佐藤淳法務省刑事局長

2026年5月27日・第221回国会 衆議院 法務委員会 第14号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 23 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 289 発言)

十分な根拠の有無といいますのは、再審開始決定が示した再審開始理由との関係で判断することとなると思います。

御指摘の事件の第一次再審請求審におきましては、客観的証拠とその評価が主な争点となりまして、再審開始決定におきましては、当該客観証拠や主要な関係者の供述等を総合的に評価した結果、関係者供述の信用性に疑問が抱かれ、請求人が犯人であると認めるには合理的な疑いが生じたなどと判示されたものでございます。

この点、御指摘の事件の第一次再審請求審の段階におきましては、主要関係者の一人の供述の裏づけとして位置づけられるテレビ番組の放送日に係る捜査報告書につきまして、従前の検察官の主張、立証の内容とそごしていたにもかかわらず、その開示等の適切な是正措置が取られていなかったことが明らかとなっております。

これが仮に適切な是正措置が取られていれば、第二次再審請求審における再審開始決定と同様に、それを契機として主要関係者の供述の信用性が中心的な争点となり、ひいては有罪認定に動揺が生じたなどとして、再審開始決定がなされていた可能性もあると考えられるところであります。

このような観点から見ますと、その再審請求審において、その供述内容が客観的事実とそごすることが判明したことなどによりまして、確定判決が前提とした関係者の供述の信用性判断、ひいては有罪認定に動揺が生じ、再審請求に理由があるとして再審開始決定があった場合、検察当局におきまして、当該再審開始理由を示した決定につきまして取り消されるべきものと認めるに足りる十分な根拠があるかを慎重に検討し、その結果、十分な根拠がないとして不服申立てをしないこともあり得るのだろうというふうに考えているところでございます。

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