田村まみ (国民民主党)

2026年6月10日・第221回国会 参議院 本会議 第20号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 9 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 36 発言)

国民民主党・新緑風会の田村まみです。

ただいま議題となりました社会福祉法等の一部を改正する法律案について、会派を代表して質問をいたします。

法案の質問に入る前に、まず、社会保障費全体の在り方についてお尋ねをいたします。

政府は、社会保障制度に関する度重なる改正を行ってまいりましたが、多くの改正において、制度維持のための負担と給付のバランスという言葉の下に、負担は高く、給付は低くという方向性に、方向に改正を行っています。

いわゆる骨太方針では、一昨年までは、社会保障費の伸びを高齢化の進展の範囲内に抑えるという緊縮の方針が続いておりました。また、昨年の十一月、日本成長戦略会議において、重点的に官民連携の戦略的投資を促進する十七の分野が発表されましたが、これらの戦略分野に需要が拡大すると分かっている介護は入っていませんでした。

厚生労働大臣にお伺いします。

なぜ介護分野が入らなかったのでしょうか。その上で、高齢化の進展の中、介護分野を成長産業と捉え、需要拡大分、人材不足を補うための生産性向上に資するICT、デジタル投資、処遇改善による増加分を適切に社会保障費予算へ反映させるべきではないでしょうか。見解を求めます。

需要の拡大により、それを担う介護従事者も長らく人材不足が課題とされ、二〇四〇年には五十七万人が不足すると言われています。総理は、予算委員会で、二〇二六年度、今年度までの人材必要数を大きく下回っているというふうに答弁されました。

厚生労働大臣、今後、人材の必要数、不足数をどのように把握し、分析するのでしょうか。いつまでたっても全産業平均賃金に追い付かない処遇改善、予算確保が困難なまま推進を求められるICTの活用による生産性の向上、効果測定の難しい職業の魅力向上発信など、これまでの取組では追い付かなかった不足数をどう充足させるのでしょうか。厚生労働大臣に見解を求めます。

国土のグランドデザイン二〇五〇に、コンパクト・プラス・ネットワーク、医療、福祉、商業等の生活機能を確保し、高齢者が安心して暮らせるよう、地域公共交通と連携してコンパクトな町づくりを進めることにより、新しい集積を形成し、効率性を高め、より大きな付加価値を生み出す国土構造としていくことが必要である旨を記載されていました。

私は、三月の予算委員会において、介護等を必要とする高齢者が一定の場所に集まって住む集住により、介護サービスの効率的、包括的に提供していく新たな軸、これを提案してきました。これは、コンパクト・プラス・ネットワークに通ずるものと考えます。高市総理は、あくまでも御本人や御家族の状況を踏まえ、希望する地域で生活を継続できるように取り組んでいくと答弁されました。その考えは同意しますが、人員不足によって、保険あってサービスなしとなっては元も子もありません。

人材の充足策として、集住を選択肢の一つに掲げ、高齢者がインセンティブを持てるように働きかけていく必要があると考えますが、厚生労働大臣の見解を伺います。

あわせて、国土交通大臣に、これまでの介護、福祉分野におけるコンパクト・プラス・ネットワークの取組及び今後の方針、厚生労働省との連携等についてお伺いをいたします。

それでは、以下、厚生労働大臣に法案の質問をいたします。

本改正において、ケアマネジャーの研修受講を要件とした更新制度が廃止されます。関連して、これまで指摘されてきた高額な受講料や受講日確保の困難等、経済的、時間的制約と、利用者のためのケアマネの質の確保と向上、これも議論をされています。

今回の検討以前に、二回目以降の更新研修で同じ内容のテキスト購入を求められる、受講科目の必要性を感じない、法律、施行規則の情報のみ提示されて、現場での具体的な対応策が示されるわけではないので、厚労省の通知を見れば十分など、研修内容についての指摘があります。現場で経験を重ねているケアマネが支援の質が高まると思える内容にしない限り、更新制度が廃止されても研修受講への疑問は解消されません。研修内容の課題をどのように認識し、解決に取り組むのでしょうか。

次に、本法案について、中重度等の要介護者を入居させる住宅型有料老人ホームの入居に係る新たな相談支援の類型が新設され、利用者負担が求められることになります。一方で、在宅サービス利用に係るケアマネジメントは、介護保険創設以来十割給付でした。

本改正を契機として、住宅サービス利用者全体に対し、ケアマネジメントへの費用負担を求めるという方針転換をされたのか、見解を伺います。

二〇二五年六月末時点で、訪問介護サービスを提供する事業所がゼロの自治体が百十五町村に上ります。既に介護サービス基盤の維持確保が困難となっている地域は多く、さきに提案したとおり、集住策など新たな対応が必要と考えております。

今回、本法案では、地域の実情に応じ、都道府県が当該地域として定める特定地域に、配置基準や包括的な評価の仕組みの導入が可能となる特定地域サービスを創設するとしています。これでは、同じ市町村内でも地区によって報酬体系が変わり、同じサービスでも人員配置基準や報酬、料金がばらばらとなります。これまで全国一律の介護保険制度の維持を求めてきましたが、この転換点とする改正となるのでしょうか。見解を求めます。

そして、包括支払の金額設定、報酬水準の設定をどのようにしていくのかも重要な課題です。

利用者が必要以上にサービスを、サービス利用をケアマネジャーに要求してしまうカスタマーハラスメントのような事案、あるいは事業者が必要なサービス提供を抑制するといったモラルハザードにつながることが懸念されています。衆議院の附帯決議でも、利用が少ないほど事業者の収益が増す構造等が生じ得るとして、サービスの質及び量並びに介護保険制度の公平性及び公正性が損なわれることがないようにと求められていますが、このような利用者と事業者の利益相反へどのように対応していくのか、御説明をお願いします。

あわせて、支え手である訪問介護事業者の事業形態と報酬体系について伺います。

訪問介護事業者といっても、住宅型有料老人ホーム等に併設し、近隣にサービス利用者が集団で居住しているところにサービス提供を行う事業者は、少ない移動時間、高いサービス利用率により利益率が高くなる一方、過疎地域や離島などサービス利用者が分散しているところの事業者は利益率が格段に低くなるという認識は厚生労働省にあるのでしょうか。

令和六年度の介護報酬改定において、他の介護サービスと比較して利益率が良好であるとの理由で訪問介護の基本報酬が引き下げられましたが、過疎地域や離島などの訪問介護事業者に限れば利益率は低位でした。

今後、地域の実情や事業形態等が異なる訪問介護事業を、報酬体系上、同じ訪問介護事業者として扱い続けるのでしょうか。区分を分ける方向で見直し、利用者が点在する地域でサービス提供をする訪問介護事業者が持続可能な制度設計に見直すべきと考えますが、見解を求めます。

介護保険制度で支えている分野ですら人材が不足し、業務内容に見合った賃金が支払われていないのが現状です。本法案における頼れる身寄りがいない高齢者、障害者、生活困窮者への相談支援機能の強化や、各支援事業に携わる社会福祉士等についても処遇が十分ではありません。地域の実情といって現場の努力とやりがいに頼るのではなく、相談支援体制の実態把握と、支援体制強化による業務量、協議会設置等の数、増減を調査し、それを通じて支援事業に対する予算措置の必要があると考えますが、見解を御答弁ください。

私たち国民民主党は、手取りを増やすことを軸に政策を提案しています。しかし、社会保障において、給付の削減による年金・健康・介護保険料の引下げでは必要な支援が滞ります。本改正において支援が必要な方へより効果的で効率的に届くよう、政策提案、議論していくことを申し上げ、質問とさせていただきます。

ありがとうございました。(拍手)

〔国務大臣上野賢一郎君登壇、拍手〕

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