結果の政策への反映状況に関する報告について質問いたします。

総務省の政策評価制度は、本年で二十五年という大きな節目を迎えました。制度創設当時は、政策は実施して終わりではなく、その効果を客観的に検証し、その結果を次の政策へ反映させるというPDCAサイクルを行政に定着させることが大きな理念であったと承知しています。

それまでの行政は、政策を着実に執行することに重点が置かれていましたが、政策評価制度は、成果を検証し、改善を繰り返しながら行政の質そのものを高めていくという、新しい行政運営の考え方を制度として位置付けた点に大きな意義があったと考えます。

また、参議院行政監視委員会においても、総務省の政策評価結果を踏まえた議論が積み重ねられ、その結果を、失礼しました、行政監視機能の充実が図られてきました。行政が政策を評価し、その結果を国会が検証し、更なる政策改善につなげていく。この行政と立法府の取組が相まって、より良い行政運営につながることこそが制度本来の意義ではないでしょうか。

政策評価制度二十五年をどのように総括し、その成果と課題をどのように認識されているのか、また、今後、国会との連携を含め、政策評価制度にどのような役割を期待しているのか、林総務大臣の御所見を伺います。

次に、令和五年の政策評価に関する基本方針の見直しについて伺います。

近年は、社会経済情勢の変化が極めて速くなり、政策も柔軟かつ機動的な見直しが求められる時代となっています。

こうした中、令和五年には政策評価制度の運用が大きく見直され、従来の画一的な評価様式から、各府省が政策の特性に応じて工夫できる仕組みへと転換されました。その背景には、評価のための評価や評価書作成が目的化しているといった課題認識があり、評価そのものではなく、政策改善につながる評価へ転換するという考え方があったものと理解しております。

現在は試行的取組期間の途上にありますが、各府省において政策評価の質や政策立案、政策改善への活用はどのように変化してきていると認識されているでしょうか。また、評価様式の自由度を高める一方で、政策評価の質をどのように確保し、更に向上させていく考えか、総務大臣に伺います。

次に、伴走型支援について伺います。

基本方針の見直しでは、各府省が政策の特性に応じて、より実効的な政策評価を行えるよう、総務省が制度官庁として支援していく方向性が示されました。

政策評価は、各府省が自らの政策について主体的に行うものであります。しかし、評価手法や効果分析に関する知見、人材、経験が十分でなければ、政策改善に資する質の高い評価を行うことは容易ではありません。その意味で、総務省が研修、助言、実証的共同研究などを通じて各府省を支援する伴走型支援は、政策評価制度を実質化する上で重要な取組であると考えます。

ただし、伴走型支援は手助けにとどまってはなりません。支援を通じて、各府省の中に政策評価への理解が深まり、評価人材が育ち、より質の高い評価を行える能力を蓄積していかなければならないからです。

伴走型支援は、各府省において政策評価に対する理解や評価人材の育成が着実に進む取組としていくべきと考えますが、林総務大臣の見解を求めます。

次に、政策評価におけるアウトカム重視の評価について伺います。

政府は、近年、リスキリングや職業訓練に年間約一千二百億円規模の予算を投入し、人への投資を成長戦略の重要な取組として進めています。しかし、政策を評価する際には、何人が受講したか、何件の講座を実施したかという実績だけではなく、その結果として政策が国民生活にどのような成果をもたらしたのかを検証することが重要です。

そこで、まず上野厚生労働大臣に伺います。

職業訓練について、受講者数や就職率にとどまらず、希望職種への就職、人手不足分野とのマッチングなど、政策効果をより実質的に把握し、訓練内容の改善につなげるべきではないかと考えますが、大臣の見解を伺います。

続いて、林総務大臣に伺います。

職業訓練は一つの例でありますが、政策評価制度全体についても、事業を実施したというアウトプットだけでなく、政策が国民生活にどのような成果をもたらしたのかというアウトカムを重視して評価し、その結果を次の政策立案や予算編成、更なる政策改善につなげていくことが重要です。政策評価制度については、アウトプット中心の評価から、政策の成果や政策改善を重視するアウトカム重視の評価へ転換していくべきであると考えますが、大臣の見解を求めます。

次に、EBPMと政策評価の関係について伺います。

EBPMは、政策立案の段階からデータやエビデンスを活用して政策の質を高めようとする考え方ですが、EBPMの推進においても政策評価制度の進展が不可欠であると考えます。政策が十分なエビデンスやデータに基づいて立案されることで、より的確な検証や評価が可能となり、その結果が政策改善に向けたフィードバックの充実やより良い政策立案につながっていくからであります。

一方で、政府はEBPMの推進を掲げておりますが、EBPMと政策評価がどのような関係にあり、その中で政策評価がどのような役割を担うかについては、国民に分かりやすく整理されているとは言えません。

そこで、EBPMと政策評価制度との関係についての認識と、EBPMが推進される中で、それを踏まえた政策評価制度の具体的な進行、進展の方向性について、総務大臣の見解をお示しいただきたいと思います。

次に、政策評価制度の高度化について伺います。

総務省が実施した生活道路の交通安全対策に関する政策評価は、事故データなどを丁寧に分析し、その結果を政策改善につなげた、大変優れた取組であると評価しております。

一方、参議院行政監視委員会の参考人質疑では、政策評価の客観性や信頼性を更に高めるため、研究者や専門家など外部の知見を一層活用できる環境を整備すべきではないかとの指摘がありました。

個人情報の保護や、調査協力を得るため匿名性に十分配慮しなければならないデータがあることは私も十分理解しております。しかし、公開可能なデータについては、研究者や専門家による分析や検証が進むことによって新たな知見が生まれ、それが政策評価制度へ還元されるという好循環も期待できます。行政だけでは気付きにくい視点や分析手法を積極的に取り入れ、多様な知見を政策改善に生かしていくことは、政策評価制度の信頼性と政策改善の質を更に高めることにもつながる、高めることにつながるものと考えます。

外部の知見の活用については、評価の客観性や専門性を高めるだけでなく、政策評価制度そのものを不断に高度化していく取組としてより積極的に進めていくべきと考えますが、総務大臣の見解を求めます。

最後に、政策評価制度の将来像について伺います。

政策評価制度は、制度創設から二十五年を迎え、政策改善に一定の役割を果たしてきました。一方で、現在は政策評価のほかにも、行政事業レビュー、EBPM、行政データの活用など、それぞれ異なる制度や取組が進められています。このため、行政の現場では、各制度への対応に追われ、評価疲れとも言われる状況が生じており、更なる対応が必要になっております。

また、AIやデジタル技術の進展により、行政データをこれまで以上に有効活用できる環境も整いつつあります。政策評価制度についても、より視認性や利便性を高め、データを有効に利活用しやすい仕組みやリアルタイム評価のような新たな手法についても検討していくことが必要ではないでしょうか。

さらに、EBPMが推進される中では、それに対応した政策評価制度の進展も求められます。これまで申し上げてきた制度創設二十五年の総括や、調査データ、専門的知見の活用も踏まえれば、それぞれの制度を個別に運用するのではなく、政策評価、行政事業レビュー、EBPM、行政データの活用などを有機的に結び付け、政策改善につなげる、政策改善システムという発想が重要ではないかと考えます。このような政策改善システムの構築について是非御検討をいただきたいと考えます。

その上で、次の二十五年を見据えた政策評価制度の長期的な展望について林総務大臣の見解を伺い、私の質問を終わります。

御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔国務大臣林芳正君登壇、拍手〕

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