成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授

2026年6月25日・第221回国会 参議院 法務委員会 第18号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 18 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 115 発言)

お答え申し上げます。

まず一点目の十分な根拠の意味につきましては、検察官が不服申立てをすることにより再審開始決定が取り消される蓋然性が高いことを裏付ける合理的な根拠がある場合を指すと考えております。具体的には、重大な事実誤認等があり、それらに関する誤りの主張が上級審に受け入れられて再審開始決定が覆ることとなる蓋然性が高い場合を指すと考えております。

二点目ですけれども、この規定を設けることによって原則禁止、そして例外的に許されるという運用が果たして担保されるのかという点ですが、私自身は十分に担保可能であるというふうに考えております。

今回の閣法におきましては、検察官が即時抗告をした場合には直ちにその理由等を国民に向けて説明をしなければならないと、公表しなければならないということになっており、抗告審の審理は基本的に一年以内に終わらなければならないという附則も付いております。

そうだといたしますと、抗告した段階でどういう理由だったのかということが示されて、その結論も一年以内に裁判所から示されると。その後、五年後見直しで実際に審理が、検討が始まった場合に、検察官抗告をしたのにほとんど受け入れられていないということがあれば、この十分な根拠に基づいてなかったんではないかということに従ってその制度を新たに変えるべきだという議論になりかねませんので、検察官としてはそうならないために、最大限この十分な根拠があるかということについて組織的検討を行って、非常に慎重に即時抗告の可否を判断していくものと思われます。その意味で、例外的になるという点は運用上十分担保できると思います。

その上で、三点目ですけれども、それなりの根拠しかない形で即時抗告をしてきた場合、抗告審としては、通常、そのまま理由はないものとして棄却をするということになるだろうと思います。そうだといたしますと、先ほど申し上げたように、その結果が国民に知らされて、五年後見直しで検察官が制度改正の不利益を被る余地が出てくると、そうなると思います。

以上です。

前後のやりとり

14の発言を見る

22の発言を見る