佐藤淳法務省刑事局長

2026年5月27日・第221回国会 衆議院 法務委員会 第14号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 136 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 289 発言)

お答えいたします。

現行法上、通常審及び再審公判における検察官開示証拠につきましては、証拠の複製の適正管理及び目的外使用の禁止に関する規律が設けられておりますが、再審請求審に関してはそのような規律が設けられていないところでございます。もっとも、通常審と再審請求審とで関係者の名誉、プライバシーの保護等の必要性に違いはなく、現状の取扱いは不均衡であると考えられます。

また、本法律案において新設する証拠の提出命令制度によって提出された証拠の複製等につきまして、管理の適正を欠いたり本来の目的以外にも使用できるとなりますと、関係者の名誉、プライバシーの侵害等の弊害が生じるおそれがあり、その結果、そうした事態を懸念して提出命令が適切に活用されないことにもなりかねないということでございます。

一方で、被害者団体からは、例えば、犯罪被害者が捜査に被害を届けた後に、その後何度も警察の取調べを受けたり、あるいは公判に行って証言しなきゃいけなくなったり、様々な負担が生じることで、多くの被害者が泣き寝入りすることもあるわけでありますが、そういう心理的な負担でですね。しかしながら、例えば、自らが取られた供述調書であるとか、自らが提出したスマホのデータであるとか、そういったものが、場合によっては、裁判のためなら我慢するとは思うんですけれども、対外的に公表される、報道される、もしそういうことがあると思ったならば、やはり被害を届けられないという方もおられるというふうに聞いているところでございます。

そういった全体のバランスの中での話になりますが、本法律案におきましては、再審請求審において謄写した証拠の複製等が適正に管理され、本来の目的にのみ使用されることを担保するために、検察官から提出を受けた証拠の複製等の適正管理を弁護人に義務づけるとともに、その複製等を再審請求者等が再審手続やその準備等の目的以外で使用することを禁止し、一定の違反行為に罰則を設けることとしております。

その上で、今御質問にありました通常審における証拠の目的外使用禁止に係る罰則の適用例について、統計が存在しているわけではありませんので網羅的に把握しているわけではございませんが、例えば、強制わいせつ事件の被告人であった者がその犯罪に係る事件の捜査報告書等の内容をインターネットに掲載したことにつき有罪判決が確定した事案がありましたり、児童ポルノ法違反事件の被告人であった者がその犯罪に係る事件の供述調書の抄本に関する複製の一部が閲覧可能となるURLをインターネットサイトに掲載したことにつき有罪判決が確定した事案があるものと承知しているところでございます。

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