お答え申し上げます。
今、安達先生が御指摘くださった通常審における証拠開示については、三段階の証拠開示ができるということになっておりまして、まずは検察官が自分の有罪立証に必要な請求証拠を開示すると、第二段階として、その請求証拠の証明力を判断するのに必要と思われる類型証拠を開示すると、さらに三段階目で、それに加えて、被告人側から防御の主張が出てきた場合には、その主張に関連する証拠も開示するという法制度になってございます。
ただ、現在の実務においては、この制度どおりに厳密にやっているわけではなくて、その類型証拠とか主張関連証拠はいずれ出さないといけないものなので、もう検察官が最初に請求証拠を出す段階で、類型証拠に当たりそうなものは全部任意で出しますというふうな運用が行われています。
この制度というのは公判前整理手続を適用した事件にのみ一応法律上は適用されるものなんですけれども、今、安達先生が正確におっしゃったように、公判前整理手続に付されない事件についても、同じように任意の開示というものがかなり幅広く行われていると認識しております。
そうだといたしますと、今回、再審法改正案で証拠提出命令という権限を刑訴法に設ければ、その権限を背景にして、やはり検察官はもう幅広く証拠を提出しないといけない、あるいは請求人に開示をしないといけないという運用になることは必然でありまして、今回の衆議院の修正で附則四条二項に足していただいたこともあり、その運用はかなり確実なものとなっていくだろうというふうに私自身は思っているところです。
73安安達悠司(参政)
ありがとうございます。
今回の再審に関する改正法案は、この被告人あるいは再審請求人の視点からはよく取り上げられるんですけど、ちょっとここで、研究者の立場から御覧になって、被害者の立場から見たときに今回の法改正案で何か懸念される点というのはあるんでしょうか。また、その懸念に対し、今回の改正案、修正案、これ全体としてバランスが取れたものになっているんでしょうか。
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74成成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授
お答え申し上げます。
被害者の方の御意見というのは、法制審部会の段階で被害者側の弁護士委員の先生がおっしゃってくださいましたし、それ以外にも、ヒアリングの中でも御遺族の方が出てこられてお話をしてくださいました。
被害者の方の御懸念というのは多数あるわけですけれども、主な御懸念としては、まず、法改正によって安易に再審無罪が出て、本来真犯人であった人が、何でしょう、本来だったら真犯人である人が社会に出てきてしまうのではないかという点と、あと、この再審の審理の過程で自らがかつて捜査に協力した段階でお示ししていた証拠が無用に社会に広がってしまうのではないかと…
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75安安達悠司(参政)
ありがとうございます。
私は、弁護士というのは、やはり被害者の立場もあり、また被告人や被疑者の立場も、両方大切にしていかないといけないと。つまり、冤罪の被害の防止も大切ですけど、被害者、御遺族の心情にもきちんと配慮していかなければならないと思っております。
次に、修正案に入った事項に関連して、証拠の任意開示の現状についてお尋ねします。
これは、まず一旦、成瀬参考人にお尋ねしたいんですけれども、今日も、本日もそうですし、法制審の部会でも、検察官は、通常審において、公判前整理手続に付されているか否かにかかわらず、任意開示が積極的に行われているというふう…
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- (上の発言)
76成成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授
お答え申し上げます。
今、安達先生が御指摘くださった通常審における証拠開示については、三段階の証拠開示ができるということになっておりまして、まずは検察官が自分の有罪立証に必要な請求証拠を開示すると、第二段階として、その請求証拠の証明力を判断するのに必要と思われる類型証拠を開示すると、さらに三段階目で、それに加えて、被告人側から防御の主張が出てきた場合には、その主張に関連する証拠も開示するという法制度になってございます。
ただ、現在の実務においては、この制度どおりに厳密にやっているわけではなくて、その類型証拠とか主張関連証拠はいずれ出さないといけないものなので、もう検察官が最初に請求証拠を出す段階で、類型証拠に当たりそうなものは全部任意で出しますというふうな運用が行われています。
この制度というのは公判前整理手続を適用した事件にのみ一応法律上は適用されるものなんですけれども、今、安達先生が正確におっしゃったように、公判前整理手続に付されない事件についても、同じように任意の開示というものがかなり幅広く行われていると認識しております。
そうだといたしますと、今回、再審法改正案で証拠提出命令という権限を刑訴法に設ければ、その権限を背景にして、やはり検察官はもう幅広く証拠を提出しないといけない、あるいは請求人に開示をしないといけないという運用になることは必然でありまして、今回の衆議院の修正で附則四条二項に足していただいたこともあり、その運用はかなり確実なものとなっていくだろうというふうに私自身は思っているところです。
77安安達悠司(参政)
この類型証拠の意味なんですけど、私の理解だと、まず、例えば証拠物、凶器とか採取資料、通話明細。それから、検証調書、診断書、鑑定書など。また、証人、証人予定者の供述録取書。それから、その他参考人の供述録取書。例えば、これに関しては、検察官によって直接請求しようとする事実の有無に関する供述を内容とするものであったり、あるいは被告人の供述録取書、取調べの状況の書面。こういったものだと思うんですけど、何かこれの類型証拠に関してちょっと補足して、もしありましたら、成瀬参考人からお願いします。
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78成成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授
お答え申し上げます。
この三百十六条の十五に挙がっている類型証拠というのは、検察官請求証拠の証明力を判断する上で、一般的、類型的にきっとこういう証拠は必要だろうというふうに立法者が考えたものを列挙しているものだというふうに理解をしております。
今御指摘いただきましたとおり、一号から四号辺りまではいわゆる客観証拠というふうに呼ばれるものであり、五号や六号になると被告人以外の者の供述調書、そして七号で被告人の供述調書が出てきて、八号で取調べ状況に関する証拠も出てくると。こういう形で、通常の刑事事件であれば、検察官の請求証拠の証明力を考える上できっとこうい…
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79安安達悠司(参政)
そうすると、もう一度、成瀬参考人にお尋ねしたいんですけど。
言わば、平成十六年改正以降は、通常審段階でも非常に多くの証拠が出るわけです。出ている、出ていますね。争っている事件ならなおさらそうです。そうすると、何でわざわざその再審、その再審においてもう一回幅広い証拠の開示が必要になるのかというのが、ちょっとこれ一般の人は分からないかもしれません。それについて何かあればお願いします。
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