成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授

2026年6月25日・第221回国会 参議院 法務委員会 第18号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 74 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 115 発言)

お答え申し上げます。

被害者の方の御意見というのは、法制審部会の段階で被害者側の弁護士委員の先生がおっしゃってくださいましたし、それ以外にも、ヒアリングの中でも御遺族の方が出てこられてお話をしてくださいました。

被害者の方の御懸念というのは多数あるわけですけれども、主な御懸念としては、まず、法改正によって安易に再審無罪が出て、本来真犯人であった人が、何でしょう、本来だったら真犯人である人が社会に出てきてしまうのではないかという点と、あと、この再審の審理の過程で自らがかつて捜査に協力した段階でお示ししていた証拠が無用に社会に広がってしまうのではないかと、目的外使用があるのではないかという点でございます。

その両点について本改正法はどのように対応しているかという点なんですけれども、まず、今回の再審法改正案というのは、決してその再審請求事由自体を何か変えるというものではございません。再審請求を認めるためには無罪を言い渡すべき明らかな証拠が必要であるという要件は全く変わっていないわけでございます。ただ、再審請求審の審理が余りにも遅延していたので、それを迅速にできるようにしただけでありまして、本来真犯人である人が誤って無罪になってしまうという懸念は当たらないだろうと思います。

それから、証拠が再審請求審の中でその証拠提出命令を通じて多く再審請求者や弁護人に閲覧、謄写されるということを被害者の方は懸念されておられたわけですけれども、それについては、目的外使用の禁止という規定を設けて、一定の場合には刑罰も科すという形で強い抑止を図っておりますので、二点目の被害者の方の御懸念についても対応はできているというふうに考えております。

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