井戸まさえ (国民民主党)

2026年6月17日・第221回国会 衆議院 法務委員会 第21号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 100 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 180 発言)

その秘匿制度、秘匿手続というのが、住所、氏名を相手方に知らせないようにする制度です。大事な制度なんです。しかし、この事案で問題になっているのは、住所を隠せるかどうかだけの話じゃないんですよ。

第一に、嫡出否認の手続をすれば、その手続が始まったこと自体は、相手方である前夫に知らされます。住所は隠せても、子供の存在がまず伝わるわけですから、リスクが発生します。

第二に、秘匿制度は、一部にしか認められない場合もあれば、認められても、相手が争えば取り消される可能性もある不安定な制度です。

第三に、そもそもこの類型の方は、DVの証拠も、前夫の夫ではないこと、すなわち、推定の及ばない子であることを立証するための証拠も持っていない、そうしたことが多いです。長い年月がたって、警察などの記録も、別居の記録も、当時の証拠も資料も残っていない。血縁上の父の協力も得られない。

つまりは、秘匿制度があるから安全に手続を利用できるという説明と、現実の手続を利用できるということは別の問題です。

法務省は、無戸籍者に対して寄り添い型の支援を行っていると繰り返し説明してこられました。私は、その努力自体を否定するつもりはありません。ただ、先ほどの大学生のように、戸籍を得たいと願いながらも現実的には得られない方たちに対して法務省が実際に行ってきたのは、嫡出否認などの法的手続を取るようにと案内して督促をすることであったという声が届いています。

手続案内をして申立てを促す、それだけであれば寄り添いではありません。手続案内の際に、先ほど指摘した秘匿制度を利用するに当たって、利用者が当然に感じるリスクは丁寧に説明されてきたのでしょうか。されているという話を聞いたことはありません。当事者にとってその手続が安全に使えないからこそ、無戸籍が続いているんです。

手続を促すことがかえって当事者を危険にさらしていくという場合もあるということ、これを民事局長は認識されていますか。

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