金光敏大阪常磐会大学兼任講師/社会教育士

2026年5月21日・第221回国会 参議院 法務委員会 第10号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 7 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 96 発言)

こんにちは。今日は貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。

今日は、私、現場に携わっている立場から現場の話を中心にさせていただこうと思います。

私が主に携わっている現場は関西が中心なんですが、関西の中でも、私が在住しております大阪とともに、滋賀県にあるブラジル学校を始めとした外国人の子供たちの支援に取り当たっています。今日、名簿を見てわっと思いましたのは、滋賀県に携わりのある先生方が御出席いただいているのですごく心強いですし、実は有村先生の弟様が町長を務めておられる愛荘町にもブラジル学校があって、本当に町長にもお世話になっているところがあります。また、ブラジル学校の処遇改善に当たっては、嘉田先生が知事の時代に大きく基準緩和をしていただいたというところがありまして、大変忘れられない場面幾つもあります。

私は、滋賀にあるブラジル学校を中心にした専ら日系の子供たちの支援に携わってきましたが、御存じのとおり、ブラジル人、特にブラジル人とともにペルーを含めて南米から一九九〇年の入管法改定に伴って迎え入れられた人たちというのは、ほとんどが非正規の仕事に就いています。やっている業務は基幹産業で、日本の経済を本当に下支えしている貴重な業務類なんですけれども、雇用されている形態はほとんどが派遣労働であったり期間契約であったりなどです。ひところと比べますと、南米系の人たちの数は三分の一が減っているんですが、しかし、雇用の実態としては大きく変わっておりません。

私が携わっている滋賀県内のブラジル学校の子供たちの保護者は大半がやっぱり派遣でありまして、何とか夜勤なんかをしながら少し賃金を高めにもらっているというところがありますが、それとて、年収ベースでいうたら三百五十万から四百五十万ぐらいの間です。夜勤なんかができない家庭なんかでいいましたら、それ以下ということになります。

ブラジル人の場合は定住の資格を持って在住をしているケースが多いわけですけれども、専ら、一年、三年、五年に相当するわけですので、現在自分がもらっている在留期間を延長しようと思えば、それこそ五倍以上、十倍に相当するような手数料の負担ということになって、ブラジル人のコミュニティーでも今回の入管法改定については物すごく大きな関心を持って、不安を述べているというところがあります。

御存じのとおり、ブラジル人、ペルー人の場合は、渡日した一世ではなくて、日本で生まれ育った二世から三世へと移りつつあるんです。よくニューカマー、オールドカマーというふうに表現をされます。オールドカマーは私たちのような在日韓国・朝鮮人を主に言うてきたわけですが、もうもはやブラジル人とかペルー人もオールドカマーの領域に入ってきているというところがあります。こうした日本生まれ、日本育ちの二世とか三世の人にも、在留期間のサイクルに伴って、今以上の、五倍とか十倍に至るような手数料の負担を強いるということになっていると。

しかるべき職業をしっかり持って、生活の安定を期していたらまた別だと思うんですが、先ほども触れましたとおり、非正規の仕事をつなぎつなぎしながら生活をしている人たちにとってこの負担額は相当大きい。場合によれば、在留手数料の負担が難しいので、今もらっている三年のものを一年にするなど、更に在留資格上不安定な方向に自らの生活を引っ張り直すというようなことだってあり得ると思います。一点、それです。

もう一点、私、大阪で在日外国人の子供及び親たちの支援をしてきました。専ら、私は教育が専門なので、子供たちの支援をするわけですが、子供たちの支援をしていると親の支援に当たります。

私が主に支援している御家庭というのは、一人親家庭がとても多いんです。この一人親家庭の生活水準を少なくともこの年度末に合わせて、確定申告の時期でもありましたので、お母ちゃんたちに、どうと言うて、申告したなんていうことをしながら、生活水準のことを改めてヒアリングなんかをしますと、大体やっぱり二百五十万から百五十万ぐらいの間なんですね。

で、ほとんどが母子家庭です。まあ母子家庭の人たちが私のところに相談来られるというケースはあるかと思いますが、在日外国人の一人親家庭は母子家庭が中心になると思います。といいますのは、私が専ら支援をしているフィリピン人の御家族でいいましたら、子供のお父ちゃんは日本人であるケースがすごく多いんですね。ただ、その日本人のお父ちゃんとは連絡が取れずに、お母ちゃんが日本国籍の子供を養育しながら非正規の仕事をしている。あるいは、お父ちゃん日本人やというのは分かっているんですけれども、日本国籍取得の手続の方法が分からずにそのまま放置した状態で、お母ちゃんも子供も外国籍のまま生活をして暮らしていると。

この一人親家庭のお母さんなりお父さんなりの仕事を見ていきますと、お父さんは大体建築系が多いです。そして、お母ちゃんたちは、介護、それから清掃業、それから飲食店員が大半を占めます。生活水準が二百五十万から百五十万ぐらいの間ということなんです。これは外国人だから少ないかというふうに言えば、職業の選択が限られていますので、確かに収入の多様性ということでいえば、状況が低いのは低いです。ただし、私の専門ではあるんですけれども、日本社会全体の母子家庭の生活水準とほぼ同等なんですね。日本全体の母子家庭の就労収入の平均が大体二百三十六万ぐらいです。ですから、外国人のお母ちゃんたちによる母子家庭もこの日本全体の母子家庭の水準と余り差がないんですね。外国人だから収入が低いということではなくて、そもそも一人親家庭であるがゆえに収入が不安定であるというところの見方がとても大事だというふうに思っています。

二百四十万ぐらいとさせていただいて、例えば、そうしますと、一月二十万ぐらいですので、大阪市内なんかで家賃を払いますと、二DKであっても簡単に八万とか九万ぐらいになります。収入の半分ぐらいを家賃に支出をして、あと食費であったり光熱費であったり教育費を払いますから、貯金をするといいますか、その余力というのは本当にありません。

ですので、今回の入管法改定に伴う手数料の大幅引上げは、当事者の立場からすると相当に脅威を感じているところで、もうこの問題が大きく取り沙汰されてから、フィリピン人のコミュニティーにおいてもブラジル人のコミュニティーにおいても、それぞれの言語でニュースがわっと回っていまして、自分がそれにどれだけ対象となるのか、あるいは自分はこのまま日本で子供と一緒に暮らせるのかというふうなことをすごく戦々恐々としながら私のところに問合せに来るというふうなことです。

お母ちゃん、大丈夫やでと、ビザなくなる、ビザといいますか、在留資格が取り消されたりするような制度にはなっていないよと、ただし、手数料が高くなるので、まあ、今金額がまだ決まっていないけれども、でも高くなることは想定をして準備せぬとあかんねと言うて励ますしかないわけですね。

毎月千円ずつためたらというようなことなのかも分かりませんが、本当に、月末になると持ち金、お母ちゃん、幾らぐらいって言ったら、千八百円とか七百五十円とか、そんなぎりぎりで、あさってになったら給料が入ってくるみたいな生活をしている。これは、外国人家庭だけではなくて、多くの母子家庭で見られる傾向で、まさに低所得の家庭を追撃するといいますか、難しめる今回の改定ではないかというふうに思います。

できましたら現場の声をやっぱりしっかり聞いていただいて、参議院の本会議の議事録を読みますと、大臣は、有識者懇談会なんかを通じて当事者の意見も触れてあるというふうなことをおっしゃっていましたけれども、やっぱり現場はもっと深刻であるというふうに思います。是非、先生方におかれましては、そうした現場の様子なんかもしっかりと踏まえていただいて、特に在留外国人が集住している都市を選挙区にお持ちの先生方は、本当にお近く行っていただいてお声聞いていただいたらいいんではないかなというふうに思うところであります。

今日はお招きいただきまして、ありがとうございました。

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