安藤裕 (参政党)

2026年7月8日・第221回国会 参議院 本会議 第26号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 27 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 54 発言)

参政党の安藤裕です。

私は、会派を代表し、令和六年度決算並びに国有財産増減及び現在額総計算書の是認に反対、令和六年度国有財産無償貸付状況総計算書の是認及び内閣に対する警告について賛成の立場から討論をいたします。

元々、令和六年度予算は、それまでの緊縮財政路線を踏襲し、プライマリーバランス黒字化目標を達成することを重要な財政規律と位置付けて編成されたものです。最近の政治情勢は、これまでの緊縮財政が投資不足を招き、長年にわたる日本経済の停滞を招いたとして、高市内閣でも責任ある積極財政というスローガンの下、財政政策の転換が図られております。

参政党は、間もなく決定されるであろう骨太の方針において、どのような積極財政の方針が示されるのか、長年にわたり日本経済の停滞を招いた元凶であるプライマリーバランス黒字化目標は撤回されるのか、成長産業に指定された業種に対する予算ばかりが計上され、介護など成長産業に指定されなかった産業は引き続き低賃金で放置されることになるのか、大企業や株主だけが潤う政策ばかりが進められるのではなく、日々の仕事に真面目に取り組んでいる国民が希望を持てる骨太の方針になっているのか、相変わらず緊縮財政の思想の下、一部の国民の負担を減らすために他の国民に負担増を求めるような改革が行われることはないのか、注目をしていきたいと考えております。

その観点から令和六年度決算について検討すると、失われた三十年を生み出した財政政策の失敗に対する反省が全く行われておらず、税収が過去最高となる一方で、国債発行額は当初発行予定額よりも五兆円も減額されることになりました。経済的に困窮する国民が増えていく中で、政府が国民を救済せず、ただひたすらに財政黒字を目指す姿勢は、もはや異常であると言わざるを得ません。

令和六年度の全国企業倒産は一万百四十四件、前年度比一二%増と三年連続の増加で、二〇一三年度以来十一年ぶりに一万件を突破しました。政府が過去最高の税収を誇る一方で、その税を負担する中小企業の淘汰が加速しており、決算の数字は事業者の犠牲の上に成り立っています。税金や社会保険料の滞納を一因とする倒産は、前年度比二九・三%増の二百六十九件と過去最多。倒産の七五・四%が負債一億円未満の小規模企業であり、これらの負担が体力のない中小零細企業の経営を圧迫していることは明らかです。この傾向は現在も続いています。

令和七年度の倒産件数は一万五百五件、前年度比三・五%増で、二年連続の一万件超え。負債一億円未満の構成比は七六・六%と過去最高で、中小事業者への集中という構図も変わっていません。物価高倒産は七百六十七件で三年連続増、人手不足倒産も過去最多を更新しており、コスト増を価格転嫁できない中小企業が淘汰される流れはむしろ強まっています。

二〇二五年度の公租公課滞納倒産は二百二十一件で、前年度から減ったものの、過去十年で二番目の高水準でした。しかも、二百二十一件中二百十五件が破産で、滞納に至った企業はほぼ再建できずに消滅しています。

そして、直近の集計では、二〇二六年一月から五月の社会保険料を含む税金滞納倒産は九十七件で、二〇一七年以降の同期間で最多です。物価高と人件費上昇で運転資金の確保が優先され、納税が後回しになるという構造は令和八年も続いています。

令和六年度における税金の新規滞納発生額は九千九百二十五億円、前年度比二四・一%増と大幅に増加し、税目別では五千二百九十八億円を消費税が占めています。

消費税は、必ず価格に上乗せされて消費者が負担している税金ではなく、売上げに課税されているため、赤字企業にも課税される税金です。売上げに課税されているから、赤字企業にも納税額が発生します。利益が出ていない事業者に納税資金があるはずがありません。滞納の増加は事業者のモラルの問題ではなく、税の構造そのものの欠陥の表れです。消費税は欠陥税制なのです。納税できないのが当然の税制を放置したまま徴収強化だけを進めるのは、本末転倒です。

同じことが社会保険料にも言えます。倒産の直接原因に国自身が課す公租公課が上がっており、その大きな要因を消費税、社会保険料が占めている以上、これはもはや経営者の失敗による、経営者の失敗による滞納ではなく、政府の失政による倒産であると言わざるを得ません。政府は、この事実を決算上どう総括するのでしょうか。

赤字企業にも課税する消費税や社会保険料の減額を検討しない限り、日本社会の宝であり、地方を支える中小企業の復活や中小企業で働く皆さんの賃上げは実現できません。しかし、残念ながら、消費税については一律税率にして減税するという議論は排除され、食料品のみ、二年間限定の減税が議論されているのみです。これでは全く解決になりません。

だから、私たち参政党は、国民負担率に三五%のキャップをはめること、そして消費税の段階的廃止を訴えています。私たちが訴える消費税の減税、廃止議論は、物価対策ではありません。消費税を減税しても、物価は税率どおりには下がりません。消費税減税、廃止とは、今の物価高、人件費高騰に苦しむ中小企業を支援する究極の中小企業支援策なのです。

また、自民党は、二〇二二年参議院選挙の公約に、新型コロナや物価高騰等で苦しむ中小企業の資金繰りを支え、過剰債務の軽減を含めた事業再生、再チャレンジを支援しますと明記していました。ところが、政府が実際に行ったのは、ほとんどが借換え、返済繰延べ、すなわち債務の先送りであり、公約に掲げた過剰債務の軽減、すなわち元本の減免、カットはほとんど実現されておりません。先送りされた債務は消えておらず、返済本格化と物価高、仕入れ高、人件費高騰が重なった令和六年度に倒産という形で顕在化し、今でも収束していません。軽減と借換えのすり替えは実質的な公約の不履行です。

今の政権与党は、少し立ち止まったのかもしれませんが、選挙における公約は重いとして、衆議院議員の比例定数削減や副首都法案の実現を急いでいますが、自らの責任ではなく、政府の要請に応じて営業を休止したことにより生じた借金の返済で苦しむ事業者を救済するために過剰債務を軽減するという公約はなぜ果たさなかったのか。国民を救うための公約は実現せず、自らの党利党略のための公約は実行を急ぐという姿勢には、断固抗議せざるを得ません。

このほかにも、介護職や非正規公務員など官製ワーキングプアの問題、若者に負担を強いているため少子化の原因にもなっている奨学金、安心して老後の生活を送ることができない年金制度など、政府が財政支出を拡大することによって解決できる課題がたくさんあるにもかかわらず、全く救済する意思がない財政運営は、大きく反省し、政策の大転換を図る必要があります。

財政は国民を豊かにするために使われるべきものです。日本経済が停滞し、国民の政治不信を招いたのは、長年にわたる緊縮財政で国民を貧困化させた政治の責任であると言わざるを得ません。今こそ緊縮財政を脱し、全ての国民を豊かにする本当の積極財政へと政策を大転換することを求めて、討論を終わります。

ありがとうございました。(拍手)

前後のやりとり

23の発言を見る

31の発言を見る