仁比聡平 (日本共産党)

2026年6月16日・第221回国会 参議院 法務委員会 第15号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 175 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 185 発言)

私は、日本共産党を代表して、成年後見法など民法等一部改正案、同整備法案に賛成の立場から討論いたします。

成年後見制度を抜本的に見直して、包括代理権を廃止し、特定の行為の代理のみを行う補助制度に一元化し、本人の意思決定の尊重、好みを含む意向把握義務を明文化、明確化することは、障害者権利条約の観点からも、代理決定を縮小する点で前進です。

障害者権利条約は、本人の意思決定を支援して一緒に決める制度への転換を求めています。障害のあるなしにかかわらず、全ての人に法的能力があり、障害者の様々な困難は社会の側の障壁によるものという観点にしっかり立って、なお残されている代理決定の仕組みを廃止し、意思決定支援制度への転換を検討する必要があります。

不断の見直しのため、附則十条に基づいて、本人の意向、自己決定の尊重がどのように図られていくか、その定性的な実情の把握がなされるよう求めたいと思います。

新制度の運用に当たっても様々な課題が懸念されますが、国が意思決定支援は自律の保障という基本的人権であることを明記し、責任を果たしていくことが重要です。特に、家庭裁判所が、本人の意向や補助を必要とする課題、終了後の日常生活に支障が生じないかなど、必要な情報をどのように把握して審判を行うのか、これまでの補助申立てにおいて多く実施されている家裁調査官による調査を施行後増加が見込まれる申立てにも行えるのか、残念ながら、最高裁から明確な答弁はありませんでした。

新制度が硬直した財産保全ではなく、本人の意向を尊重した身上保護と意思決定支援として機能するために、家庭裁判所の後見的役割は極めて重要です。充実した調査は不可欠であり、家裁調査官を始め、裁判所職員の抜本的増員を強く求めます。

また、司法と福祉の連携やチーム支援についても、中核機関の設置率は現在七七%程度で、小規模自治体ほど未設置です。専門職や福祉分野の担い手が不足し、財政的にも余裕のない中で、支援チームが組めない、チーム支援が機能せず裁判所が直接専門職に依頼するという実態も少なくありません。既に生じている自治体間格差を更に拡大させてはなりません。どこに住んでいても同じ支援を利用できるよう、国の抜本的な財政支援が必要です。

最後に、遺言制度のデジタル化について、様々な場面において遺言書の真意性、真正性の確保が問われることになります。しっかり注視し、対策を講じていくべきことを指摘し、討論といたします。

前後のやりとり

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