お答え申し上げます。
まず、改正案ができ上がった場合には、最終的な証拠提出命令の権限は相当広いということを裁判官が理解するということが大事だと思います。
再審請求理由に関連するというのは、再審請求理由の判断に資するという意味なのであって、それは、手続の進行にも鑑みてかなり広がり得るものだということをまずきちんと理解していただく。その上で、再審請求理由に関連するものは基本的に必要、提出させる必要もあるので、特段の弊害がない限りは基本的に提出させるものであるということを裁判官がまず理解することが重要だと思います。
そのような権限をちゃんと持った上で、検察官に、私には最終的には提出を命ずる権限もありますよということを備えた上で、検察官、わざわざ命令まで出さなくても任意に出したらどうですかというふうに積極的に勧告をしていくと。それは、今回、衆議院の修正において附則の四条二項に明示していただいたことも大きな後押しになって、裁判所はそのように運用をしていくだろうと思います。
そのような運用が担保できるのであれば、これまで以上に幅広い証拠が裁判所に提出され、その結果、再審請求者及び弁護人もそれを閲覧できるようになるというふうに考えているところでございます。
以上です。
53田田岡直博香川県弁護士会弁護士
従来の実務運用として行われていた証拠開示制度を法制化することは、私は可能だと思います。
確かに、再審請求審は職権主義ですから、裁判所が主体的に証拠調べ、事実調べを行うと、そのための証拠提出命令というのは当然可能であると。これは恐らく条文設けるまでもなく可能だということが法制審でも、成瀬幹事もそうおっしゃっておられまして、これは事実取調べの一態様なんだから、この四百四十五条の二がないとできないということではなくて、当然できますと。裁判所は、検察官にその証拠を取り調べたいから出してくださいといったときに、当然調べられるでしょうと、ほかの証拠の保管者から取り…
この発言のページ
54高高平奇恵一橋大学大学院法学研究科教授/弁護士
職権主義というのは裁判所の権限と責任を根拠付けるだけであって、ほかの目的の制度を入れることを否定する根拠になるという使い方はしないのではないかと私は思っています。
これ、目的が違うんですよ。意見陳述のときにも申し上げましたけれども、提出命令というのは裁判所が裁判のために必要な証拠の提出を命令するもので、開示というのは再審請求人の方がその再審請求理由の構築と新証拠の獲得のためにするもので、目的も範囲も違うんです。
なので、先ほど成瀬参考人は、提出命令と開示命令を両立させると混乱するのではないかということをおっしゃいましたが、これ目的が違うので、提出命令…
この発言のページ
55
横山信一(公明)
ありがとうございます。
請求人にとって証拠、先ほど来出ているように、証拠、どんな証拠があるのかというのは非常に重要なことであります。無実だということが分かっているのは本人だけですから、そういう意味では必死ですよね。その何か手掛かりがないかということを見るという意味では、裁判官以上に必死でそれを探していくということになるわけですが。
現行法では、実務運用上、その裁判所の勧告や検察官の任意による証拠開示は可能です。しかし、裁判官の積極性や検察官の姿勢によって再審格差を生じてしまうという現状があります。
改正案の下で、再審請求人や弁護人への証拠開示をどの…
この発言のページ
- (上の発言)
56成成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授
お答え申し上げます。
まず、改正案ができ上がった場合には、最終的な証拠提出命令の権限は相当広いということを裁判官が理解するということが大事だと思います。
再審請求理由に関連するというのは、再審請求理由の判断に資するという意味なのであって、それは、手続の進行にも鑑みてかなり広がり得るものだということをまずきちんと理解していただく。その上で、再審請求理由に関連するものは基本的に必要、提出させる必要もあるので、特段の弊害がない限りは基本的に提出させるものであるということを裁判官がまず理解することが重要だと思います。
そのような権限をちゃんと持った上で、検察官に、私には最終的には提出を命ずる権限もありますよということを備えた上で、検察官、わざわざ命令まで出さなくても任意に出したらどうですかというふうに積極的に勧告をしていくと。それは、今回、衆議院の修正において附則の四条二項に明示していただいたことも大きな後押しになって、裁判所はそのように運用をしていくだろうと思います。
そのような運用が担保できるのであれば、これまで以上に幅広い証拠が裁判所に提出され、その結果、再審請求者及び弁護人もそれを閲覧できるようになるというふうに考えているところでございます。
以上です。
57田田岡直博香川県弁護士会弁護士
この改正法を前提にしますと、やはり限界があることはもう否めないと思います。
先ほどの成瀬参考人の答弁は非常に積極的かつ熱心な裁判官像というものを念頭に置いておられますので、仮にこの法律の中で何とかやろうと考える真面目な裁判官は、まずは提示命令を活用することといたしまして、証拠を、じゃ、全部提示してくださいと。で、何も標目一覧表なんて面倒くさいものを作る必要はないわけですので、検察官保管証拠全部を提示させることも条文上はできるわけですよね。じゃ、それ全部取り寄せて、その中で必要だと思うものを自ら取り調べるか、つまり提出命令を掛けるか、あるいは弁護人に任意…
この発言のページ
58高高平奇恵一橋大学大学院法学研究科教授/弁護士
関連性についての裁判官の認識ということをおっしゃったんですが、これ、条文を見ますと、先ほど成瀬参考人は関連するものは必要性があるんだというふうに理解することからスタートなんだとおっしゃったんですが、裁判官は通常そうは考えないのではないかと思っています。
これ、あくまで裁判に必要と明記されていますし、関連性と必要性は別の要件として定められていますので、今のような成瀬参考人の理解というのが十分に浸透するかどうか、つまりスタート地点の前提が成り立つかどうかという点に危惧がございます。
その意味で、やはり限界があると言わざるを得ないのは田岡参考人と同じ意見で…
この発言のページ
59
横山信一(公明)
時間が迫っておりまして、最後の質問になりますが、田岡参考人にお伺いいたします。
本法律案では、再審の請求を受けた裁判所は、審判開始の決定した後でなければ事実の取調べをすることができないと。この部分、法律案で導入されたスクリーニングの一部の部分であります。
現行法では、必要がある場合には事実の取調べを行うことができます。これを禁止することによる課題を、あれば教えていただきたいと思います。
この発言のページ