公明党の川村雄大です。
私は、会派を代表し、ただいま議題となりました社会福祉法等の一部を改正する法律案について質問をいたします。
本法律案は、人口減少、単身高齢世帯の増加、家族や地域のつながりの希薄化、そして介護・福祉人材の不足という我が国が避けて通れない社会構造の変化に対応するためのものであり、その諸施策の方向性については評価します。
一方で、どのような制度も、それを動かすのは人であります。よって、大切なのは、現場の方々をどう支え、守るかであります。
日々、利用者の生命と尊厳を守るために尽力をされる福祉・介護従事者の皆様を、国としてどう支え、守っていくのか。そして、制度のはざまで困難を抱える方々に、必要な支援を確実に届けるための制度をどのように具体化していくのか。本法案を真に実効性のあるものとするため、これらの点について総括的に質問をいたします。
小規模市町村を含め、全ての市町村に包括的支援体制を構築することは重要です。一方、小規模市町村では、介護、障害、子供、生活困窮など、各分野に十分な人材を配置することが難しい現実があります。そこで、一次相談は分野横断的に受け止めつつ、専門的相談には都道府県、近隣自治体、専門職団体等が伴走、後方支援を行う体制が必要です。
国として、必要な予算をどう確保し、分野横断的な人材の育成にどう取り組むのか、厚生労働大臣に伺います。
あわせて、子供、若者支援について伺います。
先日、孤立する若者を支援するNPO法人を視察をさせていただきました。不登校、いじめ、虐待、孤独、孤立、貧困、ヤングケアラー、引きこもりなど、子供、若者が抱える困難は外から見えにくく、よって支援にもつながりにくい構造があります。
包括的支援体制を構築するのであれば、高齢者や生活困窮者だけでなく、子供、若者支援も明確に位置付けるべきです。大臣指針にその旨を明記し、重なり合う困難を把握できる全国的な実態調査を実施すべきではないでしょうか。こども家庭庁とも連携した方針を厚生労働大臣に伺います。
次に、中山間・人口減少地域における特定地域サービスについて伺います。
中山間・人口減少地域においては、訪問介護等での急なキャンセルや長い移動距離の影響を強く受け、従来の出来高払だけでは事業継続が難しい実態があります。よって、包括的な評価の仕組みを設ける特定地域サービス等の方向性は評価します。
一方、同一市町村内に市街地と中山間地域が混在する場合、市町村未満の単位で指定されることも想定されます。
特定地域の指定について国としてどのような客観的指標を示すのか、厚生労働大臣の御所見を伺います。
次に、有料老人ホームの登録制度と新たな相談支援類型について伺います。
住宅型有料老人ホームについて、いわゆる囲い込みの問題等に対応するため、登録制度の導入、相談支援類型の創設、紹介事業者の優良認定制度を設ける方向性は理解しますが、いずれも慎重な運用が必要です。
例えば、住宅型ホームの入居者にケアプラン作成等で原則一割負担を求めることは、今後、在宅ケアプラン有料化につながるのではないかと懸念があります。また、負担導入に伴う利用控え、それに伴う重度化、居住継続への影響、それから、ケアマネジャー等への過剰要求等の影響を施行後に定期的に把握し、必要に応じて見直すべきと考えます。併せて厚生労働大臣の御見解を伺います。
次に、介護・福祉人材の安定的な確保及び定着支援について伺います。
介護・福祉人材の確保、定着は、社会保障の基盤そのものであります。そこで、何より重要なのは従事する方々の処遇改善であります。
政府は、令和九年度介護・障害福祉サービス等報酬改定に向け、物価上昇、賃金上昇、他職種との賃金格差、事業所経営、離職状況等を踏まえ、介護・福祉従事者が誇りを持って働き続けられる具体的な処遇改善と人材定着策に全力で取り組むべきです。厚生労働大臣の御決意を伺います。
介護福祉士養成施設卒業者に係る経過措置について伺います。
政府案では、令和十三年度までの養成施設卒業者について、卒業後五年間は介護福祉士資格を有することができる経過措置を延長する一方、卒業五年間実務経験を積めば国家試験に合格しなくても資格が継続する仕組みは廃止し、最終的には国家試験合格を必須とする方向であると承知をしています。
国家資格である介護福祉士について、人材の質と量を確保することは極めて重要です。近年増加傾向にある外国人留学生や特定技能等で就労しつつ資格取得を目指す方々に対し、日本語教育、学習支援、生活支援等をどう充実させ、国家試験合格率をどう引き上げるのか、厚生労働大臣に具体策を伺います。
次に、介護支援専門員、ケアマネジャーについて伺います。
ケアマネジャーは、利用者や御家族の身体的、精神的、社会的状況を詳細に把握し、個別性の高いケアプランを作る極めて重要な専門職であり、介護保険制度の要ともいうべき存在であります。
その意味で、五年ごとの資格更新制を廃止することは、現場の負担軽減、人材確保、それから潜在ケアマネの復職促進等の観点から評価をいたします。
一方、専門性維持のための法定研修は引き続き求められます。
更新制廃止後も実質的な負担増とならないよう、研修受講料等の費用負担を軽減し、離島、過疎地、小規模事業所でも活用しやすい補助制度を設けるべきです。また、研修時間は業務に必要な研修として、適切な労務管理の下で受講時間を確保すべきです。さらに、研修内容を実務に直結する内容に精査、統一し、オンライン、オンデマンド化、分割受講等を徹底すべきではないでしょうか。厚生労働大臣の御見解を伺います。
さらに、ケアマネジャー資格の法的位置付けについて伺います。
政府は、介護支援専門員、ケアマネジャーを介護保険法に規定された国家資格と位置付けていると答弁をしています。しかし、登録や専門員証の交付は都道府県単位で行われ、現場では国家資格としての社会的認知がまだまだ弱いとの声があります。
介護保険制度の要であるケアマネジャーの社会的評価を高め、処遇改善、人材確保につなげるため、国家資格としての位置付けを明確に周知するとともに、例えば厚生労働大臣名での介護支援専門員証交付等も検討すべきではないでしょうか。厚生労働大臣の御見解を伺います。
最後に、ケアマネジャーの安全確保について伺います。
先日、居宅訪問中のケアマネジャーが利用者の御家族に命を奪われるという痛ましい事案が発生をいたしました。心より御冥福をお祈り申し上げます。
御家族の介護負担等の現実にも目を向けなければなりませんが、何よりもケアマネジャーの安全確保、再発防止策に政府を挙げて全力で取り組まなければなりません。
日本介護支援専門員協会の令和六年度調査では、三七・七%のケアマネジャーが過去一年間にカスタマーハラスメントを受けた経験があると回答しています。その相手方は利用者の主介護者やキーパーソンが最も多く、言葉の暴力、精神的攻撃、過度な要求、不当なクレーム、中には身体的暴力も報告をされています。
単身での訪問それ自体が、ケアマネジャーを始め訪問サービス従事者の安全を脅かし得る構造的要因ではないか、検証が必要です。
訪問看護には複数名訪問加算があり、訪問介護にも暴力行為等が認められる場合に二人訪問を評価する仕組みがあります。一方、ケアマネジャーには同様のインセンティブがありません。
報酬が月単位の定額で、一回ごとの訪問加算がなじみにくいのであれば、同行訪問経費の補助、防犯機器の導入、地域ケア会議での困難事例共有など、できる対策を急ぎ検討、実施すべきです。
ケアマネジャーへのカスタマーハラスメント、暴力、脅迫、不当要求等を重大課題として位置付け、安全確保策を徹底すべきと考えますが、厚生労働大臣の御見解を伺います。
以上で質問を終わります。
御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣上野賢一郎君登壇、拍手〕
10
上野賢一郎(自民)厚生労働大臣
田村まみ議員の御質問にお答えをいたします。
介護分野の生産性向上に資する投資と処遇改善についてお尋ねがありました。
介護分野におけるテクノロジーの導入については、令和七年度補正予算による支援等に加え、日本成長戦略会議における十七の戦略分野のうち、AI・半導体分野のロードマップ素案において介護を重点領域の一つとすることが検討されているほか、労働市場改革分科会とりまとめにおいても、複数年度にわたる導入支援を実施することとされています。成長戦略の中でも重要な位置付けにあると考えており、引き続き取り組んでまいります。
あわせて、介護人材の確保に向けて処遇改…
この発言のページ
11
金子恭之(自民)国土交通大臣
田村まみ議員から、介護、福祉分野におけるコンパクト・プラス・ネットワークの取組等についてお尋ねがありました。
国土交通省では、コンパクト・プラス・ネットワークの取組の中で、介護施設や社会福祉施設を計画的に整備する取組を支援することなどによりまして、町中への介護、福祉機能の集積を進めております。
また、厚生労働省等の十二省庁で構成いたします支援チームの下、分野別の支援施策集を取りまとめて公表するなど、関係省庁連携の下で町中への生活関連機能の集積に取り組んでいます。
この結果、人口減少等が進む中でも、介護、福祉施設を町中に誘導する自治体の約八割において…
この発言のページ
12
関口昌一議長
川村雄大君。
〔川村雄大君登壇、拍手〕
この発言のページ
- (上の発言)
13
川村雄大(公明)
公明党の川村雄大です。
私は、会派を代表し、ただいま議題となりました社会福祉法等の一部を改正する法律案について質問をいたします。
本法律案は、人口減少、単身高齢世帯の増加、家族や地域のつながりの希薄化、そして介護・福祉人材の不足という我が国が避けて通れない社会構造の変化に対応するためのものであり、その諸施策の方向性については評価します。
一方で、どのような制度も、それを動かすのは人であります。よって、大切なのは、現場の方々をどう支え、守るかであります。
日々、利用者の生命と尊厳を守るために尽力をされる福祉・介護従事者の皆様を、国としてどう支え、守っていくのか。そして、制度のはざまで困難を抱える方々に、必要な支援を確実に届けるための制度をどのように具体化していくのか。本法案を真に実効性のあるものとするため、これらの点について総括的に質問をいたします。
小規模市町村を含め、全ての市町村に包括的支援体制を構築することは重要です。一方、小規模市町村では、介護、障害、子供、生活困窮など、各分野に十分な人材を配置することが難しい現実があります。そこで、一次相談は分野横断的に受け止めつつ、専門的相談には都道府県、近隣自治体、専門職団体等が伴走、後方支援を行う体制が必要です。
国として、必要な予算をどう確保し、分野横断的な人材の育成にどう取り組むのか、厚生労働大臣に伺います。
あわせて、子供、若者支援について伺います。
先日、孤立する若者を支援するNPO法人を視察をさせていただきました。不登校、いじめ、虐待、孤独、孤立、貧困、ヤングケアラー、引きこもりなど、子供、若者が抱える困難は外から見えにくく、よって支援にもつながりにくい構造があります。
包括的支援体制を構築するのであれば、高齢者や生活困窮者だけでなく、子供、若者支援も明確に位置付けるべきです。大臣指針にその旨を明記し、重なり合う困難を把握できる全国的な実態調査を実施すべきではないでしょうか。こども家庭庁とも連携した方針を厚生労働大臣に伺います。
次に、中山間・人口減少地域における特定地域サービスについて伺います。
中山間・人口減少地域においては、訪問介護等での急なキャンセルや長い移動距離の影響を強く受け、従来の出来高払だけでは事業継続が難しい実態があります。よって、包括的な評価の仕組みを設ける特定地域サービス等の方向性は評価します。
一方、同一市町村内に市街地と中山間地域が混在する場合、市町村未満の単位で指定されることも想定されます。
特定地域の指定について国としてどのような客観的指標を示すのか、厚生労働大臣の御所見を伺います。
次に、有料老人ホームの登録制度と新たな相談支援類型について伺います。
住宅型有料老人ホームについて、いわゆる囲い込みの問題等に対応するため、登録制度の導入、相談支援類型の創設、紹介事業者の優良認定制度を設ける方向性は理解しますが、いずれも慎重な運用が必要です。
例えば、住宅型ホームの入居者にケアプラン作成等で原則一割負担を求めることは、今後、在宅ケアプラン有料化につながるのではないかと懸念があります。また、負担導入に伴う利用控え、それに伴う重度化、居住継続への影響、それから、ケアマネジャー等への過剰要求等の影響を施行後に定期的に把握し、必要に応じて見直すべきと考えます。併せて厚生労働大臣の御見解を伺います。
次に、介護・福祉人材の安定的な確保及び定着支援について伺います。
介護・福祉人材の確保、定着は、社会保障の基盤そのものであります。そこで、何より重要なのは従事する方々の処遇改善であります。
政府は、令和九年度介護・障害福祉サービス等報酬改定に向け、物価上昇、賃金上昇、他職種との賃金格差、事業所経営、離職状況等を踏まえ、介護・福祉従事者が誇りを持って働き続けられる具体的な処遇改善と人材定着策に全力で取り組むべきです。厚生労働大臣の御決意を伺います。
介護福祉士養成施設卒業者に係る経過措置について伺います。
政府案では、令和十三年度までの養成施設卒業者について、卒業後五年間は介護福祉士資格を有することができる経過措置を延長する一方、卒業五年間実務経験を積めば国家試験に合格しなくても資格が継続する仕組みは廃止し、最終的には国家試験合格を必須とする方向であると承知をしています。
国家資格である介護福祉士について、人材の質と量を確保することは極めて重要です。近年増加傾向にある外国人留学生や特定技能等で就労しつつ資格取得を目指す方々に対し、日本語教育、学習支援、生活支援等をどう充実させ、国家試験合格率をどう引き上げるのか、厚生労働大臣に具体策を伺います。
次に、介護支援専門員、ケアマネジャーについて伺います。
ケアマネジャーは、利用者や御家族の身体的、精神的、社会的状況を詳細に把握し、個別性の高いケアプランを作る極めて重要な専門職であり、介護保険制度の要ともいうべき存在であります。
その意味で、五年ごとの資格更新制を廃止することは、現場の負担軽減、人材確保、それから潜在ケアマネの復職促進等の観点から評価をいたします。
一方、専門性維持のための法定研修は引き続き求められます。
更新制廃止後も実質的な負担増とならないよう、研修受講料等の費用負担を軽減し、離島、過疎地、小規模事業所でも活用しやすい補助制度を設けるべきです。また、研修時間は業務に必要な研修として、適切な労務管理の下で受講時間を確保すべきです。さらに、研修内容を実務に直結する内容に精査、統一し、オンライン、オンデマンド化、分割受講等を徹底すべきではないでしょうか。厚生労働大臣の御見解を伺います。
さらに、ケアマネジャー資格の法的位置付けについて伺います。
政府は、介護支援専門員、ケアマネジャーを介護保険法に規定された国家資格と位置付けていると答弁をしています。しかし、登録や専門員証の交付は都道府県単位で行われ、現場では国家資格としての社会的認知がまだまだ弱いとの声があります。
介護保険制度の要であるケアマネジャーの社会的評価を高め、処遇改善、人材確保につなげるため、国家資格としての位置付けを明確に周知するとともに、例えば厚生労働大臣名での介護支援専門員証交付等も検討すべきではないでしょうか。厚生労働大臣の御見解を伺います。
最後に、ケアマネジャーの安全確保について伺います。
先日、居宅訪問中のケアマネジャーが利用者の御家族に命を奪われるという痛ましい事案が発生をいたしました。心より御冥福をお祈り申し上げます。
御家族の介護負担等の現実にも目を向けなければなりませんが、何よりもケアマネジャーの安全確保、再発防止策に政府を挙げて全力で取り組まなければなりません。
日本介護支援専門員協会の令和六年度調査では、三七・七%のケアマネジャーが過去一年間にカスタマーハラスメントを受けた経験があると回答しています。その相手方は利用者の主介護者やキーパーソンが最も多く、言葉の暴力、精神的攻撃、過度な要求、不当なクレーム、中には身体的暴力も報告をされています。
単身での訪問それ自体が、ケアマネジャーを始め訪問サービス従事者の安全を脅かし得る構造的要因ではないか、検証が必要です。
訪問看護には複数名訪問加算があり、訪問介護にも暴力行為等が認められる場合に二人訪問を評価する仕組みがあります。一方、ケアマネジャーには同様のインセンティブがありません。
報酬が月単位の定額で、一回ごとの訪問加算がなじみにくいのであれば、同行訪問経費の補助、防犯機器の導入、地域ケア会議での困難事例共有など、できる対策を急ぎ検討、実施すべきです。
ケアマネジャーへのカスタマーハラスメント、暴力、脅迫、不当要求等を重大課題として位置付け、安全確保策を徹底すべきと考えますが、厚生労働大臣の御見解を伺います。
以上で質問を終わります。
御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣上野賢一郎君登壇、拍手〕
14
上野賢一郎(自民)厚生労働大臣
川村雄大議員の御質問にお答えをいたします。
小規模市町村の体制整備のための対応についてお尋ねがありました。
本事業の一次相談対応に必要な人材育成については、社会保障審議会の報告書の内容を踏まえ、一次相談対応のための必要な研修や相談対応支援のためのAIの活用方策等について検討が必要と考えております。また、専門的相談対応においても、都道府県による後方支援事業を推進することや、近隣市や専門職団体等への協力を要請する際の支援も課題と認識しております。
これらの課題に対応する具体策を検討するため、今年度はモデル事業の予算を確保しており、この結果等も踏まえつつ…
この発言のページ
15
関口昌一議長
宮出千慧君。
〔宮出千慧君登壇、拍手〕
この発言のページ
16
宮出千慧(参政)
参政党の宮出千慧です。
私は、会派を代表し、ただいま議題となりました社会福祉法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
今回の改正を審議するに当たり、まず、根本的なことをお伺いいたします。
我が国の社会福祉は、問題が大きくなれば改正し、制度に穴が空けば塞ぐ、その繰り返しで今日まで歩んできたのではないでしょうか。もちろん、その都度懸命に制度を整え、国民の暮らしを守ろうとしてきた先人たちの努力と献身に対し、心から敬意を表します。その積み重ねがあればこそ、今日の社会福祉の基盤があることは言うまでもありません。しかし、問題が生じるたびに対応を繰り返…
この発言のページ