確かに、憲法上の権利を制限する規範は明確でなければならないと。特に、表現の自由を制限する法律については萎縮効果の防止の観点から、また、刑罰法規については罪刑法定主義の観点から高い明確性が要求されるもの、これは承知をしております。
しかしながら、今、高木委員の御指摘のとおり、一般に、法規は、規定の文言の表現力に限界があるばかりではなくて、その性質上、多かれ少なかれ抽象性を有しております。表現の自由を制限する法律や刑罰法規もその例外を成すものではありませんので、これが明確であるかどうかは、通常の判断能力を有する一般人の理解において、具体的場合に当該行為がその適用を受けるものかどうかの判断を可能ならしめるような基準が読み取れるかどうかによってこれを決定すべきであるというのが判例の考え方であるというふうに認識をしております。
この点、本法案二条一項の「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」との文言は、確かに一定の抽象性を有するものの、同条二項の規定が行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情に基づいて判断する旨を定めていることも併せて考えますと、社会通念に照らせば、自分がどのような状況下でどのような態様により国旗の損壊等の行為を行えば、国旗を大切に思う国民感情、これを侵害することになるかについては常識的に判断することが考えられるものでありまして、その意味でも、判例が示す基準が十分に読み取れるというふうに考えております。
したがって、本法案二条一項の「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」との文言は、表現の自由を制限する刑罰法規として十分な明確性を備えておりまして、憲法二十一条一項、三十一条に違反するものではないというふうに考えております。
なお、この文言については、先ほどありましたけれども、ストーカー規制法二条一項六号、DV防止法十条二項六号の「著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物」、また、軽犯罪法一条二十号の「公衆にけん悪の情を催させるような仕方」など、様々な類似の刑罰法規の文言の例も踏まえて規定したものでありまして、本法案の文言についてのみ規範として明確性を欠いているとの、そういった御指摘は当たらないというふうに考えております。
7高高木かおり(維新)
今提案者の方からも、この国旗を思う気持ち、万国共通だということで、やはりお互いの国家や国民を尊重し合うことにつながっていくということで非常に重要なものだというふうに考えております。
そういう中で、本法案の合憲性についても順次伺っていきたいと思います。
参考人質疑では、憲法第三十一条の罪刑法定主義における明確性の原則であるとか、思想及び良心の自由、これは憲法第十九条です、表現の自由、憲法第二十一条という三つの観点から違憲の疑いが高いという御指摘が参考人質疑ではございました。しかしながら、本法案第二条の罰則は、国旗の損壊等として外形に表れた客観的な行為の…
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黒田征樹(維新)
ありがとうございます。
今質疑の中で述べられたその理解というのは、もうまさにそのとおりだなというふうに思います。
その上で、まず、本法案の二条の罰則というのは、あくまでも国旗の損壊等として外形に表れた客観的な行為を処罰の対象とするものでありまして、個人の内心に立ち入って、その行為の基礎となった思想、信条を処罰するものではありませんし、その思想、信条に反する特定の行動を強いるものでもありませんから、思想及び良心の自由を保障する憲法十九条に違反するものではないというふうに考えております。
また、確かに表現の自由というのは基本的人権のうちでもとりわけ重要…
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9高高木かおり(維新)
丁寧に御説明をいただきまして、ありがとうございました。いずれも憲法に違反するものではないということで、合憲性に関連して、次の質問に移りたいと思います。
罪刑法定主義における明確性の原則というところにスポットを当てたいというふうに思います。
この本法案は、罪刑法定主義における明確性の原則、第二条第一項の「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により、」という文言について、何が処罰対象になるか国民があらかじめ判断できないほど曖昧ではないかが指摘されているので、ここもしっかりお聞きをしておきたいというふうに思います。
最高裁判例上、この明確性の原…
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黒田征樹(維新)
確かに、憲法上の権利を制限する規範は明確でなければならないと。特に、表現の自由を制限する法律については萎縮効果の防止の観点から、また、刑罰法規については罪刑法定主義の観点から高い明確性が要求されるもの、これは承知をしております。
しかしながら、今、高木委員の御指摘のとおり、一般に、法規は、規定の文言の表現力に限界があるばかりではなくて、その性質上、多かれ少なかれ抽象性を有しております。表現の自由を制限する法律や刑罰法規もその例外を成すものではありませんので、これが明確であるかどうかは、通常の判断能力を有する一般人の理解において、具体的場合に当該行為がその適用を受けるものかどうかの判断を可能ならしめるような基準が読み取れるかどうかによってこれを決定すべきであるというのが判例の考え方であるというふうに認識をしております。
この点、本法案二条一項の「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」との文言は、確かに一定の抽象性を有するものの、同条二項の規定が行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情に基づいて判断する旨を定めていることも併せて考えますと、社会通念に照らせば、自分がどのような状況下でどのような態様により国旗の損壊等の行為を行えば、国旗を大切に思う国民感情、これを侵害することになるかについては常識的に判断することが考えられるものでありまして、その意味でも、判例が示す基準が十分に読み取れるというふうに考えております。
したがって、本法案二条一項の「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」との文言は、表現の自由を制限する刑罰法規として十分な明確性を備えておりまして、憲法二十一条一項、三十一条に違反するものではないというふうに考えております。
なお、この文言については、先ほどありましたけれども、ストーカー規制法二条一項六号、DV防止法十条二項六号の「著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物」、また、軽犯罪法一条二十号の「公衆にけん悪の情を催させるような仕方」など、様々な類似の刑罰法規の文言の例も踏まえて規定したものでありまして、本法案の文言についてのみ規範として明確性を欠いているとの、そういった御指摘は当たらないというふうに考えております。
11高高木かおり(維新)
ありがとうございます。
質疑を通して、やっぱりこの立法事実についても何度も議論が交わされてまいりました。前回七月九日の質疑では、自己所有の国旗を損壊した具体的な国内事例が確認されていないということを理由に、立法事実が乏しいのではないかという御指摘もございました。しかしながら、現行法上、自己所有の国旗の損壊等を処罰する規定がない以上、そもそも統計や報道の対象となりようがないということ、また事例が確認されていないことをもって直ちに立法事実がないとは言えないのではないかというふうに私は考えております。
昨今、このSNSの加速度的な普及とグローバル化が進展す…
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黒田征樹(維新)
立法事実に関しましては、例えば、昭和六十二年に競技会場に掲揚されていた日の丸を引き降ろしてライターで火を付けて掲げた後、その場に投げ捨てて半分ほど焼失させるといった事例、また、平成三年に大学生四人が大学正門に掲揚されていた日の丸を引きずり降ろした事例、平成八年には、旧日本海軍殉職者記念碑近くのポールに掲揚されていた日の丸を焼いた事例、平成二十年には、神社の境内で参拝客が所持していた日の丸を奪い、足で踏み付けた上、さおを折った事例など確認をされております。
これらはいずれも器物損壊罪や暴行罪等で検挙された事例で、報道されて事実関係が明らかになったものであ…
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13高高木かおり(維新)
ありがとうございます。
ちょっと時間の都合上、少し質問を飛ばさせていただいて、問い八に移りたいと思います。
悪ふざけ等のライブ配信についてということなんですが、やはり、この議論を通じても、このライブ配信に関する質問というのも各委員からたくさんあったかと思います。
先日の参考人質疑でも触れられておりましたとおり、本法案の適用に当たっては政治的表現や芸術表現などが中心に議論をされてきました。憲法上、特に手厚い保護に値する表現の行為が萎縮しないようにという観点からの議論であったというふうに認識をしております。
単に、受け狙い、面白半分、炎上目的、こうい…
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