ありがとうございます。
不服申立てで何を審理するのかというところに大きく影響されると思います。
新たな事実調べのような、まさに袴田さんの事件の抗告審のようにDNA鑑定をやり直すとか、差戻し後の即時抗告審では検察官がみそ漬け実験を一年以上かけてやるとか、こういうことになると、この規定は余り意味がないものになってしまうと思います。
一方で、今回、そもそも検察官が抗告ができる場合が非常に例外的になるということを前提とすれば、まさに法律問題として、その抗告に法的な理由があるかどうかというところだけが事後的に、事実認定ではなくて法的な問題だけが事後的に判断の対象になるということであれば、このように早い期間で終わらせるということは可能となると思います。
ですから、この開始決定に対する一年以内というところは、前提として、抗告審がどのような内容をどのような範囲で審理をするものなのかということについてのきちんとした合意形成というか理解がないと、一概には言えないということになろうかというふうに思います。
以上です。
37池池田公博京都大学大学院法学研究科教授
お答え申し上げます。
迅速な審理が担保されるのかという御質問でございましたけれども、私自身は、証拠開示の制度がこの度整備されたことによりまして、従来、即時抗告、特別抗告審まで引きずられていた必要な証拠の開示という問題をめぐる争いというものが、一審段階で全て処理されるということを期待しているところでございます。
そうだとすると、上訴以降は純粋に、その前提となる証拠を見た上で再審請求理由の存否についての判断が適切になされたかという問題だけが取り扱われることになりますので、従来とは異なりまして迅速な審理を期待し得るのではないかと考えております。
この発言のページ
38葛葛野尋之青山学院大学法学部教授
非常に難しい問題だと思います。
確かに、これらの規定が裁判所や検察官の行為に、行動にすぐに反映するならば、迅速化につながる可能性はあると思います。しかし、これまでの例を見ますと、やはり裁判所や検察官の自覚なり努力に委ねるだけでは十分な効果が得られないということが現実でないかというふうに思うんですね。
やはり、迅速化を図るためには、まずもって迅速な証拠開示、広い範囲の証拠開示が絶対必要でありますし、抗告について申し上げると、やはりこれは単に検察官の努力義務というものではなく、行為規範というものではなくて、裁判所が十分な理由がないと判断したときには、それ…
この発言のページ
39上上谷さくら桜みらい法律事務所弁護士
現在問題になっている再審の事件については、とても時代が古いものが多いということの特徴があると思います。そして、近年は、検察の方もかなりこの辺について対応を改めているところでありますし、今出ている案で特にデメリットがあると感じたことはありません。
それから、今回の議論をもって非常に世間から検察や裁判所に対する目が厳しくなっているということがあって、それも大事な機能の一つだと思います。したがって、これまでのように運用によって何かなし崩しになっていくということはないのではないかと考えています。
この発言のページ
- (上の発言)
40鴨鴨志田祐美弁護士(日本弁護士連合会再審法改正推進室長)
ありがとうございます。
不服申立てで何を審理するのかというところに大きく影響されると思います。
新たな事実調べのような、まさに袴田さんの事件の抗告審のようにDNA鑑定をやり直すとか、差戻し後の即時抗告審では検察官がみそ漬け実験を一年以上かけてやるとか、こういうことになると、この規定は余り意味がないものになってしまうと思います。
一方で、今回、そもそも検察官が抗告ができる場合が非常に例外的になるということを前提とすれば、まさに法律問題として、その抗告に法的な理由があるかどうかというところだけが事後的に、事実認定ではなくて法的な問題だけが事後的に判断の対象になるということであれば、このように早い期間で終わらせるということは可能となると思います。
ですから、この開始決定に対する一年以内というところは、前提として、抗告審がどのような内容をどのような範囲で審理をするものなのかということについてのきちんとした合意形成というか理解がないと、一概には言えないということになろうかというふうに思います。
以上です。
41三三木圭恵(維新)
ありがとうございます。
次の質問に移りたいと思います。
証拠開示について、いろいろな御意見がありまして、上谷参考人にお伺いしたいんですけれども、上谷参考人におかれましては、被害者代理人として、様々な被害者の観点を入れてこの法律を作ってもらいたいという意見陳述をされました。その中でも、いろいろ、皆様、証拠というものの一覧表、リストの開示は、証拠そのものでないので、一覧表の開示ということについてはいいのではないかというような御意見もあるかのように思いますけれども、上谷参考人はこの点はどのようにお考えでしょうか。
この発言のページ
42上上谷さくら桜みらい法律事務所弁護士
リストの作り方の問題もあるかと思うんですよね。どういう標目になっているのかということがあるかと思います。果たしてそれで、事件に関係があることなのかどうか、本当に見せる必要があるのかどうか、被害者から見たらこれは全く関係ないのではないかというものまでが開示されるのかどうかという不安はあるかと思います。
この発言のページ
43三三木圭恵(維新)
つまり、一覧表であったとしても、被害者の方はどのようなものが開示されているかということが不安であるというふうに、特に性被害を受けた方はそうだということだというふうに理解をさせていただきました。
意見陳述の中でも、いろいろと意見陳述していただいたわけでございますけれども、上谷参考人におかれましては、二次受傷であるとか、そういったところの研究もいろいろなされているというふうにお伺いをしております。再審請求がされ続けることについて、被害者の心情にどのような影響があるのかということをお伺いしたいと思います。
この発言のページ