小野田紀美 (自由民主党)内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略・知的財産戦略・科学技術政策・宇宙政策・人工知能戦略・経済安全保障)

2026年5月27日・第221回国会 参議院 本会議 第16号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 11 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 42 発言)

牛田議員からは、まず、中東情勢に係る現行の経済安全保障推進法及び今般の改正法案に基づく対応についてお尋ねがありました。

重要な物資の安定供給確保につきましては、経済安全保障推進法のみで実現されるものではなく、他の法律に基づく制度や一般的な予算措置等、様々な政策手段を組み合わせて対応していくべきものと認識しております。

このため、足下の中東情勢を踏まえ、中東情勢に伴う重要物資安定確保担当大臣である赤澤大臣を中心に、政府一丸となって、ナフサなどの石油製品、関連製品を含む重要物資の安定供給確保に向けた取組を現在進めているところです。

また、重要な物資の安定供給を確保するためには、特定重要物資やその原材料等の生産や備蓄等を行う事業者だけでなく、特定重要物資等の供給に不可欠な役務を担う事業者や、特定重要物資の供給を受ける事業者としての需要側を始め、幅広い関係者の取組も重要となります。

このため、今般の改正法案においては、物資のみならず、その供給に不可欠な役務に対する支援や、需要側も含めた幅広い関係者に対する特定重要物資等の安定供給確保のための相互連携や相互協力を行う旨の努力義務などに関する規定を措置しており、これらにより、今後、特定重要物資についてサプライチェーン全体にわたり更なる強靱化を図ることができるものと考えております。

次に、基幹インフラへの病院の追加に係る状況の変化と理由についてお尋ねがありました。

基幹インフラ制度の対象となる事業は、国民生活及び経済活動の基盤となる役務であって、その安定的な提供に支障が生じた場合に国家及び国民の安全を損なう事態を生ずるおそれがあるものなどとされており、これらの要件を満たすものを選定しております。

病院を含む医療分野につきましては、昨今、医療機関を標的としたサイバー事案が続いていること、また、更なる医療DXの推進が見込まれ、今後、サイバー攻撃等を受けた場合には医療の安定的な提供への影響が現在よりも大きくなる可能性があることなど、経済安全保障の観点から医療機関を取り巻く状況が変化していると認識しております。

今般の改正法案においては、こうした状況の変化を踏まえつつ、基幹インフラ制度の対象に病院の行う医業等を追加したいと考えております。

次に、基幹インフラ制度への病院の追加に当たり、手続の簡素化や財政支援についてお尋ねがありました。

基幹インフラ制度においては、関係事業者の負担にも配慮しながら、制度の運用改善と実効性確保に向けた不断の見直しを行うことが重要だと認識しています。このような考えの下、現行の十五分野の事業者等からいただいた様々な御意見も踏まえ、本法案において制度の運用改善を図るための改正を盛り込んだところであり、加えて、届出事項や手続等を定める省令等の見直しも行うこととしています。

今後も、新たに対象となる病院を含め、基幹インフラ事業者の事務手続の簡素化に取り組んでまいります。

また、今般、病院を基幹インフラ制度の対象に追加するに当たり、まず、事業者にとって過度な負担にならないよう、規制対象は真に必要な範囲に限定するとともに、事業者の負担に配慮し、十分な準備期間を設けるため、段階的に対象病院を指定することを検討しております。

あわせて、厚生労働省において、病院のサイバーセキュリティー対策等につき、既存の支援措置等を活用して可能な限り必要な支援を行っていくことも検討していると承知しております。

こうした点も含め、対象事業者等の指定に当たっては、事業者等の御意見もお聞きしながら、丁寧に検討を進めてまいります。

次に、総合的な経済安全保障シンクタンクと重要技術戦略研究所の役割分担についてお尋ねがありました。

総合的な経済安全保障シンクタンクは、独立行政法人内に設置される公的機関であり、政府の要請への即応も含め、外交、情報、防衛、経済、技術の専門性を要する調査研究を実施し、政策提言を行うものです。

一方、いわゆる重要技術戦略研究所は、一般財団法人として設立される民間機関であり、技術に特化し、アカデミアも巻き込む形で、産学官連携による科学技術戦略の推進等に加え、大学と連携した人材育成を行うことが期待されています。

これら二つのシンクタンクはこのように異なる役割の下に設立されるものであり、まずは、各シンクタンクがそれぞれの役割に基づき、しっかりと活動を進めていくことを目指したいと考えております。

次に、総合的な経済安全保障シンクタンクとインテリジェンス機能についてお尋ねがありました。

議員御指摘のインテリジェンス機能とは、一般的に、政策部局が国家安全保障に関して何らかの判断を行うために必要な情報を収集、分析、提供を行う機能のことを指し、当該機能を担う機関は、政策と情報の分離の観点から、政策部局とは別に設置されているのが通例です。

これに対して、総合的な経済安全保障シンクタンクには、外交、情報、防衛、経済、技術の高度な専門知識を結集し、政府の要請に即応することも含めて、調査研究のみならず政策提言を行うことが期待されており、政策部局と分離した機関として設置することは適切ではないと考えております。

他方で、当該シンクタンクが経済安全保障に資する専門的な調査研究や政策提言を行うに当たり、必要な情報やデータを収集するため、関係省庁や民間事業者等との連携をしっかり進めていく所存です。

最後に、経済安全保障上重要な海外事業の促進に関する制度についてお尋ねがありました。

本制度は、我が国の経済安全保障上重要であるが、採算性に不確実性があるため、既存の支援ツールだけでは民間企業からの十分な、民間企業から十分な投資が行われない海外事業について、国の支援を呼び水に民間企業の参画を得ることで、当該事業を実施可能とするものです。

支援対象事業の認定に際しては、議員から御指摘のありました定量的な収支計画を含めた特定海外事業計画の提出を事業者に求めていきたいと考えております。その上で、JBICからの情報提供も受けつつ、経済安全保障上の重要性の観点に加え、対象事業の実現可能性や収益性等も踏まえて評価することが重要と考えております。

次に、御指摘のありました撤退基準につきましては、対象事業の経済安全保障上の効果も勘案しつつ、事業の実施状況や損失の発生要因等のフォローアップ内容、そして当該事業を取り巻く環境を総合的に踏まえることが必要であるため、特定の定量基準を事前に設けることは難しいと考えております。

その上で、事業者が認定を受けた特定海外事業計画に従って事業を行っていない場合などは、当該計画の認定を取り消して撤退を図ることも可能であり、JBICや関係省庁と連携しながら、機を逸することなく、適切な対処をしてまいります。

最後に、JBICにおける人材確保、体制整備につきましては、現在、JBICや関係省庁と連携して検討を進めております。的確な事業審査とモニタリングを含め、本制度を着実に運用できるよう、必要な人員や体制をしっかり確保してまいります。(拍手)

〔国務大臣赤澤亮正君登壇、拍手〕

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