松井信憲法務省民事局長

2026年6月9日・第221回国会 参議院 法務委員会 第13号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 126 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 130 発言)

お答え申し上げます。

まず、自筆証書遺言を偽造し、又は変造するためには、遺言者の筆跡をまねて遺言の全文を記載するなどの必要があります。また、そもそも押印に用いる印鑑の種類については制限がなく、認め印でも足りるとされていることを踏まえると、押印要件が偽造等を防止する機能は大きいとは言えないとの指摘もございました。このため、押印要件を廃止することにより、自筆証書遺言の偽造又は変造が容易になるとの批判は当たらないものと考えております。

また、完成した書面と下書きの区別については、例えば契約書など一定の方式に従うことが求められていない書面に関して現行法の下でも生じ得る問題であり、遺言書を含め、完成したか否かについて紛争が生じた場合には、今後とも個別事案における具体的な事情に即して裁判所において適切に判断されていくものと承知をしております。

さらに、昨今の押印の機会の減少に伴って署名が果たす機能等に変化が生じ、押印要件を廃止しても、氏名の自書等が押印に代わって完成した遺言書と下書きとを区別する機能等を果たすと認識されていくことも考えられます。そのため、押印要件を廃止することによって完成した遺言書と下書きとの区別が困難になるものとは言えないと考えております。

前後のやりとり

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