お答え申し上げます。
まず一点目の十分な根拠の意味につきましては、検察官が不服申立てをすることにより再審開始決定が取り消される蓋然性が高いことを裏付ける合理的な根拠がある場合を指すと考えております。具体的には、重大な事実誤認等があり、それらに関する誤りの主張が上級審に受け入れられて再審開始決定が覆ることとなる蓋然性が高い場合を指すと考えております。
二点目ですけれども、この規定を設けることによって原則禁止、そして例外的に許されるという運用が果たして担保されるのかという点ですが、私自身は十分に担保可能であるというふうに考えております。
今回の閣法におきましては、検察官が即時抗告をした場合には直ちにその理由等を国民に向けて説明をしなければならないと、公表しなければならないということになっており、抗告審の審理は基本的に一年以内に終わらなければならないという附則も付いております。
そうだといたしますと、抗告した段階でどういう理由だったのかということが示されて、その結論も一年以内に裁判所から示されると。その後、五年後見直しで実際に審理が、検討が始まった場合に、検察官抗告をしたのにほとんど受け入れられていないということがあれば、この十分な根拠に基づいてなかったんではないかということに従ってその制度を新たに変えるべきだという議論になりかねませんので、検察官としてはそうならないために、最大限この十分な根拠があるかということについて組織的検討を行って、非常に慎重に即時抗告の可否を判断していくものと思われます。その意味で、例外的になるという点は運用上十分担保できると思います。
その上で、三点目ですけれども、それなりの根拠しかない形で即時抗告をしてきた場合、抗告審としては、通常、そのまま理由はないものとして棄却をするということになるだろうと思います。そうだといたしますと、先ほど申し上げたように、その結果が国民に知らされて、五年後見直しで検察官が制度改正の不利益を被る余地が出てくると、そうなると思います。
以上です。
15田田岡直博香川県弁護士会弁護士
田岡です。
まず、職権主義であるか当事者主義であるかによって必然的にこのような制度が決まるというものではないというのは、全く私はおっしゃるとおりだと思っております。
そもそも我が国で、職権主義でいえば、例えば少年事件は全記録が裁判所の手元に行くという仕組みになっておりまして、裁判官は全ての証拠を見た上で判断するということになっております。
ところが、この再審手続は、どうしても通常審が当事者主義なものですから、元々確定記録には、検察官が請求した証拠であって、かつ裁判所が取り調べた証拠しか手元にないという状態からスタートしますので、典型的な職権主義とは…
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16高高平奇恵一橋大学大学院法学研究科教授/弁護士
私も田岡参考人と意見を同じにしています。
若干付け加えさせていただきますと、この職権主義と言われる再審請求審の一つの特徴なんですが、これ、立証責任を請求人が負っているんですね。これ、非常に重たい責任です。職権主義構造で、かつ請求人にこれだけ重い。ただ主張すればいいというわけではない、主張すれば裁判所が証拠を探して解決してくれる、そんな制度ではないんです。立証を請求人自身がしなくてはならないんです。そうであるからには、この立証ができるようにする手続保障は制度に必然的に組み込まれるべきであると考えているということを付け加えさせていただきます。
以上です。
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17
古庄玄知(自民)
ところで、証拠開示の問題と、もう一つ、自民党の内部の議論のときに出てきたのが検察官抗告をどうするかという問題で、検察庁の方は、原則として検察官抗告はできないと、できないというか、条文からその検察官の再審決定に対する部分を落としたという、そういう処理をしたんですが、ただ、十分な根拠がある場合は例外的に認めると、そういうふうな改正案を作りました。
そこで、またこれも三人の先生方にお伺いしたいんですけれども、この十分な根拠ということの意味内容、それと、これによって原則、例外の関係が間違いなく維持されるのかどうか。もう一つ、十分ではないけれどもそれなりの根拠が…
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- (上の発言)
18成成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授
お答え申し上げます。
まず一点目の十分な根拠の意味につきましては、検察官が不服申立てをすることにより再審開始決定が取り消される蓋然性が高いことを裏付ける合理的な根拠がある場合を指すと考えております。具体的には、重大な事実誤認等があり、それらに関する誤りの主張が上級審に受け入れられて再審開始決定が覆ることとなる蓋然性が高い場合を指すと考えております。
二点目ですけれども、この規定を設けることによって原則禁止、そして例外的に許されるという運用が果たして担保されるのかという点ですが、私自身は十分に担保可能であるというふうに考えております。
今回の閣法におきましては、検察官が即時抗告をした場合には直ちにその理由等を国民に向けて説明をしなければならないと、公表しなければならないということになっており、抗告審の審理は基本的に一年以内に終わらなければならないという附則も付いております。
そうだといたしますと、抗告した段階でどういう理由だったのかということが示されて、その結論も一年以内に裁判所から示されると。その後、五年後見直しで実際に審理が、検討が始まった場合に、検察官抗告をしたのにほとんど受け入れられていないということがあれば、この十分な根拠に基づいてなかったんではないかということに従ってその制度を新たに変えるべきだという議論になりかねませんので、検察官としてはそうならないために、最大限この十分な根拠があるかということについて組織的検討を行って、非常に慎重に即時抗告の可否を判断していくものと思われます。その意味で、例外的になるという点は運用上十分担保できると思います。
その上で、三点目ですけれども、それなりの根拠しかない形で即時抗告をしてきた場合、抗告審としては、通常、そのまま理由はないものとして棄却をするということになるだろうと思います。そうだといたしますと、先ほど申し上げたように、その結果が国民に知らされて、五年後見直しで検察官が制度改正の不利益を被る余地が出てくると、そうなると思います。
以上です。
19田田岡直博香川県弁護士会弁護士
まず、十分な根拠といいましても、こういった用語が用いられている例はほかの法令にはございません。もうこの条文だけでございます。
そして、この十分な根拠とは何かについて、佐藤刑事局長は現決定が取り消されるべき蓋然性が高い場合を言うのだと説明していますが、六号再審、つまり無罪を言い渡すべき明らかな証拠を新たに発見したときのうち、この明らかなというのは元々が予測判断ですね。つまり、本当は再審公判を開いてみないと有罪になるか無罪になるか分かりませんけれども、無罪になるだろうと、無罪になることが明らかだという判断をしたのに対して明らかではないと争っているわけなんで…
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20高高平奇恵一橋大学大学院法学研究科教授/弁護士
おおむね田岡参考人と同じ意見なんですが、少し別の角度から補足をしたいと思います。
先ほど私の意見陳述の中でも申し上げましたが、これ十分な根拠があるか、六号再審の場合について考えていただきたいんですね。十分な根拠があるかどうかと、再審請求に理由があるかどうかって、結局、合理的疑いを生じさせるということについて、そういうふうなものじゃ、あるんだ、ないんだということに、これ自信があります、ありませんみたいな主観的なところで、何を見るか、裁判所、じゃ、何を見るかというと、やっぱりこの再審請求の理由があるかと全く同じ内容を審査するということになるんですよね。審査…
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伊藤孝江(公明)
時間になっております。
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