立憲民主・無所属の徳永エリです。
私は、会派を代表して、ただいま議題となりました主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案について、全て農林水産大臣に質問します。
日本書紀には、豊葦原の千五百秋の瑞穂の国という記述があります。アシが豊かに生い茂り、長い年月がたっても永遠に、秋になるとみずみずしい稲穂が実る国という意味で、日本を神話的な豊穣の国と象徴しています。我が国は瑞穂の国、稲作は、日本人の主食というだけではなく、生活、精神、社会に大きく根付き、豊かな文化を形成してきました。
しかし、今、農家の平均年齢は六十七・七歳、稲作単一経営では半数以上が七十歳を超えています。高齢化、担い手、後継者不足、温暖化による被害や鳥獣被害、生産資材価格の高騰による厳しい経営など、多くの苦難と直面し、この五年間で総農家数は二〇%以上も減少しました。生産基盤の脆弱化が進行しており、瑞穂の国が危機に直面しています。
今般、令和の米騒動を教訓に、流通実態把握の強化、備蓄制度の見直し、これまでの需要減少を前提とした生産調整規定の廃止など、主要食糧法を改正するということですが、本来であれば、令和九年度からの水田政策の抜本見直しと食糧法の改正案はセットで審議するべきものであり、また、改正案には看過できない点が多く、以下、質問いたします。
令和九年度からの新たな水田政策は、水田活用の直接支払交付金を抜本的に見直し、米、小麦、大豆、飼料用作物など、作物ごとの生産性向上等の支援への転換、産地交付金の見直し、中山間地域等直接支払、多面的機能支払の見直し、新たな環境直接支払の創設など、水田政策の言わば大改革が行われようとしていますが、そのためには、農林水産関係予算の増額が必至です。
しかし、令和七年四月十一日に閣議決定された食料・農業・農村基本計画には、「予算は、現行の水活の見直しや見直しに伴う既存施策の再編により得られた財源を活用する。」と記されており、既存の施策の予算の範囲内でしか対応できないことになっています。また、農林水産省は、見直し後の作物ごとの具体的な支援水準を明らかにしていませんし、八月の概算要求でも単価は示さないということですが、なぜでしょうか。農林水産関係予算が増額されなくては、この大改革の実効性は担保されないのではないでしょうか。大臣のお考えをお伺いします。
令和の米騒動の根本的な原因は、農林水産省が多様化する流通実態を的確に把握できていなかったことです。改正案では、外食、中食を含め流通業者の取引実態を把握するため、届出事業者の拡大、定期的な報告の義務化、罰則の強化を行うこととしています。
民間事業者に事務負担を強いて、罰則を強化してまで報告義務を課したとして、複雑で多様化している米の流通実態をどこまで把握することができるのか疑問であり、そもそも農林水産省が自らやるべき実態把握の責任を報告義務という形で民間に押し付け、責任を放棄するものにほかなりません。しかも、対象事業者はおよそ二万事業者、毎月定期的な報告を求めるのはおよそ三千事業者。全ての事業者からきちんと報告を得ることが不可欠だと考えますが、流通実態の把握の実効性をどのように確保するのか、お伺いします。
民間備蓄制度の創設について、政府は、令和の米騒動を検証し、政府備蓄米の売渡し手続に時間を要し、機動性を欠くという課題が明らかになったとして、備蓄米の機動的放出を可能にするために民間備蓄制度を法定化するということですが、備蓄は、食料安定供給、食料安全保障を支える柱であり、国の重要な責務であります。まずは、政府備蓄の運営上の課題を改善するべきであり、その上で補完的に民間備蓄を活用するべきなのではないでしょうか。民間を挙げた備蓄体制を構築という言葉には、国としての役割、責任を後退させようとしているかのように感じられます。
新たな備蓄体制においても、運営には国が責任を持つ、国の役割が後退することはないことを、大臣、明言していただけますか。
その上で、政府備蓄は、十年に一度の不作や通常程度の不作が二年連続した事態にも国産米をもって対処し得る水準として百万トンとされていますが、令和六年十一月の財政制度等審議会の建議では、現在の適正備蓄水準が、大不作の場合などに備え、平成十三年に当時の年間需要量九百万トンを前提に設定されたものであることを踏まえると、まずは、七百万トン程度まで減少している現在の需要量を前提に設定し直す必要があるとして、適正備蓄水準を下げる必要性に言及しています。
さらに、令和七年十二月の建議では、売買差損や保管経費により、毎年度四百から六百億円程度の財政負担が発生している、備蓄運営の在り方については、こうしたコストを国民に明らかにした上で検討されるべきであるとしています。つまり、国の財政負担が重いから備蓄水準を下げよと言っているわけであります。
改正案では、生産量の減少による供給不足に加えて、需要量の増加等による供給不足にも備えて保有できるよう、備蓄の目的を見直すとしています。備蓄の目的、役割が拡大するのですから、適正備蓄水準は、最低でも現行の百万トンは維持し、食料安全保障を確保するためには更なる拡大が必要なのではないでしょうか。
今回の見直しによる適正備蓄水準について、農林水産省はどのように考えているのでしょうか。政府備蓄、民間備蓄、それぞれについて適正と考える備蓄水準を、その根拠とともに御説明してください。
また、民間備蓄を担う事業者は、本来国が行うべき備蓄の一端を担う重要な任務を負うことになります。そのため、保管経費や掛かり増し経費が発生し、備蓄米の放出に際しては差損が発生する場合があります。これらに対し、民間事業者が不利益を被ることのないよう十分な財政上の支援が必要と考えますが、大臣の御所見をお伺いいたします。
改正案では、米の需要減少を前提とした生産調整方針に関する規定を廃止するとともに、需要に応じた生産に係る責務規定の新設、生産者は需要に応じた生産に主体的に努力すること、政府は需要に応じた生産を促進すること等を明記することとしています。
この需要に応じた生産とは具体的にどういうことなのか。すなわち、需要とは、現在の需要、トレンドやブームによる需要、そして、国内需要だけではなく海外需要も含まれるのか、政府の考え方を御説明ください。
また、政府がやるべきことは、需要に応じた生産の促進というよりは、むしろ出口対策、需要の創出、拡大に取り組むことなのではないでしょうか。政府が先頭に立って取り組むこと、その責務の重要性について、大臣の御所見をお伺いいたします。
改正案は、「米穀の生産者は、米穀の生産を行うに当たっては、主体的に第二条第一項に規定する見通しその他の情報を踏まえて需要に応じた生産を行うよう努めるものとする。」との規定を新設するとしています。
新設される規定は努力規定であって、昨年施行された食料供給困難事態対策法のように農家に罰則を科すというものではありません。しかしながら、仮に供給不足、過剰作付けが生じ、需要に応じた生産が実現されなかった場合、この新たな努力規定を根拠として、生産者に対し、何らかのペナルティーを科す、また、行政上の不利益が課されるというようなことがないのか。なぜ努力規定を新設したのか、その理由についてもお伺いいたします。
生産者が需要に応じた生産をするためには、政府による正確な需要見通しが欠かせません。需要に応じた生産を実現させる前提として、需要見通しは精緻で正確なものでなければなりません。
農林水産省は、令和の米騒動の検証において、需要見通しは、過去の需要実績ベースのマイナストレンドに基づき、一人一年当たり消費量を推計した上で、総人口を乗じることで算出してきたため、減少傾向になったと。また、家計調査やインバウンドによる需要増等の実態を踏まえた直近の消費動向を考慮してこなかったとしていますが、これらの反省を踏まえ、今後、どのようにして精緻で正確な需要見通しを策定するのか、具体的に御説明いただきたいと思います。
昨年改定された食料・農業・農村基本計画では、米については、国内外の需要拡大策、大区画化、スマート技術の活用、品種改良等の生産性向上策を強力に推進するとあります。品種改良については、多収性、高温耐性を備えた品種の開発、普及とあり、目標、KPIについては、多収性や高温耐性などに資する品種の育成として、二〇三〇年三十五品種を掲げています。新たな品種を育成されれば、その種子の生産、供給が安定的に行われる必要がありますが、種子生産の担い手の減少と高齢化の進展により、種子生産体制の脆弱化も懸念されております。
また、これまで、民間企業では二〇〇〇年に三井化学がみつひかりという米の多収性品種の種苗の登録販売を始めましたが、今年三月末をもって事業から撤退しました。民間による米、麦、大豆といった主要農作物の種子の育成は、二〇一八年四月の種子法の廃止以降、この例など、ごく限られている実情にあります。
このことからも、主要農作物については、農研機構や都道府県の農業試験場など、公的試験研究機関での育成を財政面も含めて国が支援する必要があるのではないでしょうか。また、種苗の生産に係る技術を継承するための人材育成の必要性についてもお伺いをいたします。
食料・農業・農村基本計画では、水田政策の見直しについて、水田活用の直接支払交付金を作物ごとの生産性向上等への支援へと転換するとし、麦、大豆、飼料作物については、食料自給率向上の費用効果を踏まえて、水田、畑にかかわらず、生産性向上に取り組む者の支援へ見直すべく検討するなどとしています。
つまり、水田における米以外の生産についても見直しつつ、支援をするということになりますが、なぜ水田における稲以外の作物の生産の振興に関する施策についての現行法第二条第二項の規定を改正案では削除するのでしょうか。水田政策の見直しに先行して行おうとしているこの改正によって、生産者が不安になり、意欲がそがれることがないように、明確に御説明ください。
中東情勢の影響、円安の進行により、今、過去最高となっている農業資材価格が更に上昇すれば、生産コストが増加し、しかも農産物の価格転嫁は難しく、農業生産はコスト割れとなり、赤字経営に陥ってしまい、再生産ができなくなります。収入保険などの現行の経営安定対策は、収入の減少を補うものでしかなく、コスト上昇による採算割れにはセーフティーネットとして機能しません。
こうした現下の問題も踏まえ、再生産可能なセーフティーネットの在り方について政府はどのように考えているのか、お伺いいたします。
農業は、工業製品と違い、必ずしも計画どおりの生産はできません。災害による農業被害リスクも、常に付きまとっています。そんな中で、国民の食料安全保障を守るためには、何があっても農家が安心して経営を続け、農畜産物を生産し続けることができる欧米のような手厚い所得補償が必要です。
立憲民主党は、生産費と販売価格の差額を埋める赤字補填という従来の考え方ではなく、国民の食料安全保障を確保し、生産基盤である農地を守り、環境保全など農業の多面的機能の維持、発揮のために尽力されている農家に対する直接支払、食料確保・農地維持支払制度を提案をいたしております。
都市部に食料を供給しているのは、地方であり、農家の皆さんです。しかし、農家に対するリスペクトが今の政策からは感じられません。欧米のように、政府が農家の経営を強く守り、農家が安心して誇りを持って国民の食料を作り続けることができる所得補償制度の創設の必要性について、大臣の考えをお伺いします。
日本と南米のメルコスールEPA、G7、フランスで行われておりますけれども、交渉入りをするという報道がありました。日本の農業に大きな影響があります。是非とも、国益に資する、そして日本の農業を守り、つないでいける、そんな交渉にしていただきたい。そのことを最後にお願いいたしまして、私の質問とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣鈴木憲和君登壇、拍手〕
2
関口昌一議長
御異議ないと認めます。鈴木憲和農林水産大臣。
〔国務大臣鈴木憲和君登壇、拍手〕
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3
鈴木憲和(自民)農林水産大臣
主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
米については、令和六年八月、南海トラフ地震臨時情報などを受けた需要の急増による小売店での品薄などに起因して価格が上昇し、令和七年三月には前年の約二倍にまで価格が高騰し、供給不安も発生しました。
この価格高騰の要因及び供給不安解消のために行った政府備蓄の売渡しの対応を検証した結果、農林水産省が多様化する流通実態を適確に把握できていなかったことや、政府備蓄は売渡し手続に時間を要し、機動性に欠けていたという課題が明らかになりました。
これらの課題に…
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4
関口昌一議長
ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。徳永エリ君。
〔徳永エリ君登壇、拍手〕
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- (上の発言)
5
徳永エリ(立憲)
立憲民主・無所属の徳永エリです。
私は、会派を代表して、ただいま議題となりました主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案について、全て農林水産大臣に質問します。
日本書紀には、豊葦原の千五百秋の瑞穂の国という記述があります。アシが豊かに生い茂り、長い年月がたっても永遠に、秋になるとみずみずしい稲穂が実る国という意味で、日本を神話的な豊穣の国と象徴しています。我が国は瑞穂の国、稲作は、日本人の主食というだけではなく、生活、精神、社会に大きく根付き、豊かな文化を形成してきました。
しかし、今、農家の平均年齢は六十七・七歳、稲作単一経営では半数以上が七十歳を超えています。高齢化、担い手、後継者不足、温暖化による被害や鳥獣被害、生産資材価格の高騰による厳しい経営など、多くの苦難と直面し、この五年間で総農家数は二〇%以上も減少しました。生産基盤の脆弱化が進行しており、瑞穂の国が危機に直面しています。
今般、令和の米騒動を教訓に、流通実態把握の強化、備蓄制度の見直し、これまでの需要減少を前提とした生産調整規定の廃止など、主要食糧法を改正するということですが、本来であれば、令和九年度からの水田政策の抜本見直しと食糧法の改正案はセットで審議するべきものであり、また、改正案には看過できない点が多く、以下、質問いたします。
令和九年度からの新たな水田政策は、水田活用の直接支払交付金を抜本的に見直し、米、小麦、大豆、飼料用作物など、作物ごとの生産性向上等の支援への転換、産地交付金の見直し、中山間地域等直接支払、多面的機能支払の見直し、新たな環境直接支払の創設など、水田政策の言わば大改革が行われようとしていますが、そのためには、農林水産関係予算の増額が必至です。
しかし、令和七年四月十一日に閣議決定された食料・農業・農村基本計画には、「予算は、現行の水活の見直しや見直しに伴う既存施策の再編により得られた財源を活用する。」と記されており、既存の施策の予算の範囲内でしか対応できないことになっています。また、農林水産省は、見直し後の作物ごとの具体的な支援水準を明らかにしていませんし、八月の概算要求でも単価は示さないということですが、なぜでしょうか。農林水産関係予算が増額されなくては、この大改革の実効性は担保されないのではないでしょうか。大臣のお考えをお伺いします。
令和の米騒動の根本的な原因は、農林水産省が多様化する流通実態を的確に把握できていなかったことです。改正案では、外食、中食を含め流通業者の取引実態を把握するため、届出事業者の拡大、定期的な報告の義務化、罰則の強化を行うこととしています。
民間事業者に事務負担を強いて、罰則を強化してまで報告義務を課したとして、複雑で多様化している米の流通実態をどこまで把握することができるのか疑問であり、そもそも農林水産省が自らやるべき実態把握の責任を報告義務という形で民間に押し付け、責任を放棄するものにほかなりません。しかも、対象事業者はおよそ二万事業者、毎月定期的な報告を求めるのはおよそ三千事業者。全ての事業者からきちんと報告を得ることが不可欠だと考えますが、流通実態の把握の実効性をどのように確保するのか、お伺いします。
民間備蓄制度の創設について、政府は、令和の米騒動を検証し、政府備蓄米の売渡し手続に時間を要し、機動性を欠くという課題が明らかになったとして、備蓄米の機動的放出を可能にするために民間備蓄制度を法定化するということですが、備蓄は、食料安定供給、食料安全保障を支える柱であり、国の重要な責務であります。まずは、政府備蓄の運営上の課題を改善するべきであり、その上で補完的に民間備蓄を活用するべきなのではないでしょうか。民間を挙げた備蓄体制を構築という言葉には、国としての役割、責任を後退させようとしているかのように感じられます。
新たな備蓄体制においても、運営には国が責任を持つ、国の役割が後退することはないことを、大臣、明言していただけますか。
その上で、政府備蓄は、十年に一度の不作や通常程度の不作が二年連続した事態にも国産米をもって対処し得る水準として百万トンとされていますが、令和六年十一月の財政制度等審議会の建議では、現在の適正備蓄水準が、大不作の場合などに備え、平成十三年に当時の年間需要量九百万トンを前提に設定されたものであることを踏まえると、まずは、七百万トン程度まで減少している現在の需要量を前提に設定し直す必要があるとして、適正備蓄水準を下げる必要性に言及しています。
さらに、令和七年十二月の建議では、売買差損や保管経費により、毎年度四百から六百億円程度の財政負担が発生している、備蓄運営の在り方については、こうしたコストを国民に明らかにした上で検討されるべきであるとしています。つまり、国の財政負担が重いから備蓄水準を下げよと言っているわけであります。
改正案では、生産量の減少による供給不足に加えて、需要量の増加等による供給不足にも備えて保有できるよう、備蓄の目的を見直すとしています。備蓄の目的、役割が拡大するのですから、適正備蓄水準は、最低でも現行の百万トンは維持し、食料安全保障を確保するためには更なる拡大が必要なのではないでしょうか。
今回の見直しによる適正備蓄水準について、農林水産省はどのように考えているのでしょうか。政府備蓄、民間備蓄、それぞれについて適正と考える備蓄水準を、その根拠とともに御説明してください。
また、民間備蓄を担う事業者は、本来国が行うべき備蓄の一端を担う重要な任務を負うことになります。そのため、保管経費や掛かり増し経費が発生し、備蓄米の放出に際しては差損が発生する場合があります。これらに対し、民間事業者が不利益を被ることのないよう十分な財政上の支援が必要と考えますが、大臣の御所見をお伺いいたします。
改正案では、米の需要減少を前提とした生産調整方針に関する規定を廃止するとともに、需要に応じた生産に係る責務規定の新設、生産者は需要に応じた生産に主体的に努力すること、政府は需要に応じた生産を促進すること等を明記することとしています。
この需要に応じた生産とは具体的にどういうことなのか。すなわち、需要とは、現在の需要、トレンドやブームによる需要、そして、国内需要だけではなく海外需要も含まれるのか、政府の考え方を御説明ください。
また、政府がやるべきことは、需要に応じた生産の促進というよりは、むしろ出口対策、需要の創出、拡大に取り組むことなのではないでしょうか。政府が先頭に立って取り組むこと、その責務の重要性について、大臣の御所見をお伺いいたします。
改正案は、「米穀の生産者は、米穀の生産を行うに当たっては、主体的に第二条第一項に規定する見通しその他の情報を踏まえて需要に応じた生産を行うよう努めるものとする。」との規定を新設するとしています。
新設される規定は努力規定であって、昨年施行された食料供給困難事態対策法のように農家に罰則を科すというものではありません。しかしながら、仮に供給不足、過剰作付けが生じ、需要に応じた生産が実現されなかった場合、この新たな努力規定を根拠として、生産者に対し、何らかのペナルティーを科す、また、行政上の不利益が課されるというようなことがないのか。なぜ努力規定を新設したのか、その理由についてもお伺いいたします。
生産者が需要に応じた生産をするためには、政府による正確な需要見通しが欠かせません。需要に応じた生産を実現させる前提として、需要見通しは精緻で正確なものでなければなりません。
農林水産省は、令和の米騒動の検証において、需要見通しは、過去の需要実績ベースのマイナストレンドに基づき、一人一年当たり消費量を推計した上で、総人口を乗じることで算出してきたため、減少傾向になったと。また、家計調査やインバウンドによる需要増等の実態を踏まえた直近の消費動向を考慮してこなかったとしていますが、これらの反省を踏まえ、今後、どのようにして精緻で正確な需要見通しを策定するのか、具体的に御説明いただきたいと思います。
昨年改定された食料・農業・農村基本計画では、米については、国内外の需要拡大策、大区画化、スマート技術の活用、品種改良等の生産性向上策を強力に推進するとあります。品種改良については、多収性、高温耐性を備えた品種の開発、普及とあり、目標、KPIについては、多収性や高温耐性などに資する品種の育成として、二〇三〇年三十五品種を掲げています。新たな品種を育成されれば、その種子の生産、供給が安定的に行われる必要がありますが、種子生産の担い手の減少と高齢化の進展により、種子生産体制の脆弱化も懸念されております。
また、これまで、民間企業では二〇〇〇年に三井化学がみつひかりという米の多収性品種の種苗の登録販売を始めましたが、今年三月末をもって事業から撤退しました。民間による米、麦、大豆といった主要農作物の種子の育成は、二〇一八年四月の種子法の廃止以降、この例など、ごく限られている実情にあります。
このことからも、主要農作物については、農研機構や都道府県の農業試験場など、公的試験研究機関での育成を財政面も含めて国が支援する必要があるのではないでしょうか。また、種苗の生産に係る技術を継承するための人材育成の必要性についてもお伺いをいたします。
食料・農業・農村基本計画では、水田政策の見直しについて、水田活用の直接支払交付金を作物ごとの生産性向上等への支援へと転換するとし、麦、大豆、飼料作物については、食料自給率向上の費用効果を踏まえて、水田、畑にかかわらず、生産性向上に取り組む者の支援へ見直すべく検討するなどとしています。
つまり、水田における米以外の生産についても見直しつつ、支援をするということになりますが、なぜ水田における稲以外の作物の生産の振興に関する施策についての現行法第二条第二項の規定を改正案では削除するのでしょうか。水田政策の見直しに先行して行おうとしているこの改正によって、生産者が不安になり、意欲がそがれることがないように、明確に御説明ください。
中東情勢の影響、円安の進行により、今、過去最高となっている農業資材価格が更に上昇すれば、生産コストが増加し、しかも農産物の価格転嫁は難しく、農業生産はコスト割れとなり、赤字経営に陥ってしまい、再生産ができなくなります。収入保険などの現行の経営安定対策は、収入の減少を補うものでしかなく、コスト上昇による採算割れにはセーフティーネットとして機能しません。
こうした現下の問題も踏まえ、再生産可能なセーフティーネットの在り方について政府はどのように考えているのか、お伺いいたします。
農業は、工業製品と違い、必ずしも計画どおりの生産はできません。災害による農業被害リスクも、常に付きまとっています。そんな中で、国民の食料安全保障を守るためには、何があっても農家が安心して経営を続け、農畜産物を生産し続けることができる欧米のような手厚い所得補償が必要です。
立憲民主党は、生産費と販売価格の差額を埋める赤字補填という従来の考え方ではなく、国民の食料安全保障を確保し、生産基盤である農地を守り、環境保全など農業の多面的機能の維持、発揮のために尽力されている農家に対する直接支払、食料確保・農地維持支払制度を提案をいたしております。
都市部に食料を供給しているのは、地方であり、農家の皆さんです。しかし、農家に対するリスペクトが今の政策からは感じられません。欧米のように、政府が農家の経営を強く守り、農家が安心して誇りを持って国民の食料を作り続けることができる所得補償制度の創設の必要性について、大臣の考えをお伺いします。
日本と南米のメルコスールEPA、G7、フランスで行われておりますけれども、交渉入りをするという報道がありました。日本の農業に大きな影響があります。是非とも、国益に資する、そして日本の農業を守り、つないでいける、そんな交渉にしていただきたい。そのことを最後にお願いいたしまして、私の質問とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣鈴木憲和君登壇、拍手〕
6
鈴木憲和(自民)農林水産大臣
徳永エリ議員の御質問にお答えいたします。
新たな水田政策の支援水準と農林水産関係予算の増額についてのお尋ねがありました。
新たな水田政策については、令和九年度から開始することを基本とし、今後詳細な制度設計の検討を進めることとしており、その中で支援単価についても併せて検討していくものであるため、現時点でお示ししておりません。
また、新たな水田政策を実行するための予算については、支援単価を始めとした詳細な制度設計の検討結果を踏まえて措置されるものですが、現行の水活の見直しや見直しに伴う既存施策の再編により得られた財源を活用し、将来にわたり国民に食料の安…
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7
関口昌一議長
かごしま彰宏君。
〔かごしま彰宏君登壇、拍手〕
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8
かごしま彰宏(国民)
国民民主党・新緑風会のかごしま彰宏です。
ただいま議題となりました主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案について、会派を代表して質問いたします。
日本の主食である米については、需要は減るものだという前提の下、国の責任で供給を絞ることで需給のバランスを取り、米価を安定させようとしてきました。しかし、需給バランスや価格を議論するとき、本当に守るべきなのは、米の生産基盤であり、国民への安定供給です。
そんな中、想定外に需要が増加し、供給が不足した。その結果起きたのが米不足です。米不足は、多くの国民に混乱を与え、今後も足りなくなるか…
この発言のページ