風俗店を利用される方の中には、性交さえしなければ違法ではないというように理解している方も少なくないと言われています。しかし、実際には、その線引きというのは非常に難しくて明確ではない。また、実態としては、現在の性風俗産業というのは、性交類似行為と言われるサービスの範囲が非常に広がっていて、何が性交で何が類似行為なのか、一般の利用者にとっては分かりにくい状況になっています。つまり、法律上の区分と現実のサービス実態との間に相当の乖離が生じている。売春防止法と風営法、そして刑法の間に存在する構造的矛盾そのものがあるのではないかと言われています。
現在の日本の刑法では、性交、口腔性交、肛門性交、手指や物による性交類似行為も含めて、これは重大な性的侵害として処罰対象ともされています。また、不同意性交罪においては、暴行、脅迫のみならず、アルコールや薬物の影響、睡眠その他意識が明瞭でない状況、恐怖や驚愕による心理的な支配、経済的又は社会的地位に基づく影響力などによって、同意しない意思を形成し、表明し又は全うすることが困難な状態にさせ、また、その状態に乗じて性交等を行うことも処罰対象とされています。つまり、現在の性犯罪法制というのは、挿入の有無だけではなくて、人格的な尊厳や性的自己決定権の侵害そのものを重視する方向へと転換しているということだと思います。
ところが、その一方で、売春防止法というのは対価を伴う性交のみが売春として問題化されていて、それ以外の性的サービスについては風営法の下で今広く制度化されているというような状況です。先ほど御答弁もあったように、性交類似行為を風俗店で行った場合、性交していないからといって、不同意であった場合は罪に問われるということがあるにもかかわらず、やはりそうした認識というのは広がっている、定着しているというふうには思えないところもあります。
日本の性風俗は、長年、性交というのを異性間の性器の挿入に極めて狭く定義をして、挿入さえしなければ違法ではない、先ほども言いましたけれども、そうした方向で営業形態を拡大してきました。そのため、性交、つまり挿入以外の性交類似行為は風営法で認められるというふうにされて、野放し状態です。ファッションヘルス、デリバリーヘルス、性感マッサージ、テレホンクラブ、ツーショットダイヤル、さらには近年の悪質スカウト問題が社会問題化するなど、それぞれ、その時々で新たな業態が生まれて、犯罪、搾取との結びつきが社会問題化してまいりました。
そこで、また御質問させていただきます。
現代の人権理念や性犯罪法制との整合性という観点から見たとき、性交のみを問題視する現在の売春防止法をどう捉えたらよいのでしょうか。二〇一七年に刑法が改正された際に、なぜ売春法も併せて改正しなかったのでしょうか。御所見を伺います。
113服服部準警察庁長官官房審議官
お答えいたします。
風営適正化法は、違法な行為を容認するものではなく、一般論として、仮に店舗型性風俗特殊営業を始めとする風営適正化法に基づく届出等を行っている事業者の営業所において不同意性交等を含む違法な行為があった場合には、法と証拠に基づき厳正に対処することとなると考えております。
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114
井戸まさえ(国民)
もう一度ちょっとお願いしたいんですけれども、性交類似行為があった場合でも、それが処罰される可能性もあるということでよろしいでしょうか。
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115服服部準警察庁長官官房審議官
お答えいたします。
委員御指摘のそういった違法な行為があった場合には、法と証拠に基づき厳正に対処するということでございます。
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- (上の発言)
116
井戸まさえ(国民)
風俗店を利用される方の中には、性交さえしなければ違法ではないというように理解している方も少なくないと言われています。しかし、実際には、その線引きというのは非常に難しくて明確ではない。また、実態としては、現在の性風俗産業というのは、性交類似行為と言われるサービスの範囲が非常に広がっていて、何が性交で何が類似行為なのか、一般の利用者にとっては分かりにくい状況になっています。つまり、法律上の区分と現実のサービス実態との間に相当の乖離が生じている。売春防止法と風営法、そして刑法の間に存在する構造的矛盾そのものがあるのではないかと言われています。
現在の日本の刑法では、性交、口腔性交、肛門性交、手指や物による性交類似行為も含めて、これは重大な性的侵害として処罰対象ともされています。また、不同意性交罪においては、暴行、脅迫のみならず、アルコールや薬物の影響、睡眠その他意識が明瞭でない状況、恐怖や驚愕による心理的な支配、経済的又は社会的地位に基づく影響力などによって、同意しない意思を形成し、表明し又は全うすることが困難な状態にさせ、また、その状態に乗じて性交等を行うことも処罰対象とされています。つまり、現在の性犯罪法制というのは、挿入の有無だけではなくて、人格的な尊厳や性的自己決定権の侵害そのものを重視する方向へと転換しているということだと思います。
ところが、その一方で、売春防止法というのは対価を伴う性交のみが売春として問題化されていて、それ以外の性的サービスについては風営法の下で今広く制度化されているというような状況です。先ほど御答弁もあったように、性交類似行為を風俗店で行った場合、性交していないからといって、不同意であった場合は罪に問われるということがあるにもかかわらず、やはりそうした認識というのは広がっている、定着しているというふうには思えないところもあります。
日本の性風俗は、長年、性交というのを異性間の性器の挿入に極めて狭く定義をして、挿入さえしなければ違法ではない、先ほども言いましたけれども、そうした方向で営業形態を拡大してきました。そのため、性交、つまり挿入以外の性交類似行為は風営法で認められるというふうにされて、野放し状態です。ファッションヘルス、デリバリーヘルス、性感マッサージ、テレホンクラブ、ツーショットダイヤル、さらには近年の悪質スカウト問題が社会問題化するなど、それぞれ、その時々で新たな業態が生まれて、犯罪、搾取との結びつきが社会問題化してまいりました。
そこで、また御質問させていただきます。
現代の人権理念や性犯罪法制との整合性という観点から見たとき、性交のみを問題視する現在の売春防止法をどう捉えたらよいのでしょうか。二〇一七年に刑法が改正された際に、なぜ売春法も併せて改正しなかったのでしょうか。御所見を伺います。
117佐佐藤淳法務省刑事局長
お答えいたします。
まず、前提として申し上げますと、個別の法律におきましていかなる行為を処罰対象にするかにつきましては、それぞれの法律の趣旨、目的を踏まえて、法律ごとに個別に判断されるべき事柄であるというふうに考えております。
その上で申し上げますと、平成二十九年の刑法改正、これは強姦罪を強制性交等罪に改めることなどを内容とするものでございました。それから、令和五年の刑法改正、これは強制性交等罪を不同意性交等罪に改めることを内容とするものでありまして、性交等類似の概念も徐々に広がっているという状況にございますけれども、これは、いずれも、性的自由、性的…
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井戸まさえ(国民)
売春防止法だと性交のみで、類似行為というのが当たらないということなんですけれども、今なぜそれを同じように、売春だけが、結局、性行為だけが社会のそうした風紀を乱すとかというわけではなくて、類似行為も同じだと思うんですね。
更に言えば、売春防止法が禁止する売春をあえて性交に限定しなければいけない理由というのはあるのだろうかと思って、調べてみました。これは法律の制定過程から読み取ることができると思うんですけれども、一九五六年、衆議院の法務委員会での議事録を見ますと、売春防止法の法案、国会審議において、法務省の政府委員というのは、次のように説明しているんですね…
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平口洋(自民)法務大臣
お答えいたします。
現在、法務省においては、近時の社会情勢等を踏まえた売買春に係る規制の在り方について、有識者の幅広い知見等に基づいて御議論いただくため、売買春に係る規制の在り方検討会を開催しているところでございます。
ですから、御指摘の点を含めて、売買春に係る規制の在り方に対していかなる事項について検討を行うかについては、本検討会の趣旨を踏まえつつ御議論いただくべき事柄でございますため、法務大臣としてお答えすることは現時点では差し控えたいと思います。
法務省としては、引き続き、本検討会において幅広い知見等に基づいて充実した議論が行われるよう努めて…
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