松井信憲法務省民事局長

2026年5月19日・第221回国会 衆議院 法務委員会 第10号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 50 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 63 発言)

お答え申し上げます。

先ほど申し上げたとおり、遺言制度については、近年のデジタル技術の進展、普及、手書きの機会の減少という社会状況に対応する必要があるなどの指摘がされており、民法等改正法案による遺言制度の見直しは、これらの指摘に応え、制度をより利用しやすくするものでございます。

遺言は、相続人全員による遺産分割協議を経ることなく、祭祀に関する権利の承継も含め、遺産に関する相続人等の権利義務関係を早期に確定させるものであり、遺言により不動産を承継したことは、相続人にとって相続登記を行うインセンティブになると考えられます。

これに加え、本改正法案により導入することとしている保管証書遺言による場合には、法務局において遺言書が保管され、遺言者が死亡した場合には遺言者があらかじめ指定した者に、また、相続人等の一人が遺言書情報証明書の交付請求等をした場合には他の相続人等にそれぞれ通知がされることなどから、相続人等が遺言書の存在を確実に知ることができ、また、遺言書の改ざん等のリスクが低く、相続人間の紛争の予防にも資することとなるメリットがございます。

こうしたことから、本改正法案による遺言制度の見直しは、遺言に対する信頼を確保しつつ、国民にとってより利用しやすい制度とするものであるとともに、委員御指摘の所有者不明土地問題や空き家問題の解決にも資するものと認識をしております。

さらに、祭祀財産の承継について御言及がございました。

仏壇や墳墓の所有権等の祭祀に関する権利は祭祀を主宰すべき者が承継するところ、祭祀を主宰すべき者は、第一に、被相続人の指定により、第二に、その指定がない場合には慣習に従って、第三に、慣習が明らかでないときは家庭裁判所の審判により定まるとされており、遺言により指定することができます。

本改正法案によって遺言制度がより国民にとって利用しやすいものとなることによって、祭祀を主宰すべき者を指定する遺言もより活用しやすくなるものと考えております。

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