井戸まさえ (国民民主党)

2026年6月12日・第221回国会 衆議院 法務委員会 第20号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 105 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 175 発言)

今お答えもあったんですけれども、本法案の最大の論点、まさに今大臣がおっしゃったように、速やかに救済をしていくためには、証拠開示が必ず必要なわけです。

多くの再審事件に共通しているのは、新しい証拠が見つかったのではなくて、国家が持っていた証拠がようやく出てきたということだと思っています。袴田事件もそうです。日野町事件もそうでした。大崎事件もそうです。多くの再審事件で決定的な役割を果たしたのは、捜査機関が保有していた証拠なんです。

鴨志田参考人の論文によれば、袴田事件では、死刑確定から三十年以上経過した後になって、五点の衣類のカラー写真が開示をされました。さらに、検察は長年、ネガフィルムは存在しない、取調べ録音テープも存在しないと説明してきました。ところが、その後、ネガフィルムが警察から発見され、検察官は事実に反する回答をしたことを謝罪しました。録音テープも、当初開示されたものは一巻だけでしたけれども、その後の再調査によって、警察署から二十四巻ものテープが発見されました。

大崎事件では、検察官が不存在と断言した後に、警察署の写真室のつり棚から十八本ものネガフィルムが発見されました。事件発生から三十七年たってからです。その中には、確定判決の事実認定と矛盾する再現写真も含まれています。

湖東記念病院事件では、再審無罪判決の言渡しに当たり、裁判長が、十五年の歳月を経て初めて開示された証拠が一つでも適切に開示されていれば本件は起訴されなかったかもしれないとまで述べています。

私は、再審制度における証拠開示とは、国家が保有している証拠を適正に司法の場に出すための制度であり、制度の中核そのものだと思っています。冤罪を晴らしたのは、いずれも捜査機関が最初から持っていた証拠です。

大崎事件では、裁判所の開示勧告を受けた後も、検察官は合計二百十二点もの証拠を段階的に、まさに五月雨式に開示をしていく。それによって、どんどんと再審が遅れていくわけですね。

福井女子中学生事件では、第一次再審請求までは開示されなかった証拠が、第二次再審請求になって初めて開示されました。その中には、有罪認定の根幹を揺るがす捜査報告書も入っていました。もし最初から開示されていれば、請求人はもっと早くに救済されていたのかもしれません。

再審請求人の多くは高齢です。しかし、それは最初から高齢だったわけじゃないんですよ。単に年を重ねたというわけではありません。本来であれば必要がなかった獄中生活や長年にわたる再審請求の過程の中で高齢になっていくのです。失われた時間は取り戻せません。一つ一つの証拠が一年遅れで開示されることは、一年救済が遅れることを意味します。生きているうちの救済を掲げる大きな要因の一つなんです。

今回の、再審は、審理の長期化を招いてきた、結果として救済を遅らせてきたという指摘があります。この事実認識を、大臣、共有なさいますでしょうか。そして、この証拠開示こそが再審制度の中核である、このことも共有していただけるでしょうか。お答えください。

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