佐藤淳法務省刑事局長

2026年6月12日・第221回国会 衆議院 法務委員会 第20号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 112 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 175 発言)

お答えいたします。

二つございまして、まずは、何度か答弁していますけれども、通常審と再審請求審の手続構造の違いということがまず大きくございます。

通常審におきましては、検察官が公訴事実を立証して、被告人、弁護人がそれに対する反証を行いまして、最終的に裁判所が検察官による立証の成否を判断するという当事者主義的構造が取られておりまして、被告人側も、その手持ち証拠のうち必要と考える証拠の取調べを裁判所に請求する立場にございます。したがいまして、被告人側の証拠開示請求をするための手がかりとして、検察官が被告人側に、直接、証拠の一覧表を交付する制度となっております。

これに対しまして、再審請求審は、職権主義の下、再審請求者が再審開始事由の存在を主張して、これに対して裁判所が自ら主体的に再審請求理由について審理、判断する手続でございまして、検察官保管証拠を吟味する立場にあるのは裁判所でございます。したがいまして、本法律案におきましては、裁判所の命令により、検察官が裁判所に標目の一覧表を提出するということにしているところでございます。

また、必要性という話でありますけれども、通常審と再審請求審では、再審請求者側による証拠の把握という観点から申し上げますと、通常審においては、検察官の起訴後、被告人は、自分の供述を除いて、基本的には手元に証拠がない立場で自己を防御すべき立場に置かれるということでございますので、公判前整理手続におきまして、一般に、検察官が有罪を立証するためにする提出証拠のほかにも、いわゆる類型証拠、いわゆる主張関連証拠といった形で証拠開示を受けられる制度をつくったわけであります。その開示請求をするに当たっての手がかりとして、証拠の一覧表の交付制度ができているということでございます。

これに対して、再審請求審におきましては、通常審における三審制の下で既に審理が行われているわけでございまして、検察官の手持ち証拠についても刑訴法の規定に従って既に開示を受けている、それから、確定判決において有罪認定の根拠となった証拠についても明らかにされているという状態から始まるものでございます。

そのような意味で、犯人でないのに有罪判決を受けた者からしますと、確定判決のどこに問題があるかは十分把握しているのが通常であると考えられるところでございまして、証拠の特定の程度も従来から答弁しているとおりでございますし、どのような証拠が収集されているのかについても想定することが可能であると考えておりまして、通常審の始まりと同様の制度にはしていないということでございます。

前後のやりとり

108の発言を見る

116の発言を見る