従来の実務運用として行われていた証拠開示制度を法制化することは、私は可能だと思います。
確かに、再審請求審は職権主義ですから、裁判所が主体的に証拠調べ、事実調べを行うと、そのための証拠提出命令というのは当然可能であると。これは恐らく条文設けるまでもなく可能だということが法制審でも、成瀬幹事もそうおっしゃっておられまして、これは事実取調べの一態様なんだから、この四百四十五条の二がないとできないということではなくて、当然できますと。裁判所は、検察官にその証拠を取り調べたいから出してくださいといったときに、当然調べられるでしょうと、ほかの証拠の保管者から取り寄せることもできるでしょうと、それは、職権主義である以上、当然なんですね。
じゃ、この四百四十五条の規定、何のために設けたのかといったら、むしろ要件を設けることによって、全部を取り寄せるんじゃなくて、関連性、必要性、相当性があるものしか取り寄せない、それは義務規定だから義務で範囲を定めたと言っていますけど、実質権限も縛っていまして、この範囲でやれば足りるということを規定したんだと思います。
じゃ、そうすると、それ以外できないんですかということがやはり問題になりまして、従来はこれよりやはり広くやってきたと、私たち現場の人間はそう認識しているんですね。明確に関連性、必要性、相当性はないかもしれないけれども、再審請求人が見たいと言っており、それに弊害もないと、そのことによって審理が円滑、迅速に進むというのであれば見せたらどうですかと、見られて困ることもないでしょうと。弊害もないものを見せないということによって審理が遅滞するのはよろしくないことだと。今、通常審だったら当然見せるべき客観的な証拠をなぜそこまでかたくなに見せないんですかと、見せて困らないでしょうと。見せて困るのは、無罪の証拠があって、無実の人が再審開始になるから困るというんだったら、それはもう理由にならないわけですので、見せて有罪ですということが明らかになるなら検察官にとっても別に悪いことじゃないわけですから見せなさいよということでやってきたわけです。
それを、成瀬先生も実務上の知恵としてやられていたと評価されているのに、法制化に、どうしても拒否するのは、やはり義務にしたくないんだろうなと。検察官の義務にするということ、裁判所の権限にするということに抵抗されているんだろうなと私は理解していまして、それはかえって今までやってきた裁判所の権限を否定することになりはしないかということを懸念しております。
以上です。
50
川合孝典(国民)
ありがとうございました。
終わります。
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51
横山信一(公明)
公明党の横山信一でございます。
今までの意見交換とかぶるところがどうしても出てくるんですけれども、証拠開示はやっぱり注目をしておりますので、まず三人の先生方にお聞きをしたいんですが、一昨日の法案質疑で、私の質問で、現状の再審請求審では実務運用として裁判所の勧告に基づく検察官による任意の証拠の提出や開示ができるようになっていますと、それだったら、もう改正案では証拠提出命令を、あっ、それで証拠提出命令が導入されるわけですが、これらに加えて証拠提出命令が導入されるわけですが、それならば、裁判所の勧告によって行っている証拠開示を明文化してもいいんじゃないですか…
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52成成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授
お答え申し上げます。
先生がおっしゃる証拠開示命令というのは、検察官が直接、再審請求人及び弁護人に証拠を開示するという命令だというふうに理解しておりますけれども、再審請求審というのはあくまで裁判官が主体となって再審請求理由について審理、判断を行う手続ですので、やはりその職権主義構造の再審請求審と整合的であるのは、裁判所に対して証拠を提出させる今回の証拠提出命令制度であるというふうに考えております。
仮にこれと並んで、検察官がその再審請求者に直接証拠を開示する証拠開示命令制度というものを並列いたしますと、再審請求審というのはどういう審理構造なのかという…
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- (上の発言)
53田田岡直博香川県弁護士会弁護士
従来の実務運用として行われていた証拠開示制度を法制化することは、私は可能だと思います。
確かに、再審請求審は職権主義ですから、裁判所が主体的に証拠調べ、事実調べを行うと、そのための証拠提出命令というのは当然可能であると。これは恐らく条文設けるまでもなく可能だということが法制審でも、成瀬幹事もそうおっしゃっておられまして、これは事実取調べの一態様なんだから、この四百四十五条の二がないとできないということではなくて、当然できますと。裁判所は、検察官にその証拠を取り調べたいから出してくださいといったときに、当然調べられるでしょうと、ほかの証拠の保管者から取り寄せることもできるでしょうと、それは、職権主義である以上、当然なんですね。
じゃ、この四百四十五条の規定、何のために設けたのかといったら、むしろ要件を設けることによって、全部を取り寄せるんじゃなくて、関連性、必要性、相当性があるものしか取り寄せない、それは義務規定だから義務で範囲を定めたと言っていますけど、実質権限も縛っていまして、この範囲でやれば足りるということを規定したんだと思います。
じゃ、そうすると、それ以外できないんですかということがやはり問題になりまして、従来はこれよりやはり広くやってきたと、私たち現場の人間はそう認識しているんですね。明確に関連性、必要性、相当性はないかもしれないけれども、再審請求人が見たいと言っており、それに弊害もないと、そのことによって審理が円滑、迅速に進むというのであれば見せたらどうですかと、見られて困ることもないでしょうと。弊害もないものを見せないということによって審理が遅滞するのはよろしくないことだと。今、通常審だったら当然見せるべき客観的な証拠をなぜそこまでかたくなに見せないんですかと、見せて困らないでしょうと。見せて困るのは、無罪の証拠があって、無実の人が再審開始になるから困るというんだったら、それはもう理由にならないわけですので、見せて有罪ですということが明らかになるなら検察官にとっても別に悪いことじゃないわけですから見せなさいよということでやってきたわけです。
それを、成瀬先生も実務上の知恵としてやられていたと評価されているのに、法制化に、どうしても拒否するのは、やはり義務にしたくないんだろうなと。検察官の義務にするということ、裁判所の権限にするということに抵抗されているんだろうなと私は理解していまして、それはかえって今までやってきた裁判所の権限を否定することになりはしないかということを懸念しております。
以上です。
54高高平奇恵一橋大学大学院法学研究科教授/弁護士
職権主義というのは裁判所の権限と責任を根拠付けるだけであって、ほかの目的の制度を入れることを否定する根拠になるという使い方はしないのではないかと私は思っています。
これ、目的が違うんですよ。意見陳述のときにも申し上げましたけれども、提出命令というのは裁判所が裁判のために必要な証拠の提出を命令するもので、開示というのは再審請求人の方がその再審請求理由の構築と新証拠の獲得のためにするもので、目的も範囲も違うんです。
なので、先ほど成瀬参考人は、提出命令と開示命令を両立させると混乱するのではないかということをおっしゃいましたが、これ目的が違うので、提出命令…
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横山信一(公明)
ありがとうございます。
請求人にとって証拠、先ほど来出ているように、証拠、どんな証拠があるのかというのは非常に重要なことであります。無実だということが分かっているのは本人だけですから、そういう意味では必死ですよね。その何か手掛かりがないかということを見るという意味では、裁判官以上に必死でそれを探していくということになるわけですが。
現行法では、実務運用上、その裁判所の勧告や検察官の任意による証拠開示は可能です。しかし、裁判官の積極性や検察官の姿勢によって再審格差を生じてしまうという現状があります。
改正案の下で、再審請求人や弁護人への証拠開示をどの…
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56成成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授
お答え申し上げます。
まず、改正案ができ上がった場合には、最終的な証拠提出命令の権限は相当広いということを裁判官が理解するということが大事だと思います。
再審請求理由に関連するというのは、再審請求理由の判断に資するという意味なのであって、それは、手続の進行にも鑑みてかなり広がり得るものだということをまずきちんと理解していただく。その上で、再審請求理由に関連するものは基本的に必要、提出させる必要もあるので、特段の弊害がない限りは基本的に提出させるものであるということを裁判官がまず理解することが重要だと思います。
そのような権限をちゃんと持った上で、検…
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