泉房穂 (立憲民主党)

2026年7月16日・第221回国会 参議院 法務委員会 第21号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 268 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 282 発言)

立憲民主・無所属の泉房穂です。

会派を代表し、政府提出の原案に反対、立憲民主・無所属と公明党共同提出の修正案に賛成の立場から討論いたします。

今回の原案につきましても、七十八年ぶりの改正ということもあり、全てが全て駄目と言うつもりはありません。明確な規定がなかった手続規定が整備されますので、手続の明確化、また審理の迅速化についてはプラスだろうと私も理解をしております。

もっとも、最も大事なことは何かというと、冤罪の被害者が確実に救済できるか否かが最大のポイント、また救済に至った方も本当に長い長い年月が掛かってしまったことに鑑みたときに、救済を、迅速に救済すること、この確実な救済、迅速な救済の観点から、今回の原案に賛成することはできません。

このテーマにつきましては、繰り返しお伝えしておりますけれども、冤罪に遭った被害者、またまだ苦しみ続けている被害者が今回のまさに改正案をどのように受け止めているかが大変重要でありまして、袴田ひで子さんも参考人として、この政府案では巖は助からなかったんではないかと、処刑されていたのではないかとまで言っておられるんです。ほかの冤罪の被害者も多くの懸念事項を示されておられます。

そういう意味におきまして、確実な救済が得られるか否かという論点が最も重要でありまして、この点、今回のやはり証拠開示の論点につきまして、審議がこの間なされてきましたが、やはり、関連性という要件で制約をしたので大丈夫かということは、本当に懸念が尽きません。

いわゆる職権主義を強調なさるのであれば、裁判所がある意味裁量によって幅広く、例えば証拠の提出を命じたり、例えば証拠の直接開示を命じたりできるのが本来の姿でありまして、今回の原案につきましては、むしろ、やれるべきことを裁判所を縛るような内容になっているのではないかという問題でありまして、そういった制約をあえて課すことによって確実な救済につながるのかという論点につきましては、私はやはり懸念を払拭することはできません。

そしてさらに、こういった関連性の縛りを弁護人側が一定程度疎明するといっても、取っかかりがないわけですから、証拠の一覧表などの何かしら全体像が把握できないことには実効的な対応はできかねるわけでありまして、そういう意味におきましては、制約を課している点においてこれは改悪と言わざるを得ないと思いますし、一覧表の交付を認めない辺りにつきましては、これは、運用に任せる辺りにつきましては不十分という評価をせざるを得ないと思います。

さらに加えて、開示された証拠につきましても、それを全面的に目的外使用の名の下に禁止することは行き過ぎでありまして、犯罪に遭った被害者や関係者らとのバランスというのは個別対応で可能なのでありますから、両者に目配りするような法改正こそが望ましいのでありまして、現状、七十八年間、そういった禁止規定がなくて特に大きな弊害も生じていないことに鑑みたときに、あえて今回、全面的な禁止規定を罰則付きで設けるというのは、これは改悪と評価せざるを得ないと思います。

この点、修正案におきましては、証拠開示については広く開示を命じられるようにした上で、一覧表についての交付もできることにし、加えて、目的外使用につきましても個別対応という修正内容となっております。そして、もう一つ重要なことは、証拠がちゃんと適正に保管されていないことには始まりませんから、この点につきましては、修正案検討事項に入れております。

こういった点から、やはり確実な救済の観点から、原案に賛成することはできません。

もう一つは、迅速な救済でありますけれども、やはり抗告のテーマでありまして、やっぱり立法事実に鑑みたときに、十分な根拠ということだけでこれが担保できていると思えません。そういう意味におきまして、修正案におきましては、これにつきましてはドイツやフランス同様に一律禁止というような内容にしております。

こういった観点から、政府案原案には反対、そして修正案に賛成の立場です。

なお、この後の採決がどうなろうとも、冤罪に苦しむ被害者がおられる、そうである限り、立法府としてしっかり責任を果たすことは今後も変わらないと思います。立法府である以上、すぐに更に見直しをすることも可能です。五年ごとという規定がありますが、別に五年待つ必要もありません。引き続き、しっかり冤罪の被害者の救済に向けて、与野党を問わずしっかり力を尽くし合うことを皆さんにお願い申し上げ、私の討論といたします。共に頑張りましょう。

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