私も、もちろん、通常審で正しく判決を受ければ、それで問題ないと思います。でも、現実そうなっていないわけでありまして。
ちょっと質問に入りたいと思いますけれども、まず確認しておきたいこととして、今日は証拠開示について伺いたいと思いますが、これまでの当委員会の審議で、再審請求審において検察が裁判所の求めに従わない余地があること自体は幾つかの答弁で明らかになっています。少し前の答弁になりますが、二〇二四年六月十九日の法務委員会で、井出委員が、裁判所による証拠開示の決定や勧告に対して検察が法律上許されないとして拒否した事例を二つ示されています。また、二〇二五年五月十六日の法務委員会で、稲田委員の質問に対し、前刑事局長ですけれども、再審請求審における裁判所の証拠開示勧告は法的拘束力はないとして、場合によっては検察官が裁量権逸脱などを理由に従わないこともあり得る、これは一般論として答弁をされています。
つまり、これまでの再審実務は、法的義務としての開示ではなくて、裁判所の訴訟指揮と検察の任意対応に大きく依存してきたというわけでありまして、これを今回まさに変えていくべきじゃないかというふうに思っています。
一方、大臣は五月二十七日の答弁で、法務省として、これまでの運用も否定はしない、今法改正によって検察から開示される証拠の範囲が狭まることはないというふうに認識しています。
一旦ここまでを共有させていただいた上で、質問に入りたいと思いますが、私が聞きたいのは、狭まらない、これまでのものも否定されず、範囲も狭まることはないということが、本当にこの条文で担保されているのかということをお聞きしたいというふうに思います。
再審制度の中核となるのは、間違いなく証拠の部分でありまして、さっき引用させていただいた勧告というのは、開示命令とは違いまして、勧告は相手が従うかどうかという部分に委ねられます。しかし、開示命令に関しては検察に法的義務を課す制度でありまして、これを明確にしなければ、再審は、結局のところ、検察が協力するかどうかに委ねられるというところになります。
実際に、福井事件では、任意開示勧告だけでは検察は応じてきませんでした。しかし、裁判所が証拠や証拠一覧表の開示命令に踏み切る用意があると明言したときに初めて、二百八十七点もの証拠が開示されたんですね。ここで実際に機能したのが、関連性や相当性、今回決められた細かく囲われた限定的な制度ではなくて、命令権限を背景にした裁判所の強い訴訟指揮があったというふうに思います。
大臣に一問伺います。このことを踏まえると、裁判所の職権による開示命令を、請求人本人への直接開示も含めて、広い、明文で規定すべきというふうに立法事実がまさに明言していると思いますが、受け止めをお願いいたします。
125
平口洋(自民)法務大臣
袴田さんを含めて、当事者の方々、様々いらっしゃるわけで、その様々な御意見を聞いた上で丁寧に対応していきたいと考えております。
この発言のページ
126小小竹凱(国民)
丁寧に対応していただくのは結構なんですけれども、今回というか、改正案が通れば今よりも悪くなるかもしれないと当事者が一部言っている中で、どういうふうに丁寧に対応していくのかというところがあります。
やはり、可決を持つのか、修正をしていくのか、そもそもこの法案自体を廃案にしていくのか、我々にはその選択肢しか今ないわけであって、その中でどういうふうに議論を積み上げるかというところを、是非、大臣として、もう少し前向きに答弁をいただきたいというふうに思います。
今やらずしていつやるのかというような意見も昨日ありましたけれども、やはり、袴田ひで子さんが言っている…
この発言のページ
127佐佐藤淳法務省刑事局長
お答えいたします。
今回の立法事実につきましては、法務大臣が先ほどお答えしたり、累次お答えしているとおりでございますので、審理の迅速化なども含めましてやっていきましょうという話ではありますけれども、再審制度も、もとより全体の刑事司法の中の一つでありまして、例えば、再審開始が起きるような事態が起きるというのは、通常審がきちんと行われていなかったからではないか、そういう可能性をうかがわせるものでございまして、それをどのような範囲で、どのように覆すかというのも、刑事司法全体の中で図られるものであります。
そういう中で、罪を犯していない者が処罰を受けるような…
この発言のページ
- (上の発言)
128小小竹凱(国民)
私も、もちろん、通常審で正しく判決を受ければ、それで問題ないと思います。でも、現実そうなっていないわけでありまして。
ちょっと質問に入りたいと思いますけれども、まず確認しておきたいこととして、今日は証拠開示について伺いたいと思いますが、これまでの当委員会の審議で、再審請求審において検察が裁判所の求めに従わない余地があること自体は幾つかの答弁で明らかになっています。少し前の答弁になりますが、二〇二四年六月十九日の法務委員会で、井出委員が、裁判所による証拠開示の決定や勧告に対して検察が法律上許されないとして拒否した事例を二つ示されています。また、二〇二五年五月十六日の法務委員会で、稲田委員の質問に対し、前刑事局長ですけれども、再審請求審における裁判所の証拠開示勧告は法的拘束力はないとして、場合によっては検察官が裁量権逸脱などを理由に従わないこともあり得る、これは一般論として答弁をされています。
つまり、これまでの再審実務は、法的義務としての開示ではなくて、裁判所の訴訟指揮と検察の任意対応に大きく依存してきたというわけでありまして、これを今回まさに変えていくべきじゃないかというふうに思っています。
一方、大臣は五月二十七日の答弁で、法務省として、これまでの運用も否定はしない、今法改正によって検察から開示される証拠の範囲が狭まることはないというふうに認識しています。
一旦ここまでを共有させていただいた上で、質問に入りたいと思いますが、私が聞きたいのは、狭まらない、これまでのものも否定されず、範囲も狭まることはないということが、本当にこの条文で担保されているのかということをお聞きしたいというふうに思います。
再審制度の中核となるのは、間違いなく証拠の部分でありまして、さっき引用させていただいた勧告というのは、開示命令とは違いまして、勧告は相手が従うかどうかという部分に委ねられます。しかし、開示命令に関しては検察に法的義務を課す制度でありまして、これを明確にしなければ、再審は、結局のところ、検察が協力するかどうかに委ねられるというところになります。
実際に、福井事件では、任意開示勧告だけでは検察は応じてきませんでした。しかし、裁判所が証拠や証拠一覧表の開示命令に踏み切る用意があると明言したときに初めて、二百八十七点もの証拠が開示されたんですね。ここで実際に機能したのが、関連性や相当性、今回決められた細かく囲われた限定的な制度ではなくて、命令権限を背景にした裁判所の強い訴訟指揮があったというふうに思います。
大臣に一問伺います。このことを踏まえると、裁判所の職権による開示命令を、請求人本人への直接開示も含めて、広い、明文で規定すべきというふうに立法事実がまさに明言していると思いますが、受け止めをお願いいたします。
129
平口洋(自民)法務大臣
お答えいたします。
再審請求審は、職権主義の下で、裁判所が主体的に再審理由について審理、判断する手続であるため、再審請求理由と関連すると認められる証拠を裁判所が検察官に命じて裁判所に提出させる仕組みとすることが合理的であると考えるところでございます。そこで、本法律案においては、再審請求理由と関連すると認められる証拠を証拠の提出命令制度の対象としているところでございます。
なお、証拠の提出命令制度の下でも、個々の事案に応じて、例えば、検察官が裁判所に証拠を提出するのと併せてその写しを再審請求者側に交付するといった運用は否定されないというふうに考えており…
この発言のページ
130小小竹凱(国民)
従来の運用が否定されないということが分かりました。
結局、福井事件では、実際に機能したのは、今回の、関連性や相当性という絞ったものではなくて、証拠提出命令を出すというようなことに踏み切る用意があると明言したことで初めて動いたわけでありまして、今回、この部分を、結局、これまでの運用は否定しないものの委ねてしまっては、また再審格差といいますか、証拠開示は当たった裁判官次第ということは残り得るんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
この発言のページ
131井井上英孝(維新)
申合せの時間が経過しておりますので、答弁は簡潔に願います。
この発言のページ