かごしま彰宏 (国民民主党)

2026年6月17日・第221回国会 参議院 本会議 第22号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 8 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 43 発言)

国民民主党・新緑風会のかごしま彰宏です。

ただいま議題となりました主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案について、会派を代表して質問いたします。

日本の主食である米については、需要は減るものだという前提の下、国の責任で供給を絞ることで需給のバランスを取り、米価を安定させようとしてきました。しかし、需給バランスや価格を議論するとき、本当に守るべきなのは、米の生産基盤であり、国民への安定供給です。

そんな中、想定外に需要が増加し、供給が不足した。その結果起きたのが米不足です。米不足は、多くの国民に混乱を与え、今後も足りなくなるかもしれないという不安を抱かせました。

食糧法改正に当たっては、今後は、いかに米の需要に応えていくのか、いかに米不足に対する不安を払拭するのかを明確に打ち出していく必要があります。だからこそ、今回の食糧法改正は、国は主食にどこまで責任を負うのかという根本的な問いに答えるものであるべきです。

そのような基本認識の下、全問、農林水産大臣に質問いたします。

まず、食糧法は、主食の需給及び価格の安定を図るための法律です。

改めて、主食とは一体何でしょうか。私は、主食とは、主に消費されていることのみならず、どのような環境、国際情勢であっても、国民の食卓に安定的に届けなければならないものだと考えています。

政府は、主食とは国家にとってどのようなものであり、主食を守るに当たり政府はどのような役割を果たすべきであると認識しているのでしょうか。また、食糧法を改正することによって主食の生産基盤や安定供給はどのように確保されると考えているのか、伺います。

次に、輸入米について伺います。

米価が高騰した際に起きたのは、輸入米の増加です。一キログラム当たり三百四十一円の枠外関税を払っても国産米よりも安いという状況は、輸入米は入ってこないというこれまでの米政策の前提を覆しました。

食料システム法も施行されましたが、生産コストを米価に転嫁する上でも輸入米価格が一つの指標となります。また、今後、米の供給が不足する事態における変動要因として輸入米の動向を考える必要が生じます。

米価が上がれば輸入米が入ってくるという前提の変化に対し、政府はどう分析し、本改正案においてどう対処していますか。備蓄制度の機動的運用で輸入米の増加に対処できると考えているのかどうかを含め、見解を伺います。

次に、食糧法の目的について伺います。

食糧法第一条には、「主要食糧の需給及び価格の安定を図り、もって国民生活と国民経済の安定に資することを目的とする。」と規定されています。

しかし、米不足では、多くの国民が、店頭から米が消え、価格が高騰するという事態に直面しました。国民が当たり前に手に取れると思っていた主食が、脆弱なバランスの上に成り立っていたということを突き付けられたのであります。

だからこそ、今回の食糧法改正案は、需給バランスや価格という指標の先にある国民への主食の安定供給と国内の生産基盤を守ること、そして、また米が足りなくなるかもしれないという不安を払拭することに応えるものであるべきです。

政府は、この法律によってどのようにそれを実現しているのでしょうか。見解を伺います。

次に、食料安全保障について伺います。

近年、気候変動の影響による不作、国際情勢の緊迫化など、食料安全保障をめぐる様々なリスクが顕在化しています。こうした中で、今回の食糧法改正案は、食料安全保障をどのように捉え、その確保にどのように資するものとなっているのでしょうか。単なる需給調整の枠組みを超え、食料安全保障という観点からの政府の認識を伺います。

次に、流通段階における実態把握強化について伺います。

今回の法改正では、流通実態把握の報告対象となる事業者の規模が拡大されます。米騒動を振り返れば、その必要性は理解します。一方で、こうした措置は事業者に新たな人的負担やコスト負担を求めるものです。特に米の流通は、多様な事業者によって支えられており、現場では人手不足も深刻化しています。

政府は、こうした負担をどのように認識しているのでしょうか。また、制度の運用に当たり、事業者負担を最小限とするためにどのような配慮を行うのか、お答えください。

さらに、民間備蓄について伺います。

今回の法改正では、一定規模以上の事業者に対し、一定水準以上の民間備蓄を義務付ける措置が盛り込まれました。しかし、備蓄を行うということは、品質保持や在庫管理、そもそもの倉庫建設など、様々なコストを事業者に負わせることになります。しかも、その目的は、個別企業の利益のためではなく、国全体の食料安全保障のためであります。そうであるならば、その掛かり増しコストを事業者に負わせるべきではありません。

政府として、民間備蓄に伴う追加的な負担についてどのように考えているのか、特に事業者負担を求めるべきではないという観点から、認識を伺います。

次に、需要に応じた生産と需要拡大について伺います。

生産調整を前提とした過去の米生産においても、言わば減る需要に応じた生産を行うことにより、米価を維持する政策が取られてきました。

今回、需要が減るという前提を見直し、需要の増減にかかわらず需給バランスを取るということを需要に応じた生産の考え方としていると理解しています。

一方、改正案第五条第四項には、政府は、需要に応じた生産が可能となるよう、需要開拓や輸出促進等の措置をとると書いてあります。つまり、食糧法改正案においては、需要の増減には関係ないはずの需要に応じた生産を推進するために需要拡大をするという、矛盾をはらむ規定となっています。

需要拡大には賛成です。一方で、条文上このような矛盾が生じるのはなぜでしょうか。それは、条文上、需要に応じた生産の定義がなく、そもそも需要に応じた生産が向かう方向性が曖昧なまま残されているからです。

需要に応じた生産とは、結局何なのでしょうか。需要拡大策を取るとは言いますが、需要拡大ができなかった際に、需要に応じた生産に与える影響はどのようなものでしょうか。また、需要拡大に対して、政府はどの程度の責任を持つのでしょうか。見解を伺います。

あわせて、需要に応じた生産における政府の責任について伺います。

改正案第五条では、需給見通し等を参考として、生産者が主体的に需要に応じた生産を行うことが規定されています。加えて、JA等の団体や地方公共団体にも必要な助言や情報提供などが求められています。他方、政府の措置については、需給バランスを取る中での役割は見通しの公表にとどまります。しかし、果たして、見通しを示すことだけが政府の役割なのでしょうか。

見通しを示せば、個々の生産者が自分の判断で適切に需要に応じた生産ができると考えているのでしょうか。それとも、政府が生産基盤の維持や需要変動への対応も含めて責任を負うのか。政府は、この需要に応じた生産の中で自らの役割をどのように位置付けているのか、見解を伺います。

最後に、需給見通しについて伺います。

需給見通しは、需要に応じた生産を支える重要な参考指標として位置付けられています。しかし、米不足の要因の一つは、需給見通しが実態と乖離したことです。見通しである以上、完全に当て続けることは不可能です。だからこそ、問題は、見通しを外したときにどう対応するかです。

今後、需給見通しと実態に大きな乖離が生じた場合、政府はそれをどう検証し、どのような措置を講じるのか、見解を伺います。

主食を守ることとは、需給の安定や米価の維持を図ることだけではありません。将来にわたって生産できる農地を守り、人を守り、地域を守り、そして国民が不安なく米を手に取ることのできる、その環境を守ることであります。私は、昨年の混乱によって、改めてその原点を突き付けられたのだと思います。

今回の法改正が、そうした国民の食をつかさどる国家としての責任を果たすための第一歩となるのか。そのことを確認するため、政府の率直な答弁を求め、私の質問といたします。

御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔国務大臣鈴木憲和君登壇、拍手〕

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