橋本基弘中央大学法学部教授

2026年7月14日・第221回国会 参議院 内閣委員会 第19号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 65 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 95 発言)

繰り返しになりますけれども、法律を作るには法律を作る必要性とか合理性がどうしても必要だ。それぞれの国にはそれぞれの国の歴史とかいろんな文脈があるわけですね。その中で、国旗損壊罪を処罰対象とするのかどうかというのは決められてくるわけですから、外国にあるからということで日本にないのはおかしいという議論というのは、元々こういう議論にはふさわしくないということでございます。外国にあるから、じゃ、日本にもということであれば、じゃ、夫婦別姓どうしますかとか同性婚どうしますかという話にも当然なってくるわけですね。だから、外国にあるからこれ国旗損壊罪をここに導入するというのは、一種のチェリーピッキングなんですね。それは余り理由にはならないんだろうというふうに思います。

今、木下先生おっしゃったとおりなんですけれども、ただ、ドイツの国旗に対しては、ナチズムへの復活を警戒するという大きな保護法益といいますか、意味理由はあるわけですね。せっかくあのナチズムを克服したんだからというふうな意味がそこに込められている。だから、それぞれそうですね、イタリアもそうです、フランスもそうだと思うんですね。だから、何を保護法益にするかというのはその国自身でやっぱり違うわけで、その国のその制度設計というのがあるわけですから、そういうふうな切実な保護法益があるかどうかということがまず問われなきゃいけない。それはもう本当まちまちですよね。

その上で、実際いろんな国見てみますと、例えばフランスなんかでも、実際これが有罪になったケースというのは少なかったりとかほとんどなかったりする。非常に制約されていると。この適用については本当に制限的に行われているというふうなところという、これが現実のようですね。ですから、あるから直ちに適用されているというふうに考えるのもちょっと早計なところがあるというふうに言っていいだろうと思います。

以上です。

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