予備自衛官に関しては、日本において、国際法上の地位のこと、自衛隊諸君の本人たちもこれ戦闘員かどうかというのはちょっと憲法的には微妙な話なんですけど、これは別の機会でやりたいと思います。
ここまでは制度設計の話であります。しかし、海外での委託の本当の落とし穴はその先にあります。委託は後方支援のつもりでも、事故や死傷が起きた瞬間に輸送や施設管理は治安対応、警備と不可分になり、責任の境界が一気に曖昧になり、まあ言い方はあれですけれども、好戦的になります。
歴史上の教訓があります。イラク占領期、アメリカの占領当局は、情勢の悪化を鑑み、輸送や要人、車列の移動に伴う警護を含む多方面の業務におけるアウトソーシングを飛躍的にエスカレートさせ、その過程でいわゆるブラックウォーター事件が起こりました。二〇〇七年であります。アメリカの業者、ブラックウォーター社が首都バグダッドで委託業務で移動中に発砲事件を起こし、子供を含む十七名の市民が殺害されました。
これは、普通であれば重大な軍事犯罪若しくは国際法で言う戦争犯罪ですね。問題は、当時の占領当局、これCPAですね、がしいた条例がありまして、委託業者も現地の司法、イラクの司法から訴追を免除されていたんですね。しかし、業者は軍人ではない、ここが問題なんですね。アメリカの軍事司法は管轄できないということになった。つまり、誰も裁けないという想定外、これアメリカも想定していなかった、想定外の事態が起きてしまったということです。法の空白の問題ですね。これがアメリカ、イラク双方の国内で大問題になり、訴訟と賠償を大変に複雑なものにし、結果、この占領政策を大失敗に導くのであります。これは極めて重い教訓です。
大臣に伺います。
もちろんこれは極端なケースです、例です。外務省の委託が今のところ後方支援中心だとしても、海外で死傷を伴う重大事件が起きたらどうするのか。業者との委託契約において、事故が起きたときの初動、これは通報とか現場の保全ですよね、それと調査の主体と手順、証拠の保全、現地当局との連携、そして被害者の救済まで、平時から担保する仕組みをこういうことを想定して整備しているでしょうか。若しくは、整備する予定はございますか。お答えください。
193伊伊藤晋哉防衛省整備計画局長
お答え申し上げます。
防衛省・自衛隊におきましては、これまでもアウトソーシングを行ってきており、例えば国内の駐屯地、基地においては、施設の維持管理、補給、整備、給食、清掃、募集、援護、教育訓練等の業務につきましてアウトソーシングを行っております。海外では、ジブチ共和国に所在する自衛隊活動拠点におきまして、調理や施設管理等の業務についてアウトソーシングを活用してきておるところです。
アウトソーシングを検討するに際しましては、個別の業務ごとに、業務の性質や有事における業務継続性、費用等も含めて総合的に判断をしております。このため、その判断の基準について一…
この発言のページ
194
伊勢崎賢治(れいわ)
ジブチに関しては後段の方で改めて質問します。
政府は、いわゆる今おっしゃったように、PMC、PSC、民間軍事会社的活用を否定しておりますよね。これは承知しております。一方で、防衛力の抜本的強化に関する有識者会議報告書、これ添付一でございます、は、この人口減少を直視し、DX、無人化と並んで、部外力の一層の活用、これアウトソーシングですね、これを提言しております。注意すべきは、平時の効率化にとどまらず、平時及び有事において機能するよう、業務が継続的、確実に遂行できる契約や制度面の枠組みを検討すべきと、有事の業務継続性を要件として捉えていることであります。
…
この発言のページ
195
小泉進次郎(自民)防衛大臣
従来、防衛省・自衛隊が業務を民間業者に委託する際、有事における業務継続性の担保が懸念として認識されてきました。こうした業務継続性の担保という観点も含め、令和五年七月十二日、今先生が御紹介をいただいた報告書や、令和七年九月十九日の報告書では、部外力の活用に関する指摘がなされています。部外力の活用の在り方について、現時点で予断を持ってお答えすることは困難ですが、これらの報告書も踏まえながら、今後検討を進めていくことになります。
なお、先生御指摘の報告書における記載は、平時においては予備自衛官の身分を有しつつ部外委託に従事し、有事においても招集命令を受けて自…
この発言のページ
- (上の発言)
196
伊勢崎賢治(れいわ)
予備自衛官に関しては、日本において、国際法上の地位のこと、自衛隊諸君の本人たちもこれ戦闘員かどうかというのはちょっと憲法的には微妙な話なんですけど、これは別の機会でやりたいと思います。
ここまでは制度設計の話であります。しかし、海外での委託の本当の落とし穴はその先にあります。委託は後方支援のつもりでも、事故や死傷が起きた瞬間に輸送や施設管理は治安対応、警備と不可分になり、責任の境界が一気に曖昧になり、まあ言い方はあれですけれども、好戦的になります。
歴史上の教訓があります。イラク占領期、アメリカの占領当局は、情勢の悪化を鑑み、輸送や要人、車列の移動に伴う警護を含む多方面の業務におけるアウトソーシングを飛躍的にエスカレートさせ、その過程でいわゆるブラックウォーター事件が起こりました。二〇〇七年であります。アメリカの業者、ブラックウォーター社が首都バグダッドで委託業務で移動中に発砲事件を起こし、子供を含む十七名の市民が殺害されました。
これは、普通であれば重大な軍事犯罪若しくは国際法で言う戦争犯罪ですね。問題は、当時の占領当局、これCPAですね、がしいた条例がありまして、委託業者も現地の司法、イラクの司法から訴追を免除されていたんですね。しかし、業者は軍人ではない、ここが問題なんですね。アメリカの軍事司法は管轄できないということになった。つまり、誰も裁けないという想定外、これアメリカも想定していなかった、想定外の事態が起きてしまったということです。法の空白の問題ですね。これがアメリカ、イラク双方の国内で大問題になり、訴訟と賠償を大変に複雑なものにし、結果、この占領政策を大失敗に導くのであります。これは極めて重い教訓です。
大臣に伺います。
もちろんこれは極端なケースです、例です。外務省の委託が今のところ後方支援中心だとしても、海外で死傷を伴う重大事件が起きたらどうするのか。業者との委託契約において、事故が起きたときの初動、これは通報とか現場の保全ですよね、それと調査の主体と手順、証拠の保全、現地当局との連携、そして被害者の救済まで、平時から担保する仕組みをこういうことを想定して整備しているでしょうか。若しくは、整備する予定はございますか。お答えください。
197
小泉進次郎(自民)防衛大臣
先生の御質問の中には幾つか複数問いが含まれておりますので、できる限り御理解いただけるよう説明したいと思いますが、恐らく先生の問題意識の中には、一般論として委託先の企業が武装するようになるのではないかという、そういう御懸念についてですが、そもそも我が国では、法令に基づく職務のための所持など極めて限定的なケースを除き、銃刀法の銃砲刀剣類の所持は禁止されており、これ国内のことですけどね、警備業法も、警備員は一般民間人の立場であって、同法上特別の権限を与えられているものではなく、武器の保有や武器の使用については、自衛隊であれば自衛隊法など個別の法律に基づいて個別…
この発言のページ
198
伊勢崎賢治(れいわ)
今、突っ込んだ、本当に突っ込んだ答弁をしていただきました。そこなんですね。法的な、その最後の部分ですよね、法的なものですよね。
今おっしゃいましたが、現地の司法がまともに働かないと。そういう状況って、まともに働かない云々ではなくて、現地法との衝突、それを考えなきゃいけない。あっちだって主張するわけですから。あっちだって裁きたいわけですよ。こちらは邦人保護をしなきゃいけませんよね。それで衝突するんです。
これをちょっともう少し突っ込んで、最後の質問ですけれども、時間がありますね。ジブチです。
現在、ジブチに駐留する自衛隊では、駐屯地、基地、施設の整備…
この発言のページ
199
小泉進次郎(自民)防衛大臣
まず、先生からジブチのお話もありました。
民間事業者が業務上の過失により第三者に損害を生じさせた場合には、個別具体的な事実関係等に即して判断する必要があり、一概に申し上げることは困難ですが、一般論として申し上げれば、当該行為が契約内容に照らしてどのように評価されるかについて、事案に応じ、過失の有無、損害の内容、因果関係等を個別具体的に確認した上で、関係法令に基づき適切に対応することになります。
また、先ほど答弁の中でもお話をさせていただきましたが、今先生は海外に自衛隊を派遣をしたときの事例、こういったことを想定しての様々な御質問ですけれども、いずれに…
この発言のページ