田岡直博香川県弁護士会弁護士

2026年6月25日・第221回国会 参議院 法務委員会 第18号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 57 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 115 発言)

この改正法を前提にしますと、やはり限界があることはもう否めないと思います。

先ほどの成瀬参考人の答弁は非常に積極的かつ熱心な裁判官像というものを念頭に置いておられますので、仮にこの法律の中で何とかやろうと考える真面目な裁判官は、まずは提示命令を活用することといたしまして、証拠を、じゃ、全部提示してくださいと。で、何も標目一覧表なんて面倒くさいものを作る必要はないわけですので、検察官保管証拠全部を提示させることも条文上はできるわけですよね。じゃ、それ全部取り寄せて、その中で必要だと思うものを自ら取り調べるか、つまり提出命令を掛けるか、あるいは弁護人に任意に開示するかということを裁判所が全部の証拠を見た上で判断していけば、少しでも開示漏れを減らせるんだと思います。

ただ、なかなか今までの裁判官はそういうことをやってきておりませんよね。現実には、やはり再審請求審というのは、裁判、再審請求人の主張について判断するんだと。そのことを法制審でも何度も何度も説明されているわけですから、およそ全ての証拠を提示命令を掛けるような運用は、なかなかやはり裁判官としては慎重にならざるを得ないんだろうと思います。

また、裁判官が検察官に、じゃ、任意に開示しなさいと言っても、検察官が拒否すればこれ実効性ありませんよね。附帯決議や附則に書かれていることというのは、裁判所の意向を踏まえて判断すると、でもそれは任意ですよということであって、例えばそれを尊重するとか従うとか書いてあればまだ分かりますけれども、任意の措置とか任意の運用、適切に運用と、こういう表現では、結局いつまでたっても証拠隠しがなくならないのではないかなというふうに思いますので、まあ現行法上何とかやっていくのであれば、今のような提示命令、提出命令、そして開示の勧告を活用はするんですけれども、それでも限界があるということかと思います。

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