参政党の宮出千慧です。
私は、会派を代表し、ただいま議題となりました社会福祉法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
今回の改正を審議するに当たり、まず、根本的なことをお伺いいたします。
我が国の社会福祉は、問題が大きくなれば改正し、制度に穴が空けば塞ぐ、その繰り返しで今日まで歩んできたのではないでしょうか。もちろん、その都度懸命に制度を整え、国民の暮らしを守ろうとしてきた先人たちの努力と献身に対し、心から敬意を表します。その積み重ねがあればこそ、今日の社会福祉の基盤があることは言うまでもありません。しかし、問題が生じるたびに対応を繰り返すだけでは、この国が本当に目指すべき社会の姿はいつまでも見えてこないのではないでしょうか。
かつて日本社会には、家族、地域、職場といった共同体が確かに存在し、人々は互いに支え合いながら生きてきました。しかし、その共同体も、都市化、核家族化、そして個人化の波の中で、長い時間を掛けて静かに失われてきました。その喪失の上に今日の孤立や孤独の問題があり、身近に頼れる人がいない、地域に助けを求める先がない、困り果てた末に行政の窓口を頼らざるを得ない、そうした構造が福祉需要の増大という形で今日の社会福祉に重くのしかかっているのではないでしょうか。
こうした背景を踏まえるならば、単に制度を継ぎ足すだけではなく、そもそも社会の中でどのように人と人が支え合う仕組みを再構築するのかという根本的な問いに向き合わなければなりません。
今回の改正は、地域住民の取組や地域の支え合いを重視するものでありますが、それが公的責任の後退であってはなりません。政府は、今回の改正が公助の縮小ではなく、公的責任を前提とした上での地域支援の再構築であると国民に対して明確に説明できるでしょうか。自助、互助、共助、公助それぞれの役割分担をどのように整理し、どのような局面において国が最終的な責任を果たすのか、厚生労働大臣にお伺いいたします。
現在、核家族化が急速に進み、三世代が同居する家庭は激減しました。地域のつながりも薄れ、隣に誰が住んでいるかも分からない時代になりました。しかし、そんな時代だからこそ、世代を超えた交流に価値があるのではないでしょうか。多世代交流は、子供たちに多様な大人の生き方を見せ、社会性や思いやりを育みます。一方、高齢者にとっては、子供や若者との交わりが生きがいとなり、孤立を防ぐ大きな力となります。
今回、介護予防と地域の支え合いを一体的にサポートする拠点の機能が強化されますが、私は、これは多世代が共に暮らし、共に関わり合える地域社会を再生する大きなチャンスになり得ると考えております。この拠点を、介護予防という機能にとどまらず、地域における多世代交流の場として積極的に育てていくお考えはあるのか、政策の中でどのように位置付けているのか、厚生労働大臣にお伺いいたします。
さて、制度を支えるのは、最終的には人です。介護、障害福祉、児童福祉、相談支援、生活困窮者支援など、福祉の現場では高い専門性と深い倫理観が求められます。しかし、その処遇は責任の重さに見合っているとは言い難い状況が長年続いております。低賃金、長時間労働、精神的疲労、こうした現実が離職者を増やし、新たな担い手の参入を妨げ、特に介護の現場は、外国人の手を借りなければ、もはや成り立たなくなっております。
政府として、社会福祉全体を横断する人材政策をどのように構想しているのか、民間、公的部門両面における介護・福祉人材の処遇改善と人材養成に向けた長期的、体系的な戦略を厚生労働大臣にお伺いいたします。
今回の改正における包括的な支援体制の整備促進事業や、頼れる身寄りがいない高齢者等の自立支援策の拡充、判断能力が不十分な者の総合的な権利擁護支援策の充実により、社会福祉協議会や地域包括支援センター、基幹相談支援センター、こども家庭センターなど、地域の最前線にある機関の役割は一層重くなります。しかし、現場は既に人員不足、委託費不足、相談件数の増加に直面しております。政府は、制度だけを拡充して現場に負担を押し付けることのないよう、人員配置、財政支援、研修、ICT化、専門職確保についてどのような具体策を講じるのか、厚生労働大臣にお伺いします。
次に、今回の改定で新設される特定地域サービスについて伺います。
中山間地域や人口減少地域において地域の実情に応じた柔軟な対応を可能とするこの制度は、過疎地における福祉サービスの維持という観点から一定の意義があることや、画一的な基準では対応し切れない地域の現実があることは十分に理解をしております。
しかし、地域の実情に応じた配置基準という言葉は、裏を返せば、人口減少地域では都市部より低い人員配置、低いサービス水準でもやむを得ないという論理に転化しかねません。そして、それが積み重なることで地域間の格差が固定化され、やがて公的責任そのものが後退していくという懸念を禁じ得ません。
特定地域サービスがサービス水準の切捨てや公的責任の後退につながらないよう、政府はどのような基準を設け、どのように検証し、見直しの仕組みを担保するのか、厚生労働大臣にお伺いいたします。
今回の改正は、介護、障害、子供、生活困窮など、分野を超えた包括的支援体制を強化するものです。その中で見落としてはならないのがヤングケアラーです。
ヤングケアラーは、親の病気や障害、あるいは祖父母の介護、幼い兄弟の世話など、本来であれば大人が担うべき責任を子供が誰にも気付かれないまま背負っている問題です。
家族のケアに追われ、友人と遊ぶ時間も勉強に集中する時間も奪われている子供たちがたくさんおります。しかも、当事者である子供たち自身が、相談するほどの悩みではないと感じてしまったり、家族のことを話してはいけないとの思いから声を上げられずにいるケースが多いことがこの問題の深刻さであります。彼らは困り事を困り事として言語化できないのです。
こうした子供たちを地域全体で早期に発見し、確実に支援につなげる仕組みを構築することが不可欠ではないでしょうか。未来ある子供たちを守るため、ヤングケアラーの実態把握、早期発見はもちろん、発見した後どう救っていくのかについてどのような施策を講じていかれるか、こども政策担当大臣にお伺いいたします。
私が目指す社会は、誰もが幾つになっても生きがいを持って生きられる社会です。仕事を引退した後も地域のために働き、自分はここで必要とされているという実感を持って暮らせる社会こそが真に豊かな社会であり、何よりの健康の源泉ではないかと考えます。
もちろん、必要な方が介護サービスの利用をためらうような制度であってはなりません。その前提で、地域活動や就労的活動、ボランティア、通いの場への参加など、高齢者が健康を保ちながら地域の担い手として活躍することを社会としてしっかりと評価する仕組みが必要ではないでしょうか。ポイント制度の拡充や地域活動への支援など、主体的な健康づくりと社会参加を後押しする取組を広げていくことは、制度に頼らざるを得ない状況をそもそも生み出さないための社会設計につながります。
今回の改正にとどまらず、介護予防と生きがいづくりを社会福祉政策として具体的にどのように推進していくか、厚生労働大臣のお考えをお伺いいたします。
一灯照隅という言葉がございます。一つのともしびがまず自分の足下の隅を照らす。その小さな光が集まって、やがて万灯となり、世を照らすことができる。国民一人一人が自らの持つ力を地域のために生かして生きていく。その小さな光が集まって、地域共生社会が実現する。政府には、そのような社会の実現に向け、現場の声に真摯に耳を傾けながら福祉行政を進めていただくことを求め、私の質疑を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣上野賢一郎君登壇、拍手〕
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川村雄大(公明)
公明党の川村雄大です。
私は、会派を代表し、ただいま議題となりました社会福祉法等の一部を改正する法律案について質問をいたします。
本法律案は、人口減少、単身高齢世帯の増加、家族や地域のつながりの希薄化、そして介護・福祉人材の不足という我が国が避けて通れない社会構造の変化に対応するためのものであり、その諸施策の方向性については評価します。
一方で、どのような制度も、それを動かすのは人であります。よって、大切なのは、現場の方々をどう支え、守るかであります。
日々、利用者の生命と尊厳を守るために尽力をされる福祉・介護従事者の皆様を、国としてどう支え、守…
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上野賢一郎(自民)厚生労働大臣
川村雄大議員の御質問にお答えをいたします。
小規模市町村の体制整備のための対応についてお尋ねがありました。
本事業の一次相談対応に必要な人材育成については、社会保障審議会の報告書の内容を踏まえ、一次相談対応のための必要な研修や相談対応支援のためのAIの活用方策等について検討が必要と考えております。また、専門的相談対応においても、都道府県による後方支援事業を推進することや、近隣市や専門職団体等への協力を要請する際の支援も課題と認識しております。
これらの課題に対応する具体策を検討するため、今年度はモデル事業の予算を確保しており、この結果等も踏まえつつ…
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関口昌一議長
宮出千慧君。
〔宮出千慧君登壇、拍手〕
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- (上の発言)
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宮出千慧(参政)
参政党の宮出千慧です。
私は、会派を代表し、ただいま議題となりました社会福祉法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
今回の改正を審議するに当たり、まず、根本的なことをお伺いいたします。
我が国の社会福祉は、問題が大きくなれば改正し、制度に穴が空けば塞ぐ、その繰り返しで今日まで歩んできたのではないでしょうか。もちろん、その都度懸命に制度を整え、国民の暮らしを守ろうとしてきた先人たちの努力と献身に対し、心から敬意を表します。その積み重ねがあればこそ、今日の社会福祉の基盤があることは言うまでもありません。しかし、問題が生じるたびに対応を繰り返すだけでは、この国が本当に目指すべき社会の姿はいつまでも見えてこないのではないでしょうか。
かつて日本社会には、家族、地域、職場といった共同体が確かに存在し、人々は互いに支え合いながら生きてきました。しかし、その共同体も、都市化、核家族化、そして個人化の波の中で、長い時間を掛けて静かに失われてきました。その喪失の上に今日の孤立や孤独の問題があり、身近に頼れる人がいない、地域に助けを求める先がない、困り果てた末に行政の窓口を頼らざるを得ない、そうした構造が福祉需要の増大という形で今日の社会福祉に重くのしかかっているのではないでしょうか。
こうした背景を踏まえるならば、単に制度を継ぎ足すだけではなく、そもそも社会の中でどのように人と人が支え合う仕組みを再構築するのかという根本的な問いに向き合わなければなりません。
今回の改正は、地域住民の取組や地域の支え合いを重視するものでありますが、それが公的責任の後退であってはなりません。政府は、今回の改正が公助の縮小ではなく、公的責任を前提とした上での地域支援の再構築であると国民に対して明確に説明できるでしょうか。自助、互助、共助、公助それぞれの役割分担をどのように整理し、どのような局面において国が最終的な責任を果たすのか、厚生労働大臣にお伺いいたします。
現在、核家族化が急速に進み、三世代が同居する家庭は激減しました。地域のつながりも薄れ、隣に誰が住んでいるかも分からない時代になりました。しかし、そんな時代だからこそ、世代を超えた交流に価値があるのではないでしょうか。多世代交流は、子供たちに多様な大人の生き方を見せ、社会性や思いやりを育みます。一方、高齢者にとっては、子供や若者との交わりが生きがいとなり、孤立を防ぐ大きな力となります。
今回、介護予防と地域の支え合いを一体的にサポートする拠点の機能が強化されますが、私は、これは多世代が共に暮らし、共に関わり合える地域社会を再生する大きなチャンスになり得ると考えております。この拠点を、介護予防という機能にとどまらず、地域における多世代交流の場として積極的に育てていくお考えはあるのか、政策の中でどのように位置付けているのか、厚生労働大臣にお伺いいたします。
さて、制度を支えるのは、最終的には人です。介護、障害福祉、児童福祉、相談支援、生活困窮者支援など、福祉の現場では高い専門性と深い倫理観が求められます。しかし、その処遇は責任の重さに見合っているとは言い難い状況が長年続いております。低賃金、長時間労働、精神的疲労、こうした現実が離職者を増やし、新たな担い手の参入を妨げ、特に介護の現場は、外国人の手を借りなければ、もはや成り立たなくなっております。
政府として、社会福祉全体を横断する人材政策をどのように構想しているのか、民間、公的部門両面における介護・福祉人材の処遇改善と人材養成に向けた長期的、体系的な戦略を厚生労働大臣にお伺いいたします。
今回の改正における包括的な支援体制の整備促進事業や、頼れる身寄りがいない高齢者等の自立支援策の拡充、判断能力が不十分な者の総合的な権利擁護支援策の充実により、社会福祉協議会や地域包括支援センター、基幹相談支援センター、こども家庭センターなど、地域の最前線にある機関の役割は一層重くなります。しかし、現場は既に人員不足、委託費不足、相談件数の増加に直面しております。政府は、制度だけを拡充して現場に負担を押し付けることのないよう、人員配置、財政支援、研修、ICT化、専門職確保についてどのような具体策を講じるのか、厚生労働大臣にお伺いします。
次に、今回の改定で新設される特定地域サービスについて伺います。
中山間地域や人口減少地域において地域の実情に応じた柔軟な対応を可能とするこの制度は、過疎地における福祉サービスの維持という観点から一定の意義があることや、画一的な基準では対応し切れない地域の現実があることは十分に理解をしております。
しかし、地域の実情に応じた配置基準という言葉は、裏を返せば、人口減少地域では都市部より低い人員配置、低いサービス水準でもやむを得ないという論理に転化しかねません。そして、それが積み重なることで地域間の格差が固定化され、やがて公的責任そのものが後退していくという懸念を禁じ得ません。
特定地域サービスがサービス水準の切捨てや公的責任の後退につながらないよう、政府はどのような基準を設け、どのように検証し、見直しの仕組みを担保するのか、厚生労働大臣にお伺いいたします。
今回の改正は、介護、障害、子供、生活困窮など、分野を超えた包括的支援体制を強化するものです。その中で見落としてはならないのがヤングケアラーです。
ヤングケアラーは、親の病気や障害、あるいは祖父母の介護、幼い兄弟の世話など、本来であれば大人が担うべき責任を子供が誰にも気付かれないまま背負っている問題です。
家族のケアに追われ、友人と遊ぶ時間も勉強に集中する時間も奪われている子供たちがたくさんおります。しかも、当事者である子供たち自身が、相談するほどの悩みではないと感じてしまったり、家族のことを話してはいけないとの思いから声を上げられずにいるケースが多いことがこの問題の深刻さであります。彼らは困り事を困り事として言語化できないのです。
こうした子供たちを地域全体で早期に発見し、確実に支援につなげる仕組みを構築することが不可欠ではないでしょうか。未来ある子供たちを守るため、ヤングケアラーの実態把握、早期発見はもちろん、発見した後どう救っていくのかについてどのような施策を講じていかれるか、こども政策担当大臣にお伺いいたします。
私が目指す社会は、誰もが幾つになっても生きがいを持って生きられる社会です。仕事を引退した後も地域のために働き、自分はここで必要とされているという実感を持って暮らせる社会こそが真に豊かな社会であり、何よりの健康の源泉ではないかと考えます。
もちろん、必要な方が介護サービスの利用をためらうような制度であってはなりません。その前提で、地域活動や就労的活動、ボランティア、通いの場への参加など、高齢者が健康を保ちながら地域の担い手として活躍することを社会としてしっかりと評価する仕組みが必要ではないでしょうか。ポイント制度の拡充や地域活動への支援など、主体的な健康づくりと社会参加を後押しする取組を広げていくことは、制度に頼らざるを得ない状況をそもそも生み出さないための社会設計につながります。
今回の改正にとどまらず、介護予防と生きがいづくりを社会福祉政策として具体的にどのように推進していくか、厚生労働大臣のお考えをお伺いいたします。
一灯照隅という言葉がございます。一つのともしびがまず自分の足下の隅を照らす。その小さな光が集まって、やがて万灯となり、世を照らすことができる。国民一人一人が自らの持つ力を地域のために生かして生きていく。その小さな光が集まって、地域共生社会が実現する。政府には、そのような社会の実現に向け、現場の声に真摯に耳を傾けながら福祉行政を進めていただくことを求め、私の質疑を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣上野賢一郎君登壇、拍手〕
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上野賢一郎(自民)厚生労働大臣
宮出千慧議員の御質問にお答えをいたします。
自助、互助、共助、公助の役割分担や公的責任についてお尋ねがありました。
社会福祉法において、地域福祉の推進は公的責任を前提としており、国、地方公共団体が果たすべき責務を規定しています。
さらに、今回の改正では、国、地方公共団体には、地域住民等の主体的な活動と密接に連携しながら地域福祉を推進する責務がある旨を明記し、地域住民等と国、地方公共団体の役割を整理しつつ、公的責務を明確化しています。
また、市町村が公的責務を果たす具体的な取組として包括的な支援体制の整備を求めており、本法案では、これを促進する方策…
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黄川田仁志(自民)内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・消費者及び食品安全・こども政策・少子化対策・若者活躍・男女共同参画・地方創生・アイヌ施策・共生・共助)
ヤングケアラーへの支援についてお尋ねがありました。
支援ニーズが顕在しにくいヤングケアラーの特徴を踏まえれば、その支援に当たっては、ヤングケアラー本人やその家族に身近で接する福祉、介護、医療、教育等の関係機関、団体等がしっかりと連携し、地域全体での支援体制を構築することが大変重要と考えています。
そのため、こども家庭庁においては、ヤングケアラーの実態把握、早期発見に向けて、地方自治体によるヤングケアラーの実態調査に対する支援や、ヤングケアラー本人やその家族に身近に接する関係機関の職員への専門的な研修に対する支援を実施しております。
また、把握したヤ…
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関口昌一議長
これにて質疑は終了いたしました。
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