全国手をつなぐ育成会連合会の久保でございます。
本日は、このような機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。
私どもの会は、知的障害のある本人と家族、活動に賛同する方々で構成をし、全国全ての都道府県に育成会を組織している団体でございます。
本日は、二〇二一年に当会で成年後見制度に関するアンケート調査を各都道府県、政令市の育成会に三十人ずつ依頼をし、千六百五十人中、千三百八十六人の回答がありました。その報告書を御説明申し上げながら、私ども育成会が望む成年後見制度を申し上げたいと思っております。
まず、アンケート結果を見ていただきますと、五ページの一番下のQ2でございますけれども、成年後見制度の認知度は八三%でございました。成年後見制度を利用している人は、そこのQ3になりますけれども、約一〇・九、利用していない人は八七・八%でございます。そして、Qの4の(2)でございますけれども、後見人は親族後見七〇%、複数後見は六%、専門職は一四%でございました。
それから、ページ七のQ4の(4)になりますけれども、利用した理由は、相続等が二七・五%、親の高齢化二四・二%、その他二二・八%、その他の内容は福祉サービスとか介護保険の契約が二〇・八%ございました。それとあとは、良い制度と思ったので利用したというのが一八・八%ありました。
利用しての問題点でございます。八ページ以降になります。成年後見制度を一度利用したら一生止められない、そして、報酬は高い、本人のお金を本人のために使えない、本人の様子を見に来てくれない、身上保護をしてくれないのに報酬だけ毎月払い続けなければならない、本人の気持ち、意思を排除して後見人が全て決めてしまう、障害のことや障害福祉サービスのことを余り分かっておられない人たちで全て決められてしまう、こうした意見は回答のグラフにも自由筆記にも大変多く書かれております。
私たちの願いは、成年後見制度は人生の伴走者のようであってほしい。要するに、視覚障害の方がランナーとして走られるときに伴走者がおられます。その伴走者は、そのランナーの息遣いだとか足音だとか表情だとか、そういうものをしっかり受け止めながらゴールを目指されるということになりますので、そのような成年後見制度であってほしいというふうに思っております。
誰のための、何のための法律なのかをよく考えていただきたい。本人のできることは本人がする、できないところだけ本人の気持ちをよく聞いて手伝う、支援をする、そんな制度にしてほしい。成年後見制度のお品書きですね、これとこれとこれとができますよというのがあって、それを、本人が手伝ってほしいことを選べるような制度であってほしい。
そして、遺産相続で成年後見制度を利用すると、その後は特に何事もなく暮らしているのに後見人に報酬を払わなければならないので、必要なときだけ利用できるようにしてほしい。要は、障害基礎年金で暮らしている障害者の方がほとんどでございますので、その収入だけで、親がいなくなったらその収入だけで生きていかなければならないということでございますので、一級年金は八万八千円ぐらい、二級年金は七万円ぐらいです。そのうち、グループホームで暮らしておられると五万円がお家賃です、平均。それで、二級年金の方大変多くおられますので、七万の年金の中から、五万円お家賃を払って、食費を払って、光熱水費を払って、共通で使うものの雑費を払うと、そうしたら幾らも手元に残らないということですね。だから、とっても必要な制度であるということはよく分かっていても、払うものが払えないから使わないというようなのが今の状態なのかなというふうに思っています。
それから、裁判所も、専門職も障害特性とか障害福祉の制度を余り御存じないということで、本人たち、私たち親たちは身上保護が第一でございまして、それに伴う財産管理をしてほしいんですということです。それから、本人の気持ちや意思を尊重して、意思決定支援を第一に考えていただきたい。現在、既に成年後見制度を利用している人で特段問題なく暮らしていると確認できる方の場合は、申請をして改正後の成年後見制度に移行できるようにしてほしい。そんなような意見がたくさん出ております。
今回の民法改正への期待として、育成会としましては、今の成年後見制度には、アンケートでもお分かりいただけるように、本人や親が感じる問題点がたくさんあります。それが見直され、今回の民法改正による成年後見制度になることについてはとてもうれしくて、歓迎し、期待もしております。みんな、今年からいろんな大会だとか研修会は成年後見のことをやるというのがたくさんあります。
それで、次に、それでも不安が残ります。成年後見制度が終了した後、地域の権利擁護支援が全国どこに行っても受けられるかどうかは心配しています。必要なときに、必要な時期だけ成年後見制度を利用するようになるのはとてもうれしく、是非実現していただきたいというふうに思いますけれども、地域において生活やお金の世話をしてくれる人がいないということだけではありません。たとえ誰かが管理してくれたとしても、本人が自分の好きなこと、大切にしたいことを選びながら本人らしく生きていけるのでなければ、親としては安心ができないというふうに思っています。
また、本人の安心と豊かさをもたらしていくためには、意思決定支援、重度の方だと支援付意思決定の確保は欠かせないというふうに考えております。本人が迷っていても、言葉にならなくても、今日決めたことを明日変えたくなっても、それは私たちと同じです。私たちもそういう気持ちになるときがありますので、分かっていないからではないというふうに思っていただきたいと思います。当然のこととして、当たり前のこととして受け止めていただき、日常の中で本人が何を好み、何を嫌がり、誰といると生き生きするのかを知ろうとしていただきたい。その積み重ねがあって初めて本人の意思決定による制度につながるのではないかと考えております。そうした制度が親としては、安心して後見制度を利用し、終わらせてもよいと思える一つになるのではないかと思っています。
最後に、親亡き後のことになります。家族は、本人にとって最も身近な存在ですが、家族だけで一生を背負うことはできないということは育成会の会員は痛切に感じております。家族の中でも、親、兄弟の誰かに負担が偏ること、支援者と意見が食い違う、それから、事業者や制度の都合で、本人が真ん中に置けない、本人の思いを見えなくなってしまうということがあります。そして、そのほとんどが親は本人よりも先に別の世界に逝くことになります。兄弟がいても、多くの場合、本人と年齢が近い存在でございますので、兄弟の方が支援が必要になったり、先に別の世界に逝くこともあります。家族だけでは本人の一生を支えられないことがたくさんあります。
私たち親や家族は、我が子が、我が兄弟が本人らしい人生を安心して安らかに暮らしてくれることができる法律、制度、仕組みをつくっていただきたい、今回の成年後見制度がその大きな一歩になると思っております。どうか、今回の民法改正による新しい成年後見制度を実現していただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
0会会議録情報政府参考人など
令和八年六月十一日(木曜日)
午前十時開会
─────────────
委員の異動
六月九日
辞任 補欠選任
進藤金日子君 有村 治子君
若井 敦子君 山崎 正昭君
六月十日
辞任 補欠選任
山崎 正昭君 西田 英範君
六月十一日
辞任 補欠選任
鈴木 宗男君 朝日健太郎君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 伊藤 孝江君
理 事
古庄 玄知君
こやり隆史君
打越さく良君
川合 孝典君
横山 信…
この発言のページ
1
伊藤孝江(公明)
ただいまから法務委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、若井敦子さん及び進藤金日子さんが委員を辞任され、その補欠として有村治子さん及び西田英範さんが選任されました。
─────────────
この発言のページ
2
伊藤孝江(公明)
民法等の一部を改正する法律案及び民法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
本日は、両案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
御出席いただいております参考人は、一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会顧問久保厚子さん、新潟大学法学部教授上山泰さん及び公益社団法人日本社会福祉士会参事星野美子さんでございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参…
この発言のページ
- (上の発言)
3久久保厚子一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会顧問
全国手をつなぐ育成会連合会の久保でございます。
本日は、このような機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。
私どもの会は、知的障害のある本人と家族、活動に賛同する方々で構成をし、全国全ての都道府県に育成会を組織している団体でございます。
本日は、二〇二一年に当会で成年後見制度に関するアンケート調査を各都道府県、政令市の育成会に三十人ずつ依頼をし、千六百五十人中、千三百八十六人の回答がありました。その報告書を御説明申し上げながら、私ども育成会が望む成年後見制度を申し上げたいと思っております。
まず、アンケート結果を見ていただきますと、五ページの一番下のQ2でございますけれども、成年後見制度の認知度は八三%でございました。成年後見制度を利用している人は、そこのQ3になりますけれども、約一〇・九、利用していない人は八七・八%でございます。そして、Qの4の(2)でございますけれども、後見人は親族後見七〇%、複数後見は六%、専門職は一四%でございました。
それから、ページ七のQ4の(4)になりますけれども、利用した理由は、相続等が二七・五%、親の高齢化二四・二%、その他二二・八%、その他の内容は福祉サービスとか介護保険の契約が二〇・八%ございました。それとあとは、良い制度と思ったので利用したというのが一八・八%ありました。
利用しての問題点でございます。八ページ以降になります。成年後見制度を一度利用したら一生止められない、そして、報酬は高い、本人のお金を本人のために使えない、本人の様子を見に来てくれない、身上保護をしてくれないのに報酬だけ毎月払い続けなければならない、本人の気持ち、意思を排除して後見人が全て決めてしまう、障害のことや障害福祉サービスのことを余り分かっておられない人たちで全て決められてしまう、こうした意見は回答のグラフにも自由筆記にも大変多く書かれております。
私たちの願いは、成年後見制度は人生の伴走者のようであってほしい。要するに、視覚障害の方がランナーとして走られるときに伴走者がおられます。その伴走者は、そのランナーの息遣いだとか足音だとか表情だとか、そういうものをしっかり受け止めながらゴールを目指されるということになりますので、そのような成年後見制度であってほしいというふうに思っております。
誰のための、何のための法律なのかをよく考えていただきたい。本人のできることは本人がする、できないところだけ本人の気持ちをよく聞いて手伝う、支援をする、そんな制度にしてほしい。成年後見制度のお品書きですね、これとこれとこれとができますよというのがあって、それを、本人が手伝ってほしいことを選べるような制度であってほしい。
そして、遺産相続で成年後見制度を利用すると、その後は特に何事もなく暮らしているのに後見人に報酬を払わなければならないので、必要なときだけ利用できるようにしてほしい。要は、障害基礎年金で暮らしている障害者の方がほとんどでございますので、その収入だけで、親がいなくなったらその収入だけで生きていかなければならないということでございますので、一級年金は八万八千円ぐらい、二級年金は七万円ぐらいです。そのうち、グループホームで暮らしておられると五万円がお家賃です、平均。それで、二級年金の方大変多くおられますので、七万の年金の中から、五万円お家賃を払って、食費を払って、光熱水費を払って、共通で使うものの雑費を払うと、そうしたら幾らも手元に残らないということですね。だから、とっても必要な制度であるということはよく分かっていても、払うものが払えないから使わないというようなのが今の状態なのかなというふうに思っています。
それから、裁判所も、専門職も障害特性とか障害福祉の制度を余り御存じないということで、本人たち、私たち親たちは身上保護が第一でございまして、それに伴う財産管理をしてほしいんですということです。それから、本人の気持ちや意思を尊重して、意思決定支援を第一に考えていただきたい。現在、既に成年後見制度を利用している人で特段問題なく暮らしていると確認できる方の場合は、申請をして改正後の成年後見制度に移行できるようにしてほしい。そんなような意見がたくさん出ております。
今回の民法改正への期待として、育成会としましては、今の成年後見制度には、アンケートでもお分かりいただけるように、本人や親が感じる問題点がたくさんあります。それが見直され、今回の民法改正による成年後見制度になることについてはとてもうれしくて、歓迎し、期待もしております。みんな、今年からいろんな大会だとか研修会は成年後見のことをやるというのがたくさんあります。
それで、次に、それでも不安が残ります。成年後見制度が終了した後、地域の権利擁護支援が全国どこに行っても受けられるかどうかは心配しています。必要なときに、必要な時期だけ成年後見制度を利用するようになるのはとてもうれしく、是非実現していただきたいというふうに思いますけれども、地域において生活やお金の世話をしてくれる人がいないということだけではありません。たとえ誰かが管理してくれたとしても、本人が自分の好きなこと、大切にしたいことを選びながら本人らしく生きていけるのでなければ、親としては安心ができないというふうに思っています。
また、本人の安心と豊かさをもたらしていくためには、意思決定支援、重度の方だと支援付意思決定の確保は欠かせないというふうに考えております。本人が迷っていても、言葉にならなくても、今日決めたことを明日変えたくなっても、それは私たちと同じです。私たちもそういう気持ちになるときがありますので、分かっていないからではないというふうに思っていただきたいと思います。当然のこととして、当たり前のこととして受け止めていただき、日常の中で本人が何を好み、何を嫌がり、誰といると生き生きするのかを知ろうとしていただきたい。その積み重ねがあって初めて本人の意思決定による制度につながるのではないかと考えております。そうした制度が親としては、安心して後見制度を利用し、終わらせてもよいと思える一つになるのではないかと思っています。
最後に、親亡き後のことになります。家族は、本人にとって最も身近な存在ですが、家族だけで一生を背負うことはできないということは育成会の会員は痛切に感じております。家族の中でも、親、兄弟の誰かに負担が偏ること、支援者と意見が食い違う、それから、事業者や制度の都合で、本人が真ん中に置けない、本人の思いを見えなくなってしまうということがあります。そして、そのほとんどが親は本人よりも先に別の世界に逝くことになります。兄弟がいても、多くの場合、本人と年齢が近い存在でございますので、兄弟の方が支援が必要になったり、先に別の世界に逝くこともあります。家族だけでは本人の一生を支えられないことがたくさんあります。
私たち親や家族は、我が子が、我が兄弟が本人らしい人生を安心して安らかに暮らしてくれることができる法律、制度、仕組みをつくっていただきたい、今回の成年後見制度がその大きな一歩になると思っております。どうか、今回の民法改正による新しい成年後見制度を実現していただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
4
伊藤孝江(公明)
ありがとうございました。
次に、上山参考人にお願いいたします。上山参考人。
この発言のページ
5上上山泰新潟大学法学部教授
新潟大学の上山でございます。
本日は、意見陳述の機会を与えていただき、誠にありがとうございます。
私は、法制審議会民法(成年後見等関係)部会委員として調査審議に参加しておりました関係で、今回は成年後見制度の改正に論点を絞って所見を述べさせていただきます。
今回の改正案を貫く最も基本的な目標は、成年後見制度を利用者側の目線に立った利用しやすい仕組みへと改めることです。
それでは、逆に一体どこが利用しづらいのかというと、今の仕組みは柔軟性に欠けていて、状況の変化に応じた融通が利かないのだという声が強かったわけです。
法定後見について言えば、この指摘…
この発言のページ
6
伊藤孝江(公明)
ありがとうございました。
次に、星野参考人にお願いいたします。星野参考人。
この発言のページ