市川大悟公益財団法人世界自然保護基金ジャパン第一自然保護室気候・エネルギーグループ地域再エネプロジェクトリーダー

2026年5月26日・第221回国会 参議院 環境委員会 第9号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 5 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 108 発言)

それでは、私の発表をさせていただきます。

本日は、貴重な発表の機会をいただき、ありがとうございます。私の方からは、本法案のリサイクルについて、一環境団体としての意見を述べさせていただきたいと思います。

下の方、まず最初にですが、簡単に団体の紹介だけ冒頭させていただきます。

我々は、WWFジャパンということで、世界百か国で活動をしている国際的な環境保護団体でございます。国内でも、一九七一年から半世紀にわたって活動をしております。今回、私の気候・エネルギー分野以外にも、生物多様性であったり海洋とか森林といった幅広い分野で活動しており、国内では今四万人を超えるサポーター様の方から御支援を受けて活動しております。

ということで、本題の方に早速移らせていただきたいと思います。おめくりください。

私の方からは、本法案に関して述べさせていただきたいポイント、四つでございます。

まず一つ目なんですが、資源循環はもとより、これ気候変動対策の点からも、本リサイクル法案について早期に成立していただきたい、これが一つ目です。

二つ目が、その上でなんですが、このリサイクルをより良くするために、本法案成立後も、その改善のためになんですが、拡大生産者責任の検討を並行して行ってほしいというのが二つ目です。

三点目が、その生産者責任の追求のためにもなんですが、現在のリサイクルや埋立ての費用実態の把握と分析、これがまだ十分ではないと思いますので、これをやってほしいというのが三個目。

最後、四点目が、本法案で計画されているこの廃棄実施計画の公表ですね、これも検討してはどうであろうかというのが四点です。

ということで、ちょっと上から一つずつ御説明をしていきたいと思います。下の四ページ目の方に移ります。

まず一点目ですね、気候対策の観点からもこの法案の早期実施が必要という点です。

皆様御存じのとおり、現在では世界で急速な気候変動が進んでいるところでございます。国際的な気候変動の評価機関でもあるIPCCでは、一九九〇年の第一次影響評価報告書という現状の報告の発表以降なんですが、気温上昇がこれ人為的なものであるという見解を強めており、最新の第六次の報告書では、もうこれ疑う余地がないとしています。特に日本のような高緯度の国では世界平均より気温上昇が高いと言われていまして、右下の図にあるように、気象庁の観測でも過去百年で一・四度強上昇しているということが確認されています。

ということで、これ世界のためだけではなくて、温暖化の当事者国の日本としても、その原因となる温室効果ガスの削減、これは必須であり、求められている現状を認識しなければいけないということです。

ページをおめくりください。次なんですが、その気候変動への対応としてなんですが、単にこれ気温が上がって暑くなるから困るというだけではなく、どういうような影響が付随して起きるかというのを参考までにこの五ページ目に載せています。

これ、先般、環境省の方から発表された最新の気候変動の影響予測の報告書の抜粋です。ちょっと参考までに、三個ほどジャンルで書いて、ここに記載しております。

例えば、我々日本人が大切にする、昨今注目もされている米ですね、とかなんかも、現在のこれ品種では、このままの気温上昇が進んでしまうと、今世紀末にはこれ二〇%近くの減収が予測されていたり、仮に適応対策のようなものをしてもこれ品質が低下するなんというような予測がされています。

ほかにもなんですが、短期の降雨であったり大雨の発生頻度が増加しているの、これ皆様も肌で感じているかと思いますが、こうしたことによるインフラへの影響であったり、はたまた熱中症の患者、搬送者数の増加とか、あとは虚血性疾患の死亡リスクが上がるみたいなことも、これ最近の報告書では報告されるようになってきているというところです。

下の方、六ページ目に移ります。気候変動はだから対策必要だよということのもう一つの参考で、これ付けさせていただきました。気候変動の対策、これ司法の場からも必要だという声が上がっているという一つの例示です。

昨年の二五年ですが、国際司法裁判所、ICJによって、気候変動対策、これに取り組んでいくことは国際条約への、気候変動関連の条約への責務というのはもちろんですが、その他の国際環境法上や国際人権法上の観点、こういったところからも必要な責務、義務であるというふうに勧告しています。自国への気候対策のためというのはもちろんなんですけれども、これ他国への気候影響を減らすためにも、気候変動対策の対応が必要だというふうに考えております。

ページの方をめくっていただいて、七ページ目の方です。

そうした中、済みません、気候変動のお話ばかりになっているんですが、日本でも要は気候変動対策にコミットしていかなければいけない、日本政府としても現在しているところです。赤字のところの線が、図中の、日本政府の方が掲げている温暖化対策の目標、流れです。二〇五〇年に排出ゼロ、これを目指して、そのマイルストーンとして、三〇年には四六%、これ二〇一三年比ですね、三五年には六〇、四〇年には七三%と、徐々に脱炭素化を進めていくという目標にコミットしています。

これ、IPCCが示す世界全体の削減量、必要量に比べるとまだ、やや十分ではないんですが、それでも対策を進めていくというものは簡単ではありません。ただですが、日本は先進国ですので、グローバル基準以上にこの目標を高く掲げて対策をしていくということが、これ大変であってもやる必要があると我々考えております。

その対策のための重要なキーになる手段というのが、この下、八ページ目に書いてある再生可能エネルギーです。

特に、これエネルギー基本計画の中で入れるべき、中長期で、目標ですね、二〇四〇年にどれぐらい各電源の導入しなければいけないか、これキロワットアワー、電力量で書いていますが、赤線で囲んであるところのとおり、太陽光発電というものがこの再生可能エネルギーの導入の中では群を抜いています。したがって、これ先ほど述べたとおり、気候変動影響を抑制して国際社会としての責務を果たしていくためにも、また自国のコミットした目標を達成するためにも、早期にこれ太陽光の導入をしていく必要がある、あらゆる政策の動員が必要だというのが今現状です。

ページの方、おめくりください。その普及、太陽光の普及のために、時間がないので頑張っていかなければいけないんですが、一つの大きな課題となっているのがこの地域の共生というところです。

皆様御存じのとおり、昨今ニュースであるとおり、太陽光発電への導入に懸念が増加しているというのはこれ事実でございます。その懸念の要因の幾つかあるうちの一つが、放置など事業後のパネルの取扱いというものでございます。

放置はもちろんですが、この左下の図にある、これ環境省さんの方がよく委員会で使われていた排出の図ですが、埋立処分場に与える影響というものは決して小さくないということですので、適正なリサイクルですとかリユースが進まなくて埋立てありきになれば処分場への逼迫になるというのはこれ明確かなと思います。もしそうなれば、ますますこれ太陽光の普及が困難になってしまうということが懸念されます。

したがってなんですが、これリサイクルを進めることで地域の懸念を払拭するということなんですが、太陽光の普及、今お話ししたとおり、ひいてはこの気候変動対策を進めていくためにはこれ不可欠だというふうに考えています。

したがって、太陽光発電のリサイクルを後押しする本法案の早期可決に関してはこれ極めて重要だと我々も考えております。早期可決を望んでいますというのが、これ前置きが長かったんですが、気候変動の観点から見ても重要だという一つ目のポイントでございます。

下の方、十ページ目の方に移ります。

続いて、二点目ですが、本法案の遂行と、実行と並行して、このEPR、拡大生産者責任の追求をしていけるよう検討を進めていただきたいというのが二つ目の検討のお願いです。

パネルリサイクルのためなんですが、これ、高いリサイクルができるような環境配慮設計というものが施されているということが必要になるかと思います。この環境配慮設計進めるためには、そもそも設計を担う製造者が当然これ廃棄、リサイクルまで責任を負うことが有効だというふうに考えています。でなければ、製造者が責任を負わなければ、あえてコストと時間の掛かる対策を自らやるインセンティブというのがないからですね。したがって、この製造者に廃棄、リサイクルの責任まで負わせる、要は回収、費用負担までさせる拡大生産者責任の徹底をすることがこれ理想的だというふうに考えています。

ちなみに、これ、本法案の第十八条だったかと思いますが、環境配慮設計を努力義務として課しているかと思います。ただ、これ、環境配慮設計を後押しする手前のこの回収であったり費用負担までは課していないかと思います。とはいえ、これ、本法案を今からこの費用負担までまた課すような大きな変更を検討をする時間的な余裕はないかと思います。大きな時間ロスになるということも得策ではないと思いますので、まずは、パネル排出が迫っている中、現状の法案を遂行する、これに並行して、本法案の附則四条であったかと思うんですが、この制度の見直しを、これEPRを念頭に是非進めていただきたいというのが、これ二点目のお願いでございます。

ページの方、おめくりくださいませ。

続いて、三点目ですね、費用実態の把握と分析のお願いです。

今し方説明したとおり、もし仮にEPRを追求してこのリサイクルの費用を製造者に今後負担させるというのであれば、これ一体どの程度の金額になるか明確にする必要があるかと思うんですが、これ、現在、その費用感が不明だというふうに感じております。

例えば、これ左上の検討会でも出された資料ですが、リサイクル費用八千から一万二千円に対して、埋立費用二千円程度と。これ、ぱっと見ると四倍から六倍ぐらいの費用差と、大きな差があるように見えます。ただ、これ、さきの衆院の環境委員会での招致人の発言を聞いていたりしたんですが、現場の声としては、埋立費用が六千円くらいになるんではないかみたいな御意見もあったかと思います。あれっ、そうすると、これ六千円と八千円から一万二千円というと、一・三倍から二倍ということでかなり価格差が縮まってしまうのかなと、まあ、しまうという言い方変なんですが。もしそれだけ価格差が小さくなるのであれば、これはリサイクルを義務化に向けて動くということも、これ当初想定したほど追加的な負担じゃないんではないかなという可能性もあるかなと思います。

いずれも、一体どの程度の価格なのか、埋立て、リサイクルですね、改めて精査することが必要だというふうに考えています。

もし仮になんですが、この埋立費用とかリサイクル費用の差が大きいとして、リサイクル費用がこれ結構な額だよねとしても、これを本当に製造者に課した場合に、その経営上の大きな負担になるのかというのはちょっとまだこれも不明なのかなと思います。ぱっといい例が出ないんですけど、製造者がこれ二十万円の利益しかないところにパネルの十万円のリサイクル費用を上乗せされたら、それは大きな負担ですよね、経営上のと思うんですが、百万の収益を上げていてこれが十万だとすると、その費用負担感というのは変わってくると思うんですね。

そういった負担感って一体どんなものなのか、製造者が負えないとしたら、これ発電事業者に負ったときに経営上の負担はどの程度なのか、こうしたところの全体の分析をしていただきたいというのが、これ三点目のお願いでございます。

ページをめくっていただくと、済みません、ページをめくる前に、失礼しました、下、十二ページ目なんですが、これ参考までになんですが、再エネ特措法の事業廃止届の画像だけちょっと参考に添付しました。FIT事業を今、で入っている太陽光がほとんどだと思いますが、これ、FIT事業終わった際にこうした廃止届を出すことが義務付けられています。ここには、どんな処分するのか、発電事業者が、またそれに係る金額どの程度なのということの記載があります。既存制度の活用をする中でも、こうした費用実態を探るデータというのは十分得られるのかなと思いますので、これ是非、経産省様が所管だと思いますので、経産省と環境省、連携の上で分析をお願いしたいなということです。

済みません、最後、めくっていただいて、四点目です。四点目ですが、これ、廃棄実施計画の公表を検討していただきたいという点です。

昨今、一部の企業なんですけれども、この購入する電気を価格、安い価格がいいなというのは当然ですけれども、価格だけでなくその中身、どんな電源からかというふうに注目し始めている動きもあります。例えば、再エネだけでなく、地域共生に配慮した負担の掛からない電源から購入するような調達方針を持とうと、そういった動きですね。

こうした企業がしっかりリサイクルを行う事業者を選べるようにするには、これ当然、どんな処分を各事業者がしているか、今回の廃棄実施計画を公表しないと分からないかなと思います。ちゃんとリサイクルをしている事業者であるということが公表されて、需要家から選ばれる流れになれば、これ、発電事業者もリサイクルを選択していこうと、見られるのであればというインセンティブは働くのかなと思います。現在の法文にはこの実施計画の公表を明文化していないですが、こうした検討を必要じゃないかというのが四点目となります。

ということで、以上、四点目で、計、私のお伝えしたい四つをお伝えしましたので、ここまでとさせていただきたいと思います。

御清聴ありがとうございました。

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