立憲民主・無所属の塩村あやかです。
私は、会派を代表し、国旗損壊等処罰法案に対しまして、断固反対の立場から討論を行います。
そもそも、他人の所有する国旗を公然と損壊する行為は、既存の器物損壊罪や業務妨害罪などで既に処罰の対象となっています。しかし、本法案は、自己所有の国旗の損壊までも対象とし、国旗そのものではなく、国旗を大切に思う国民感情を保護するとして、新たな刑罰を設けようとするものです。国旗を大切に思う感情は尊重されるべきですが、これを刑罰という重い制裁を用いて保護しようとする発想には、極めて重大な危惧を抱かざるを得ません。
先日の参考人質疑において、憲法学の専門家から本法案の違憲性について極めて厳格な指摘がなされました。神戸大学の木下教授は、国旗損壊は意思伝達の典型的行為であり、本法案が成立をすれば、憲法上保護された表現行為に深刻な萎縮効果をもたらすと強く警告をされました。また、国民の不快感や嫌悪感を理由に国旗損壊を処罰する先進民主国は見当たらないとした上で、仮にこれが合憲とされるなら、これまでの憲法の理解が根本から覆る、単なる新法の制定ではなく、憲法改正と同等の意味を持つとまで断言をされています。
さらに、刑法に不可欠な明確性も全く担保されていません。中央大学の橋本教授が本法案を異常な法と断じたとおり、客体や行為態様の定義が曖昧で、予見可能性を欠いています。教授が、後出しじゃんけん的な解釈を許すもので、法の支配の全面否定だと喝破されたように、このような未熟な法案を成立させれば、誤った私人逮捕による人権侵害や警察実務への過大な負担を引き起こしかねません。そして、橋本教授は、日本国憲法史上初めて政府批判を禁止する法律になり得ると強い警鐘を鳴らしました。国旗の損壊は、歴史的に国家権力への抵抗など、最も強い政治的表現として用いられてきたからです。
提出者は、海外にも国旗損壊罪はあると主張します。しかし、例えばドイツの立法は、ナチス・ドイツへの反省を踏まえ、ナチス旗から現在の国旗へと国家体制そのものが転換されたという特殊な歴史的経緯に基づくものです。国旗が変わっていない我が国において、単に海外にあるからという理由は、いかなる正当化の根拠にもなり得ません。
かつて、我が国には、自由や人権が厳しく制限され、日章旗が抑圧と暴力を想起させた時代がありました。戦後八十年余りを経て、新しい憲法の下で国旗は万人に親しまれるものへと変わってきました。しかし、本法案によって国旗の尊重を強制すれば、かえって国旗を国民から遠ざけ、分断を生んでしまうのではないでしょうか。
衆議院の審議の中で提出者から、本法案で愛国心も醸成されるのではないかとの発言もありました。しかし、愛国心は、国家が個人を尊重することによって自然に、そして自発的に湧き出てくるものです。国家が国民に対して愛せと強制をすることは、健全な政府批判を封じるものであり、民主主義と立憲主義の否定にほかなりません。
刑事法の体系を無視し、法制審議会という当たり前の手続すら経ず、個人の自由や人権を制約する法律を数の力で強行することは、断じて許されません。
私たち国会議員の使命は、先人が多大な犠牲の末に獲得をした日本国憲法を擁護し、国民一人一人が尊重され、国旗が万人から自発的に愛される平和な社会を守り抜くことであると強く申し上げまして、反対討論といたします。
186窪窪田哲也(公明)
そのようなことを誘発した、これはよくないと思います。この法律は成立させるべきではないということを申し上げたいと思います。
ありがとうございました。
この発言のページ
187
北村経夫(自民)
暫時休憩いたします。
午後二時四十三分休憩
─────・─────
午後二時五十七分開会
この発言のページ
188
北村経夫(自民)
ただいまから内閣委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、国旗の損壊等の処罰に関する法律案を議題といたします。
他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
この発言のページ
- (上の発言)
189
塩村あやか(立憲)
立憲民主・無所属の塩村あやかです。
私は、会派を代表し、国旗損壊等処罰法案に対しまして、断固反対の立場から討論を行います。
そもそも、他人の所有する国旗を公然と損壊する行為は、既存の器物損壊罪や業務妨害罪などで既に処罰の対象となっています。しかし、本法案は、自己所有の国旗の損壊までも対象とし、国旗そのものではなく、国旗を大切に思う国民感情を保護するとして、新たな刑罰を設けようとするものです。国旗を大切に思う感情は尊重されるべきですが、これを刑罰という重い制裁を用いて保護しようとする発想には、極めて重大な危惧を抱かざるを得ません。
先日の参考人質疑において、憲法学の専門家から本法案の違憲性について極めて厳格な指摘がなされました。神戸大学の木下教授は、国旗損壊は意思伝達の典型的行為であり、本法案が成立をすれば、憲法上保護された表現行為に深刻な萎縮効果をもたらすと強く警告をされました。また、国民の不快感や嫌悪感を理由に国旗損壊を処罰する先進民主国は見当たらないとした上で、仮にこれが合憲とされるなら、これまでの憲法の理解が根本から覆る、単なる新法の制定ではなく、憲法改正と同等の意味を持つとまで断言をされています。
さらに、刑法に不可欠な明確性も全く担保されていません。中央大学の橋本教授が本法案を異常な法と断じたとおり、客体や行為態様の定義が曖昧で、予見可能性を欠いています。教授が、後出しじゃんけん的な解釈を許すもので、法の支配の全面否定だと喝破されたように、このような未熟な法案を成立させれば、誤った私人逮捕による人権侵害や警察実務への過大な負担を引き起こしかねません。そして、橋本教授は、日本国憲法史上初めて政府批判を禁止する法律になり得ると強い警鐘を鳴らしました。国旗の損壊は、歴史的に国家権力への抵抗など、最も強い政治的表現として用いられてきたからです。
提出者は、海外にも国旗損壊罪はあると主張します。しかし、例えばドイツの立法は、ナチス・ドイツへの反省を踏まえ、ナチス旗から現在の国旗へと国家体制そのものが転換されたという特殊な歴史的経緯に基づくものです。国旗が変わっていない我が国において、単に海外にあるからという理由は、いかなる正当化の根拠にもなり得ません。
かつて、我が国には、自由や人権が厳しく制限され、日章旗が抑圧と暴力を想起させた時代がありました。戦後八十年余りを経て、新しい憲法の下で国旗は万人に親しまれるものへと変わってきました。しかし、本法案によって国旗の尊重を強制すれば、かえって国旗を国民から遠ざけ、分断を生んでしまうのではないでしょうか。
衆議院の審議の中で提出者から、本法案で愛国心も醸成されるのではないかとの発言もありました。しかし、愛国心は、国家が個人を尊重することによって自然に、そして自発的に湧き出てくるものです。国家が国民に対して愛せと強制をすることは、健全な政府批判を封じるものであり、民主主義と立憲主義の否定にほかなりません。
刑事法の体系を無視し、法制審議会という当たり前の手続すら経ず、個人の自由や人権を制約する法律を数の力で強行することは、断じて許されません。
私たち国会議員の使命は、先人が多大な犠牲の末に獲得をした日本国憲法を擁護し、国民一人一人が尊重され、国旗が万人から自発的に愛される平和な社会を守り抜くことであると強く申し上げまして、反対討論といたします。
190
堂込麻紀子(国民)
国民民主党・新緑風会の堂込麻紀子です。
会派を代表しまして、国旗の損壊等の処罰に関する法律案に賛成の立場から討論を行います。
まず、我が党は、日本の国旗は守るべきであるという基本的な認識を有しているところでございます。
国旗損壊罪の創設に係る世論調査の結果を見ますと、いずれも過半数が賛成の回答をしていることから、多くの国民からも要請をされているものと受け止めております。また、地方議会からの意見書につきましても、国旗損壊罪法案の早期創設を求める声、寄せられているということも承知をしております。
一方で、本法律案に対しては、国民の内心の自由及び表現の…
この発言のページ
191窪窪田哲也(公明)
公明党の窪田哲也です。
会派を代表して、国旗損壊処罰法案に反対の立場から討論します。
私は、国旗を心から大切に思う一人です。しかし、国旗を傷つける行為に刑罰を科さねばならないような根拠は乏しく、法案は不要と考えます。
本来、人に刑罰を科すような重い法案は、法制審議会で徹底的に議論し、閣法として国会提出され、正常かつ慎重、十分な国会審議を経て成立されるべきものです。そもそも、刑罰は国家による最も強い権力行使であり、極めて慎重であるべきです。他の手段で利益を守れない場合に限り、最終手段として必要最小限で用いるべきです。法案は国旗を大切に思う国民感情の保…
この発言のページ
192大大津力(参政)
参政党の大津力でございます。
私は、国旗の損壊等の処罰に関する法律案に対し、賛成の立場から討論を行います。
国旗は、その国の歴史、伝統文化、主権、そして国民統合を象徴する存在であり、多くの国民にとって特別で大切な意味を持つものでございます。
我々参政党は、国旗を汚損する行為によって実際に被害を受けてまいりました。政策への反対や政党への批判といった表現の自由は尊重されるべきですが、国旗を公然と冒涜する行為までが無制限に許容される社会であってはなりません。だからこそ、我が党は、この問題を単なる感情論ではなく、法制度上の問題、課題と捉え、いち早く独自法案…
この発言のページ