今お答えもあったんですけれども、本法案の最大の論点、まさに今大臣がおっしゃったように、速やかに救済をしていくためには、証拠開示が必ず必要なわけです。
多くの再審事件に共通しているのは、新しい証拠が見つかったのではなくて、国家が持っていた証拠がようやく出てきたということだと思っています。袴田事件もそうです。日野町事件もそうでした。大崎事件もそうです。多くの再審事件で決定的な役割を果たしたのは、捜査機関が保有していた証拠なんです。
鴨志田参考人の論文によれば、袴田事件では、死刑確定から三十年以上経過した後になって、五点の衣類のカラー写真が開示をされました。さらに、検察は長年、ネガフィルムは存在しない、取調べ録音テープも存在しないと説明してきました。ところが、その後、ネガフィルムが警察から発見され、検察官は事実に反する回答をしたことを謝罪しました。録音テープも、当初開示されたものは一巻だけでしたけれども、その後の再調査によって、警察署から二十四巻ものテープが発見されました。
大崎事件では、検察官が不存在と断言した後に、警察署の写真室のつり棚から十八本ものネガフィルムが発見されました。事件発生から三十七年たってからです。その中には、確定判決の事実認定と矛盾する再現写真も含まれています。
湖東記念病院事件では、再審無罪判決の言渡しに当たり、裁判長が、十五年の歳月を経て初めて開示された証拠が一つでも適切に開示されていれば本件は起訴されなかったかもしれないとまで述べています。
私は、再審制度における証拠開示とは、国家が保有している証拠を適正に司法の場に出すための制度であり、制度の中核そのものだと思っています。冤罪を晴らしたのは、いずれも捜査機関が最初から持っていた証拠です。
大崎事件では、裁判所の開示勧告を受けた後も、検察官は合計二百十二点もの証拠を段階的に、まさに五月雨式に開示をしていく。それによって、どんどんと再審が遅れていくわけですね。
福井女子中学生事件では、第一次再審請求までは開示されなかった証拠が、第二次再審請求になって初めて開示されました。その中には、有罪認定の根幹を揺るがす捜査報告書も入っていました。もし最初から開示されていれば、請求人はもっと早くに救済されていたのかもしれません。
再審請求人の多くは高齢です。しかし、それは最初から高齢だったわけじゃないんですよ。単に年を重ねたというわけではありません。本来であれば必要がなかった獄中生活や長年にわたる再審請求の過程の中で高齢になっていくのです。失われた時間は取り戻せません。一つ一つの証拠が一年遅れで開示されることは、一年救済が遅れることを意味します。生きているうちの救済を掲げる大きな要因の一つなんです。
今回の、再審は、審理の長期化を招いてきた、結果として救済を遅らせてきたという指摘があります。この事実認識を、大臣、共有なさいますでしょうか。そして、この証拠開示こそが再審制度の中核である、このことも共有していただけるでしょうか。お答えください。
102
平口洋(自民)法務大臣
冤罪という言葉が使われているのは承知しておりますけれども、我々法務省としては、似たような言葉でございますが、誤判というふうに考えております。
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103
井戸まさえ(国民)
私は、大臣、本当に残念ですね。ここでしっかり、誤判でも、冤罪、国民の中では一般的にやはり冤罪という言葉が広く、それで様々な冤罪事件として袴田事件もそして福井事件も理解されているわけですから、そうした意味では、こういう人権侵害、これをしっかり国家としてのそれこそ犯罪でないようにするために今回この再審法を議論しているわけですから、是非その辺の認識を持っていただきたいなと思います。
そして、今日、最終日ですので、なぜこの再審法を改正をするのかというところの、根本のところを聞きたいと思います。
確認させてください。
冤罪によって失われるものは余りにも大きい…
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104
平口洋(自民)法務大臣
罪を犯していない人が処罰されることはあってはならないですし、そういう判決が下された場合は一日も早く回復しなきゃいけないというふうに思っております。
そういう意味で、この法案は非常救済手続を決めているものでございまして、先ほど申し上げましたように、二つ大きな理由がありまして、一つは、罪を犯していない人に対して速やかに救済手続を講ずるということ、それと、手続が非常に時間がかかったということで、もっと早くやらなくちゃいけないという観点からやっておりまして、非常救済手続としてはよくできている方じゃないかというふうに思っております。
一日も早く成立することをお…
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- (上の発言)
105
井戸まさえ(国民)
今お答えもあったんですけれども、本法案の最大の論点、まさに今大臣がおっしゃったように、速やかに救済をしていくためには、証拠開示が必ず必要なわけです。
多くの再審事件に共通しているのは、新しい証拠が見つかったのではなくて、国家が持っていた証拠がようやく出てきたということだと思っています。袴田事件もそうです。日野町事件もそうでした。大崎事件もそうです。多くの再審事件で決定的な役割を果たしたのは、捜査機関が保有していた証拠なんです。
鴨志田参考人の論文によれば、袴田事件では、死刑確定から三十年以上経過した後になって、五点の衣類のカラー写真が開示をされました。さらに、検察は長年、ネガフィルムは存在しない、取調べ録音テープも存在しないと説明してきました。ところが、その後、ネガフィルムが警察から発見され、検察官は事実に反する回答をしたことを謝罪しました。録音テープも、当初開示されたものは一巻だけでしたけれども、その後の再調査によって、警察署から二十四巻ものテープが発見されました。
大崎事件では、検察官が不存在と断言した後に、警察署の写真室のつり棚から十八本ものネガフィルムが発見されました。事件発生から三十七年たってからです。その中には、確定判決の事実認定と矛盾する再現写真も含まれています。
湖東記念病院事件では、再審無罪判決の言渡しに当たり、裁判長が、十五年の歳月を経て初めて開示された証拠が一つでも適切に開示されていれば本件は起訴されなかったかもしれないとまで述べています。
私は、再審制度における証拠開示とは、国家が保有している証拠を適正に司法の場に出すための制度であり、制度の中核そのものだと思っています。冤罪を晴らしたのは、いずれも捜査機関が最初から持っていた証拠です。
大崎事件では、裁判所の開示勧告を受けた後も、検察官は合計二百十二点もの証拠を段階的に、まさに五月雨式に開示をしていく。それによって、どんどんと再審が遅れていくわけですね。
福井女子中学生事件では、第一次再審請求までは開示されなかった証拠が、第二次再審請求になって初めて開示されました。その中には、有罪認定の根幹を揺るがす捜査報告書も入っていました。もし最初から開示されていれば、請求人はもっと早くに救済されていたのかもしれません。
再審請求人の多くは高齢です。しかし、それは最初から高齢だったわけじゃないんですよ。単に年を重ねたというわけではありません。本来であれば必要がなかった獄中生活や長年にわたる再審請求の過程の中で高齢になっていくのです。失われた時間は取り戻せません。一つ一つの証拠が一年遅れで開示されることは、一年救済が遅れることを意味します。生きているうちの救済を掲げる大きな要因の一つなんです。
今回の、再審は、審理の長期化を招いてきた、結果として救済を遅らせてきたという指摘があります。この事実認識を、大臣、共有なさいますでしょうか。そして、この証拠開示こそが再審制度の中核である、このことも共有していただけるでしょうか。お答えください。
106
平口洋(自民)法務大臣
お答えいたします。
再審請求事件の中には、検察官が提出又は開示した証拠を新証拠として再審開始決定がなされる事件もあるというふうに認識しております。
再審請求手続において再審請求理由の審理、判断に必要かつ十分な証拠が裁判所に提出されることは適正な裁判の実現のために極めて重要でありまして、そのことは私も十分に認識しているところでございます。
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107
井戸まさえ(国民)
一昨日の参考人質疑において、元裁判官であり、袴田事件の再審、この裁判をやられた村山元裁判官は、証拠提出命令と証拠開示は全く異なる制度であると明確に述べられました。証拠開示とは、請求人が証拠を確認し、自らの主張、立証のために利用する制度です。一方で、政府の証拠提出命令は、裁判所が判断するために検察官からの証拠を提出させる、そうした制度です。私は、この指摘は全く、極めて重要だと思っています。
必要なのは、出してもらう制度ではありません、出させる制度です。裁判所が命令できて、そして検察官が義務を負う制度でなければ、本当に重要な証拠は出てこないのではないでしょ…
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108佐佐藤淳法務省刑事局長
お答えいたします。
御質問の趣旨が十分でないかもしれませんが、関連性を問わない、裁量による証拠開示命令制度を設けるべきではないかという質問だと理解してよろしいでしょうか。(井戸委員「はい」と呼ぶ)
御提案のような、再審請求理由との関連性を問わない証拠の開示命令制度につきましては、再審請求審の審理の在り方や職権主義の手続構造と整合しないのではないか、再審請求理由との関連性を問わずに命令の要否を判断することは実務上困難ではないかといった問題点があると考えているところでございます。
他方で、本法律案における証拠の提出命令制度におきましては、再審請求理由に…
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