国民民主党・新緑風会の牛田茉友です。
私は、会派を代表いたしまして、ただいま議題となりました国家情報会議設置法案に対し、賛成の立場から討論を行います。
本法案により国家情報会議を設置することは、複雑化する国際情勢において、我が国のインテリジェンス機能を抜本的に向上させていくための極めて重要な一歩であると考え、賛成いたします。
その上で、本法案を真に国民の信頼に足る実効性あるものへと発展させていくための今後の課題として、以下申し述べます。
現在、我が国を取り巻く安全保障環境は、かつてないほど多層的かつ複雑なものとなっています。ロシアによるウクライナ侵略、中国による軍事的脅威の増大、北朝鮮の核・ミサイル開発に加え、情報通信技術の進展に伴う外国による影響工作や偽情報の拡散、さらには経済安全保障上の情報流出など、脅威の形は劇的に変化しています。こうした事態が日常化する中で、的確な情報に基づき確かな施策を実行することは、国と国民の安全を守るための一丁目一番地です。
国民民主党は、インテリジェンスを、国民の安全を守るための政策判断の基盤であり、同時に、民主的統制の下に置かれるべき強い力であると定義しています。政策決定のエビデンスとなる情報を収集、分析し、その結果を適切に活用すること、さらには、情報を保全し、不当な情報工作に対処することを一体として捉えなければなりません。安全保障施策は、時の政権の主観で行われてはならず、客観的な証拠に基づいた戦略性が今こそ求められています。
我が国は、インテリジェンス機能の向上は不可欠であると、我が党は、インテリジェンス機能の向上は不可欠であると考えております。しかし同時に、それは極めて強い力であり、運用を誤れば、国民の自由や権利、民主主義の根幹に深刻な影響を及ぼしかねないという危うさを常にはらんでいます。
こうした認識の下、我が党は、去年十一月、今年三月にインテリジェンスに係る態勢の整備の推進に関する法律案を衆議院に提出いたしました。残念ながら否決されましたが、我が党は、法案作成に当たり、これまでの改革の議論で十分になされてこなかった三つの柱を議論の土台に据えました。それは、国民の人権と自由の尊重、国家の存立と主権の防衛、そしてインテリジェンスの最前線で活動する者の保護です。
本法案は、組織の器をつくる重要な第一歩のため賛成いたしますが、我が党が議員立法に明記した外国の利益を図る活動の透明性の確保や、政治的中立及び民主的統制の確保といった基本理念については、なお途上にあると言わざるを得ません。今後、真に機能する体制を築くためには、我が党が示した包括的な視点が不可欠であることを改めて強調しておきます。
インテリジェンスにおける最も深刻なリスクの一つは、政治的意図によって情報がゆがめられる情報の政治化です。政策に都合のいい情報だけが重視され、政策判断を正当化するために情報が解釈されるようなことがあれば、国家の判断を誤らせ、国民を危機にさらします。イラク戦争開戦の根拠となった大量破壊兵器を保有しているとの誤ったインテリジェンスや、国内における大川原化工機をめぐる冤罪事件のような立件という政策目的ありきの情報収集は、我々に極めて重い教訓を突き付けています。
こうした過ちを二度と繰り返さないために、以下の点を運用の大原則として徹底することを政府に強く求めます。
第一に、不透明な運用を排するための国会への誠実な報告と説明責任です。
第二に、分析結果が政治側に左右されないための政策部門と情報部門の厳格な分離です。情報の客観性と独立性を担保する仕組みの構築こそがインテリジェンスの要諦です。
第三に、内部の論理を監視するための独立的、第三者的な監視機能の導入です。諸外国が議会監督に加え多層的な監視体制をしいているように、日本においても独立した監視機関の設置の検討を進めるべきです。
第四に、関係者の保護。現場で危険を冒す人々を守るのは国の責務です。
第五に、後からの検証を可能とするための歴史的検証に堪え得る記録の保全です。国家情報会議の議事録や配付資料は公文書として適切に管理され、特定秘密であっても一定期間経過後には検証の対象とされるべきです。
体制を強化する上で、誰が担うのかという人材の問題も重要です。サイバー、地政学、経済安全保障といった高度な専門分野において、長期にわたり知見を蓄積するプロフェッショナルの存在なくして、この改革の成功はありません。
しかし、現状のゼネラリスト育成型の慣行や、数年単位で出向元の省庁へ戻っていく仕組みでは、継続的な専門性の蓄積は困難です。真に強力な組織を構築するため、出向元の省庁への復帰を前提としない人事異動の枠組みや、採用段階から専門性を評価する独自の仕組みを構築する必要があります。
高度な機密を扱う職員の離職は、国家情報の流出リスクにも直結します。既存の一般職給与法の枠内にとどまらず、職務の特殊性を鑑みた専門職手当や独自の給与体系を整備し、人材獲得競争に勝てる処遇を確保することを強く求めます。
さらに、予算面においても、既存のシーリングに縛られることなく、特別枠の活用も含めた継続的かつ重点的な財政的裏付けを講じる決断が必要です。
今や脅威は、軍事的なものだけでなく、外国勢力による不当な影響力行使や偽情報の拡散という形で現れています。こうした事態に対し、国民民主党が提唱しているのが外国代理人登録法の整備です。外国政府等の利益のために国内の政策決定や世論形成に関与する主体を可視化することは、健全な民主主義を守るための防壁です。これは正当な言論活動や学術交流を制限するものではなく、むしろ誰の利益を代表しているのかを明らかにすることで、国民の適切な判断を助ける仕組みです。
オーストラリアが情報機関と法執行機関を連携させ、登録せずに活動する主体を把握するタスクフォースを設けているように、日本においても、登録を促すだけに終わらない、実効性ある法整備の検討を速やかに開始することを求めます。
本法案は、あくまで第一ステップにすぎません。国民民主党が抜本的なインテリジェンス改革の先に目指す未来は、罰則で縛る社会ではなく、信頼と強靱さを持った社会です。その実現に向け、我々は以下の三点を追求してまいります。
第一に、外国の干渉を見える化し、国民が自ら判断できる健全な民主主義の基盤をつくること。第二に、過去の検証と不断の調査研究を通じて、時代に合わせて進化し続ける自己改革組織を確立すること。第三に、徹底して透明性を高め、国民の理解と信頼を得る努力を続ける信頼される政府をつくることです、実現することです。
インテリジェンスという巨大な力は、国民の理解と信頼という揺るぎない土台があって初めて真の力を発揮することができます。政府には、機密に触れない範囲で中長期的な方針を公表し、不断の説明尽くすことを改めて求めます。
本法案が、国民の安全と民主主義の価値を高い次元で両立させる、真に機能する体制への歴史的な第一歩となることを願い、私の賛成討論といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
31
関口昌一議長
本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。鬼木誠君。
〔鬼木誠君登壇、拍手〕
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32
鬼木誠(立憲)
立憲民主・無所属の鬼木誠です。
会派を代表して、国家情報会議設置法案について、反対の立場から討論を行います。
私は、我が国のインテリジェンス能力の強化の必要性を否定しているわけではありません。今日、認知戦や影響工作、サイバー攻撃等の手法を組み合わせたハイブリッドな脅威は増大しており、それらに対抗するためには、インテリジェンス能力を強化することは必要と考えています。
しかし、国家のインテリジェンス機能は、軍事力や警察力と同様に、強力な権力機能の一つであり、仮にインテリジェンス機関を制御することができず、暴走を許すことになれば、国民の人権を著しく不当に…
この発言のページ
33
関口昌一議長
牛田茉友君。
〔牛田茉友君登壇、拍手〕
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- (上の発言)
34
牛田茉友(国民)
国民民主党・新緑風会の牛田茉友です。
私は、会派を代表いたしまして、ただいま議題となりました国家情報会議設置法案に対し、賛成の立場から討論を行います。
本法案により国家情報会議を設置することは、複雑化する国際情勢において、我が国のインテリジェンス機能を抜本的に向上させていくための極めて重要な一歩であると考え、賛成いたします。
その上で、本法案を真に国民の信頼に足る実効性あるものへと発展させていくための今後の課題として、以下申し述べます。
現在、我が国を取り巻く安全保障環境は、かつてないほど多層的かつ複雑なものとなっています。ロシアによるウクライナ侵略、中国による軍事的脅威の増大、北朝鮮の核・ミサイル開発に加え、情報通信技術の進展に伴う外国による影響工作や偽情報の拡散、さらには経済安全保障上の情報流出など、脅威の形は劇的に変化しています。こうした事態が日常化する中で、的確な情報に基づき確かな施策を実行することは、国と国民の安全を守るための一丁目一番地です。
国民民主党は、インテリジェンスを、国民の安全を守るための政策判断の基盤であり、同時に、民主的統制の下に置かれるべき強い力であると定義しています。政策決定のエビデンスとなる情報を収集、分析し、その結果を適切に活用すること、さらには、情報を保全し、不当な情報工作に対処することを一体として捉えなければなりません。安全保障施策は、時の政権の主観で行われてはならず、客観的な証拠に基づいた戦略性が今こそ求められています。
我が国は、インテリジェンス機能の向上は不可欠であると、我が党は、インテリジェンス機能の向上は不可欠であると考えております。しかし同時に、それは極めて強い力であり、運用を誤れば、国民の自由や権利、民主主義の根幹に深刻な影響を及ぼしかねないという危うさを常にはらんでいます。
こうした認識の下、我が党は、去年十一月、今年三月にインテリジェンスに係る態勢の整備の推進に関する法律案を衆議院に提出いたしました。残念ながら否決されましたが、我が党は、法案作成に当たり、これまでの改革の議論で十分になされてこなかった三つの柱を議論の土台に据えました。それは、国民の人権と自由の尊重、国家の存立と主権の防衛、そしてインテリジェンスの最前線で活動する者の保護です。
本法案は、組織の器をつくる重要な第一歩のため賛成いたしますが、我が党が議員立法に明記した外国の利益を図る活動の透明性の確保や、政治的中立及び民主的統制の確保といった基本理念については、なお途上にあると言わざるを得ません。今後、真に機能する体制を築くためには、我が党が示した包括的な視点が不可欠であることを改めて強調しておきます。
インテリジェンスにおける最も深刻なリスクの一つは、政治的意図によって情報がゆがめられる情報の政治化です。政策に都合のいい情報だけが重視され、政策判断を正当化するために情報が解釈されるようなことがあれば、国家の判断を誤らせ、国民を危機にさらします。イラク戦争開戦の根拠となった大量破壊兵器を保有しているとの誤ったインテリジェンスや、国内における大川原化工機をめぐる冤罪事件のような立件という政策目的ありきの情報収集は、我々に極めて重い教訓を突き付けています。
こうした過ちを二度と繰り返さないために、以下の点を運用の大原則として徹底することを政府に強く求めます。
第一に、不透明な運用を排するための国会への誠実な報告と説明責任です。
第二に、分析結果が政治側に左右されないための政策部門と情報部門の厳格な分離です。情報の客観性と独立性を担保する仕組みの構築こそがインテリジェンスの要諦です。
第三に、内部の論理を監視するための独立的、第三者的な監視機能の導入です。諸外国が議会監督に加え多層的な監視体制をしいているように、日本においても独立した監視機関の設置の検討を進めるべきです。
第四に、関係者の保護。現場で危険を冒す人々を守るのは国の責務です。
第五に、後からの検証を可能とするための歴史的検証に堪え得る記録の保全です。国家情報会議の議事録や配付資料は公文書として適切に管理され、特定秘密であっても一定期間経過後には検証の対象とされるべきです。
体制を強化する上で、誰が担うのかという人材の問題も重要です。サイバー、地政学、経済安全保障といった高度な専門分野において、長期にわたり知見を蓄積するプロフェッショナルの存在なくして、この改革の成功はありません。
しかし、現状のゼネラリスト育成型の慣行や、数年単位で出向元の省庁へ戻っていく仕組みでは、継続的な専門性の蓄積は困難です。真に強力な組織を構築するため、出向元の省庁への復帰を前提としない人事異動の枠組みや、採用段階から専門性を評価する独自の仕組みを構築する必要があります。
高度な機密を扱う職員の離職は、国家情報の流出リスクにも直結します。既存の一般職給与法の枠内にとどまらず、職務の特殊性を鑑みた専門職手当や独自の給与体系を整備し、人材獲得競争に勝てる処遇を確保することを強く求めます。
さらに、予算面においても、既存のシーリングに縛られることなく、特別枠の活用も含めた継続的かつ重点的な財政的裏付けを講じる決断が必要です。
今や脅威は、軍事的なものだけでなく、外国勢力による不当な影響力行使や偽情報の拡散という形で現れています。こうした事態に対し、国民民主党が提唱しているのが外国代理人登録法の整備です。外国政府等の利益のために国内の政策決定や世論形成に関与する主体を可視化することは、健全な民主主義を守るための防壁です。これは正当な言論活動や学術交流を制限するものではなく、むしろ誰の利益を代表しているのかを明らかにすることで、国民の適切な判断を助ける仕組みです。
オーストラリアが情報機関と法執行機関を連携させ、登録せずに活動する主体を把握するタスクフォースを設けているように、日本においても、登録を促すだけに終わらない、実効性ある法整備の検討を速やかに開始することを求めます。
本法案は、あくまで第一ステップにすぎません。国民民主党が抜本的なインテリジェンス改革の先に目指す未来は、罰則で縛る社会ではなく、信頼と強靱さを持った社会です。その実現に向け、我々は以下の三点を追求してまいります。
第一に、外国の干渉を見える化し、国民が自ら判断できる健全な民主主義の基盤をつくること。第二に、過去の検証と不断の調査研究を通じて、時代に合わせて進化し続ける自己改革組織を確立すること。第三に、徹底して透明性を高め、国民の理解と信頼を得る努力を続ける信頼される政府をつくることです、実現することです。
インテリジェンスという巨大な力は、国民の理解と信頼という揺るぎない土台があって初めて真の力を発揮することができます。政府には、機密に触れない範囲で中長期的な方針を公表し、不断の説明尽くすことを改めて求めます。
本法案が、国民の安全と民主主義の価値を高い次元で両立させる、真に機能する体制への歴史的な第一歩となることを願い、私の賛成討論といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
35
関口昌一議長
大津力君。
〔大津力君登壇、拍手〕
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36大大津力(参政)
参政党の大津力です。
参政党を代表し、国家情報会議設置法案につきまして、賛成の立場で討論を行います。
まず、大前提となる世界における我が国の現状について申し上げます。
戦後八十年余り、幸いにして、日本は武力による戦争に直接巻き込まれることはありませんでした。しかし、だからといって、私たちが真の平和の中にいたと錯覚してはなりません。一見平和に見える日常の裏側で、実のところ日本は、常に目に見えない情報戦という熾烈な戦いの真っただ中にさらされ続けてきたというのが私の強い危機感でございます。
情報戦では、世論、選挙、経済、技術、企業活動、地方自治、そして…
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37
関口昌一議長
これにて討論は終局いたしました。
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