田岡直博香川県弁護士会弁護士

2026年6月25日・第221回国会 参議院 法務委員会 第18号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 53 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 115 発言)

従来の実務運用として行われていた証拠開示制度を法制化することは、私は可能だと思います。

確かに、再審請求審は職権主義ですから、裁判所が主体的に証拠調べ、事実調べを行うと、そのための証拠提出命令というのは当然可能であると。これは恐らく条文設けるまでもなく可能だということが法制審でも、成瀬幹事もそうおっしゃっておられまして、これは事実取調べの一態様なんだから、この四百四十五条の二がないとできないということではなくて、当然できますと。裁判所は、検察官にその証拠を取り調べたいから出してくださいといったときに、当然調べられるでしょうと、ほかの証拠の保管者から取り寄せることもできるでしょうと、それは、職権主義である以上、当然なんですね。

じゃ、この四百四十五条の規定、何のために設けたのかといったら、むしろ要件を設けることによって、全部を取り寄せるんじゃなくて、関連性、必要性、相当性があるものしか取り寄せない、それは義務規定だから義務で範囲を定めたと言っていますけど、実質権限も縛っていまして、この範囲でやれば足りるということを規定したんだと思います。

じゃ、そうすると、それ以外できないんですかということがやはり問題になりまして、従来はこれよりやはり広くやってきたと、私たち現場の人間はそう認識しているんですね。明確に関連性、必要性、相当性はないかもしれないけれども、再審請求人が見たいと言っており、それに弊害もないと、そのことによって審理が円滑、迅速に進むというのであれば見せたらどうですかと、見られて困ることもないでしょうと。弊害もないものを見せないということによって審理が遅滞するのはよろしくないことだと。今、通常審だったら当然見せるべき客観的な証拠をなぜそこまでかたくなに見せないんですかと、見せて困らないでしょうと。見せて困るのは、無罪の証拠があって、無実の人が再審開始になるから困るというんだったら、それはもう理由にならないわけですので、見せて有罪ですということが明らかになるなら検察官にとっても別に悪いことじゃないわけですから見せなさいよということでやってきたわけです。

それを、成瀬先生も実務上の知恵としてやられていたと評価されているのに、法制化に、どうしても拒否するのは、やはり義務にしたくないんだろうなと。検察官の義務にするということ、裁判所の権限にするということに抵抗されているんだろうなと私は理解していまして、それはかえって今までやってきた裁判所の権限を否定することになりはしないかということを懸念しております。

以上です。

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