ありがとうございました。
今御説明いただいたように、双方の不均衡という問題があるということと思います。
しかし、上級審に対して不服申立てをするということは、その不服申立てによって望ましい結果が得られるというメリットだけではないと思います。たとえ不服申立てされなくても、上級審による審査を受ける可能性があるということ自体が、裁判官に対して一定の緊張感や抑制に働き、判断が慎重になったり理由づけが丁寧になったりするという意味で、裁判の公平さを担保する機能を持っているのではないかと考えます。
しかし、先ほどの御答弁にもあったとおり、個別の報酬の合理性は裁判官の独立の観点から調査できず、また、上級審による審査も受けないということです。そうすると、不服のある方の不満だけが蓄積され、家庭裁判所に対する不信感にもつながりかねないと懸念します。
また、報酬額が余りにも不合理であると考えるのであれば、補助人側からの不服申立てについても認められてもいいのではないかと思います。もちろん不合理な不服申立てまで認めるべきではないと思いますし、そのような場合は上級審で退けられることもできるでしょう。場合によっては、改正法で追加された、本人の利益のために特に必要があるときという解任事由によって対応することも可能ではないかと思います。
ですから、裁判官の不当な報酬決定を防ぎ、家庭裁判所に対する信頼を確保するためにも、双方に一定の不服申立てを認めることについて今後も検討していただければと思います。よろしくお願いいたします。
今紹介したような特別高額な事例だけではなくて、一般的な後見人の方の報酬についても負担が重い、高額ではないかという声をたくさん聞いております。
親族以外の成年後見人の報酬については、各地の裁判所が公表している成年後見人等の報酬額の目安によれば、管理財産額に応じて、一千万円未満であれば月二万円、一千万から五千万円未満であれば月三万から四万円、五千万円以上の方は月五、六万円と、基本報酬の目安とされております。さらに、これに特別な業務があった場合は付加報酬も加算されるということです。
この基本報酬については、弁護士の方や司法書士の専門の方々が行う後見事務の手間を考えると決して高い報酬ではないのかなということも承知しております。しかしながら、御本人の家族から見れば、二十四万円から七十万円以上のお金が継続的に毎年毎年、もしかしてその付加報酬もつけば更にそれ以上というものが減っていく。それをお聞きしましたら、今回の改正法によって、親族以外の補助人の報酬について、不透明である、負担が重いといった問題は改善されるのでしょうか。今回の法律に関しては改善されるのでしょうか。最高裁の御見解をお伺いします。
153馬馬渡直史最高裁判所事務総局家庭局長
後見人に対する報酬の付与は、個別の事案における裁判官の判断によるものでありますところ、最高裁判所が特定の事案における報酬の付与の判断についてその当否を問題とする観点から理由等の調査をすることは、裁判官の職権行使の独立に抵触するおそれがあり困難であると考えており、現に調査はしておりません。
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154鈴鈴木美香(参政)
調査できないということでございましたが、御本人や親族のお立場からは、報酬が高いと思われる場合には、その報酬の額に合理性があるのかどうか、相当と言えるかどうかについて確認したいというお声を聞いております。
通常の裁判は三審制であり、判断に不服があれば上級審に対して不服申立てができるのが通常でございます。しかし、後見人の報酬を決める裁判については、現行法では不服申立て手段がないと承知していますが、改正法でも不服申立て手段が新設されておりません。それはどうしてでしょうか、お尋ねいたします。法務省にお尋ねします。
この発言のページ
155松松井信憲法務省民事局長
お答え申し上げます。
法制審議会の部会では、報酬付与の審判に対する不服申立ての規定を設けるかについて検討がされました。
しかし、判断能力が低下した御本人にとっては適切に不服申立てをすることが困難であるため補助人との間で均衡を失すること、一方で、本人の親族に不服申立てを認めることは、本人の親族は本人の財産について権利を有するものではないことから相当でないことなどから、報酬の付与の審判に対して不服申立てを認めない現行法の規律を維持することとされました。
このような部会での議論を踏まえ、民法等改正法案では、報酬の付与の審判に対して不服申立てをすることがで…
この発言のページ
- (上の発言)
156鈴鈴木美香(参政)
ありがとうございました。
今御説明いただいたように、双方の不均衡という問題があるということと思います。
しかし、上級審に対して不服申立てをするということは、その不服申立てによって望ましい結果が得られるというメリットだけではないと思います。たとえ不服申立てされなくても、上級審による審査を受ける可能性があるということ自体が、裁判官に対して一定の緊張感や抑制に働き、判断が慎重になったり理由づけが丁寧になったりするという意味で、裁判の公平さを担保する機能を持っているのではないかと考えます。
しかし、先ほどの御答弁にもあったとおり、個別の報酬の合理性は裁判官の独立の観点から調査できず、また、上級審による審査も受けないということです。そうすると、不服のある方の不満だけが蓄積され、家庭裁判所に対する不信感にもつながりかねないと懸念します。
また、報酬額が余りにも不合理であると考えるのであれば、補助人側からの不服申立てについても認められてもいいのではないかと思います。もちろん不合理な不服申立てまで認めるべきではないと思いますし、そのような場合は上級審で退けられることもできるでしょう。場合によっては、改正法で追加された、本人の利益のために特に必要があるときという解任事由によって対応することも可能ではないかと思います。
ですから、裁判官の不当な報酬決定を防ぎ、家庭裁判所に対する信頼を確保するためにも、双方に一定の不服申立てを認めることについて今後も検討していただければと思います。よろしくお願いいたします。
今紹介したような特別高額な事例だけではなくて、一般的な後見人の方の報酬についても負担が重い、高額ではないかという声をたくさん聞いております。
親族以外の成年後見人の報酬については、各地の裁判所が公表している成年後見人等の報酬額の目安によれば、管理財産額に応じて、一千万円未満であれば月二万円、一千万から五千万円未満であれば月三万から四万円、五千万円以上の方は月五、六万円と、基本報酬の目安とされております。さらに、これに特別な業務があった場合は付加報酬も加算されるということです。
この基本報酬については、弁護士の方や司法書士の専門の方々が行う後見事務の手間を考えると決して高い報酬ではないのかなということも承知しております。しかしながら、御本人の家族から見れば、二十四万円から七十万円以上のお金が継続的に毎年毎年、もしかしてその付加報酬もつけば更にそれ以上というものが減っていく。それをお聞きしましたら、今回の改正法によって、親族以外の補助人の報酬について、不透明である、負担が重いといった問題は改善されるのでしょうか。今回の法律に関しては改善されるのでしょうか。最高裁の御見解をお伺いします。
157馬馬渡直史最高裁判所事務総局家庭局長
お答えいたします。
お尋ねは、改正法案が成立、施行された後の裁判所の運用に関わるものでございまして、現時点で確たるお答えをすることは困難でございますが、その上で、一般論として申し上げれば、今般の改正法案におきまして、本人の具体的なニーズや課題に対応するための必要十分な権限が付与され、補助人等はその範囲で事務遂行を行うことが基本的に想定されているものと承知しております。
報酬算定の在り方は個別の事案に基づく裁判官の判断ではありますが、そのような改正法の趣旨や内容を踏まえますと、補助人等に対する報酬の在り方につきましても、包括代理権を有する現行法下の後見…
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158鈴鈴木美香(参政)
ありがとうございます。
集計結果についてということを私も拝見しましたけれども、しかし、そこに記載されているのは、本人の流動資産額とか、後見人等が親族か否か、専門職であるか、後見、保佐、補助の違い、付加報酬の有無といった要素であり、例えば、具体的にどのような事務を行ったのか、どのような必要性があってその業務を生じたのかといった事情までは示されておりません。
そうしますと、結局この個別事情が分からない以上、本人や家族にとって報酬額の予想可能性が十分確保されているとは言い難いと思います。そして、基本報酬が毎年定額発生し、年間数十万円の負担が継続して続いてい…
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159馬馬渡直史最高裁判所事務総局家庭局長
まず、最高裁におきまして公表している成年後見関係事件の概況におきまして、令和七年一月から十二月の一年間に後見等開始と同時に選任された成年後見人等のうち、本人の親族が選任された割合は約一六・四%となっております。
この中には、委員御指摘のとおり、親族と専門職とが後見人等として複数選任されている事案も含まれているものと承知しておりますが、その内訳につきましては、統計として取得しておらず、把握しておりません。
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