有田芳生です。
私は、これまでの皆様方の質疑を聞いておりまして、今日質問するのは、再審法については初めてですので、何で冤罪が起きるのか、今度の法改正によってそれを防ぐことができる道に進むんだろうかという視点でお尋ねをしていきたいというふうに思います。
私の冤罪事件についての原点というのは、足利事件だったんです。菅家利和さんは、真実ちゃん誘拐殺人事件で逮捕されて、無期懲役、十七年半、獄にとらわれましたけれども、DNA鑑定の結果、無罪、冤罪だったということが明らかになった。
私は、菅家さんに何度もお話を聞いているときに、無念が晴れたのはよかったんですと、それは当然、本当に遅かったけれどもよかったんだけれども、同時におっしゃっていたのは、真犯人がどこにいるんだ、それが許せないとおっしゃっていた。これは袴田事件などなども同じなんですよね。
ですから、足利事件について今日取り上げるわけじゃないんですけれども、実は、DNA鑑定をやった、当時の筑波大学の本田克也教授は、DNA鑑定の結果、菅家さんを無罪にするその導きを実行されたんだけれども、実は真犯人がいるんじゃないかというような、取材も含めていろいろな動きがあった。それで、ある人物に対して、菅家さんを無罪に導いた本田克也教授は、ある人物のDNA鑑定をやったんです。その結果、三十数か所で一致をした、被害者の衣類についていたDNAと。結果的には、確率でいえば、四兆七千億人に一人の割合でヒットした、こういう事実があるんですよ。
私が許せないのは、この事実を最高検の幹部はもう十年以上前に知っている、真犯人についてのDNA鑑定の結果を。それがいまだ何の動きもないというようなことを含めて、私は、この冤罪問題というのは、検察の姿勢というのは、長年にわたって問題点を感じていたんです。
具体的な内容に入りますけれども、この法務委員会で再審法についての質疑が始まった一回目のとき、袴田ひで子さんがその場で傍聴されておりました。傍聴を終えて外に出て、マスコミ陣に意見を聞かれたひで子さんは、こうおっしゃった。巌の身に起きたことがこの世界から冤罪をなくすことにつながるよう切に願っておりますと語った上で、今審議をしている政府案について、証拠の全面的な開示が必要だと。もう一つ、検察官抗告の禁止が盛り込まれない場合は成立を急ぐべきではないと訴えられている。それが被害者の本音なんですよね。
袴田ひで子さんは、法制審の二回目のヒアリングの中で、西村智奈美さんが本会議でも引用されましたけれども、るる思いを語った中で、最後にこう語った。「法務省の皆様、弟、巌が四十七年七か月頑張ってきたということを、」次が大事なの、「人間として考えていただけますでしょうか。」と。人間として考えなきゃ駄目なんですよ。
この問題は、袴田ひで子さんが傍聴された、前回の法務委員会の傍聴には、あそこの席に江川紹子さんが座っていました。江川さんは、オウム事件でよく知られているけれども、実は一九九四年には名張毒ブドウ酒事件についての著作を文芸春秋から出されたんです。
名張の事件というのは一九六一年に起きた事件ですけれども、死刑の判決を受けて、九度にわたって再審請求が行われた。奥西勝さん。だけれども、奥西さんは、再審請求をずっと求めながら、二〇一五年に八十九歳で亡くなりました、八王子の医療刑務所で。再審請求をやっているから無罪だというわけではないんだけれども、本人たちは再審請求を一生懸命やっているけれども、亡くなってしまった。
この間、傍聴席に、江川さんと同時に石川早智子さんもいらっしゃった。狭山事件、一九六三年に起きた、私は差別裁判だと思っておりますけれども、石川一雄さんの奥様である石川早智子さんがいらした。この狭山事件についても、現在、第四次の再審請求が行われている最中なんだけれども、残念ながら、石川一雄さんは、昨年、八十六歳でお亡くなりになりました。
再審請求、無罪だと信じた人たちが求めて行動していても、その間に亡くなってしまうというのがこの残酷さであって、人間として考えていかなければいけないことだと思うんです。
まず、法務大臣に伺いたいんですけれども、刑事局長もそうですけれども、こんなことはあってはならないんだと、毎回毎回そうおっしゃっています。そのとおりです。
法務大臣に伺います。そのあってはならないことが、何でこれまで起きてきたんでしょうか。お答えください。
35
平口洋(自民)法務大臣
近時、刑事司法に対して様々な厳しい指摘がなされているところでございますが、刑事司法制度がその機能を適切に発揮するためには、国民の皆様の信頼に支えられているということが極めて重要でございます。
本法律案は、近時の再審請求事件に関する実情を踏まえ、再審制度が非常救済手続としてより適切に機能するように所要の法整備を行うものであり、刑事司法に対する信頼関係の確保からも重要な意義を有するものと考えております。
また、刑事司法が、基本的人権の保障を全うしつつ、事案の真相を解明し、刑罰法令を適切に適用実現するという役割を適切に果たしていくためには、捜査段階や通常審…
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36保保岡宏武(自民)
平口大臣、ありがとうございました。
冤罪被害者の失われた時間は本当に二度と戻りません。冤罪被害者の迅速な救済、そして適切な手続の保障をこの改正によって必ず実現する。党内、党外、多くの方の協力もあり、様々な思いが自民党内にもあったが、もしかしたら今でもあるのかもしれませんが、今改正できなければいつできるのか、この一点で党内はまとまり、この法案提出に至ったというふうに認識をしております。
再審法改正案がしっかりと委員会で審議をされ、実現をした後には、冤罪被害に遭った方の迅速な救済が実現されることを、そして、実務を通じて刑事司法の信頼回復ができることを切に…
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37井井上英孝(維新)
次に、有田芳生君。
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- (上の発言)
38
有田芳生(中道)
有田芳生です。
私は、これまでの皆様方の質疑を聞いておりまして、今日質問するのは、再審法については初めてですので、何で冤罪が起きるのか、今度の法改正によってそれを防ぐことができる道に進むんだろうかという視点でお尋ねをしていきたいというふうに思います。
私の冤罪事件についての原点というのは、足利事件だったんです。菅家利和さんは、真実ちゃん誘拐殺人事件で逮捕されて、無期懲役、十七年半、獄にとらわれましたけれども、DNA鑑定の結果、無罪、冤罪だったということが明らかになった。
私は、菅家さんに何度もお話を聞いているときに、無念が晴れたのはよかったんですと、それは当然、本当に遅かったけれどもよかったんだけれども、同時におっしゃっていたのは、真犯人がどこにいるんだ、それが許せないとおっしゃっていた。これは袴田事件などなども同じなんですよね。
ですから、足利事件について今日取り上げるわけじゃないんですけれども、実は、DNA鑑定をやった、当時の筑波大学の本田克也教授は、DNA鑑定の結果、菅家さんを無罪にするその導きを実行されたんだけれども、実は真犯人がいるんじゃないかというような、取材も含めていろいろな動きがあった。それで、ある人物に対して、菅家さんを無罪に導いた本田克也教授は、ある人物のDNA鑑定をやったんです。その結果、三十数か所で一致をした、被害者の衣類についていたDNAと。結果的には、確率でいえば、四兆七千億人に一人の割合でヒットした、こういう事実があるんですよ。
私が許せないのは、この事実を最高検の幹部はもう十年以上前に知っている、真犯人についてのDNA鑑定の結果を。それがいまだ何の動きもないというようなことを含めて、私は、この冤罪問題というのは、検察の姿勢というのは、長年にわたって問題点を感じていたんです。
具体的な内容に入りますけれども、この法務委員会で再審法についての質疑が始まった一回目のとき、袴田ひで子さんがその場で傍聴されておりました。傍聴を終えて外に出て、マスコミ陣に意見を聞かれたひで子さんは、こうおっしゃった。巌の身に起きたことがこの世界から冤罪をなくすことにつながるよう切に願っておりますと語った上で、今審議をしている政府案について、証拠の全面的な開示が必要だと。もう一つ、検察官抗告の禁止が盛り込まれない場合は成立を急ぐべきではないと訴えられている。それが被害者の本音なんですよね。
袴田ひで子さんは、法制審の二回目のヒアリングの中で、西村智奈美さんが本会議でも引用されましたけれども、るる思いを語った中で、最後にこう語った。「法務省の皆様、弟、巌が四十七年七か月頑張ってきたということを、」次が大事なの、「人間として考えていただけますでしょうか。」と。人間として考えなきゃ駄目なんですよ。
この問題は、袴田ひで子さんが傍聴された、前回の法務委員会の傍聴には、あそこの席に江川紹子さんが座っていました。江川さんは、オウム事件でよく知られているけれども、実は一九九四年には名張毒ブドウ酒事件についての著作を文芸春秋から出されたんです。
名張の事件というのは一九六一年に起きた事件ですけれども、死刑の判決を受けて、九度にわたって再審請求が行われた。奥西勝さん。だけれども、奥西さんは、再審請求をずっと求めながら、二〇一五年に八十九歳で亡くなりました、八王子の医療刑務所で。再審請求をやっているから無罪だというわけではないんだけれども、本人たちは再審請求を一生懸命やっているけれども、亡くなってしまった。
この間、傍聴席に、江川さんと同時に石川早智子さんもいらっしゃった。狭山事件、一九六三年に起きた、私は差別裁判だと思っておりますけれども、石川一雄さんの奥様である石川早智子さんがいらした。この狭山事件についても、現在、第四次の再審請求が行われている最中なんだけれども、残念ながら、石川一雄さんは、昨年、八十六歳でお亡くなりになりました。
再審請求、無罪だと信じた人たちが求めて行動していても、その間に亡くなってしまうというのがこの残酷さであって、人間として考えていかなければいけないことだと思うんです。
まず、法務大臣に伺いたいんですけれども、刑事局長もそうですけれども、こんなことはあってはならないんだと、毎回毎回そうおっしゃっています。そのとおりです。
法務大臣に伺います。そのあってはならないことが、何でこれまで起きてきたんでしょうか。お答えください。
39
平口洋(自民)法務大臣
処罰されるべきでない者が処罰されることはあってはならないということでございます。
具体的事件において無罪判決が言い渡される理由は様々でありまして、処罰されるべきでない者が処罰されるような事態が生ずる原因としてどのようなものがあるかを一概に申し上げることは困難でございますが、過去の無罪判決や検察当局による検証においては、例えば、客観資料の吟味が不十分であったこと、自白の信用性に対する吟味、検討が不十分であったこと、新たな科学的捜査手法に対する理解、検討が不十分であったことなどの理由が指摘されてきたものと承知しております。
これらを踏まえて、検察当局にお…
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40
有田芳生(中道)
証拠をちゃんと最初から開示しないから問題が起きているんじゃないですか。
そのことをこれから具体的に伺っていきますけれども、その前に、刑事局長にお伺いをいたします。
死刑判決を受けて再審無罪だったケースというのは、これまで、一般的には四大死刑冤罪事件と言われていますけれども、ちょっと簡単に御説明いただけますか。
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41佐佐藤淳法務省刑事局長
お答えいたします。
お尋ねは、死刑判決が確定した後、再審で無罪とされた、いわゆる免田事件、財田川事件、松山事件及び島田事件の四つの事件を指すものと理解しております。
まず、いわゆる免田事件は、昭和二十三年十二月二十九日、金品強取の目的で熊本県内の民家に侵入し、被害者二名を殺害し、別の二名に傷害を負わせた住居侵入、強盗殺人及び同未遂の事案でございまして、元被告人の方が起訴され、昭和二十七年一月五日に死刑判決が確定しましたが、その後に再審開始決定がなされ、昭和五十八年七月十五日、再審公判で強盗殺人等の点につき無罪が言い渡されたものと承知しております。
…
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