お答えいたします。
まず、時系列的に御説明いたしますと、平成十九年の刑法改正以前は、自動車運転による過失致死傷罪については、先ほどの、法定刑が五年以下の懲役、禁錮、百万円以下の罰金である業務上過失致死傷罪が適用されていたところでございます。
しかしながら、自動車運転による死傷事故として、危険運転致死傷罪には該当しないものの、飲酒運転中などの悪質かつ危険な運転行為によるもの、あるいは多数の死傷者が出るなどの重大な結果が生じるものが少なからず発生しており、そのような死傷事故に対し罰則の強化を求める意見が見られるようになったこと、加えて、自動車運転による業務上過失致死傷罪について法定刑や処断刑の上限近くで量刑がなされる事案が増加し、事案の実態に即した適正な科刑の実現を可能とする必要があったことなどから、平成十九年の刑法改正において、自動車運転による過失致死傷事犯を対象として自動車運転過失致死傷罪を新設し、法定刑を業務上過失致死傷罪よりも重い七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金とすることとされたものでございます。
その後、自動車運転過失致死傷罪の規定は刑法から平成二十五年に制定された自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律に移されまして、罪名も過失運転致死傷罪に変更されたということでございます。
161
和田政宗(参政)
答弁にありますように、五年と三年が足されるわけじゃないんですね。
業務上過失致死傷罪の五年というものが最高刑になるわけでありますけれども、例えば、小型船舶では、乗客が船長や運航管理者に身を預ける形で乗船をいたします。いざ転覆や沈没をしてしまいますと即座に命の危険につながり、北海道知床の小型観光船沈没事故では二十六人の乗員乗客が死亡、行方不明となっておりますけれども、最高刑は五年の拘禁刑となります。
そこで、お聞きをいたしますけれども、自動車運転における過失運転致死傷罪はどのような罪で、その法定刑はどうなっているでしょうか。
この発言のページ
162佐佐藤淳法務省刑事局長
お答えいたします。
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律の第五条に規定する過失運転致死傷罪は、自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合に成立するものでございまして、その法定刑は七年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金とされているところでございます。
この発言のページ
163
和田政宗(参政)
七年以下なんですね。
では、お聞きをいたしますけれども、この過失運転致死傷罪、創設当時は自動車運転過失致死傷罪でしたけれども、これはなぜ創設されたんでしょうか。
この発言のページ
- (上の発言)
164佐佐藤淳法務省刑事局長
お答えいたします。
まず、時系列的に御説明いたしますと、平成十九年の刑法改正以前は、自動車運転による過失致死傷罪については、先ほどの、法定刑が五年以下の懲役、禁錮、百万円以下の罰金である業務上過失致死傷罪が適用されていたところでございます。
しかしながら、自動車運転による死傷事故として、危険運転致死傷罪には該当しないものの、飲酒運転中などの悪質かつ危険な運転行為によるもの、あるいは多数の死傷者が出るなどの重大な結果が生じるものが少なからず発生しており、そのような死傷事故に対し罰則の強化を求める意見が見られるようになったこと、加えて、自動車運転による業務上過失致死傷罪について法定刑や処断刑の上限近くで量刑がなされる事案が増加し、事案の実態に即した適正な科刑の実現を可能とする必要があったことなどから、平成十九年の刑法改正において、自動車運転による過失致死傷事犯を対象として自動車運転過失致死傷罪を新設し、法定刑を業務上過失致死傷罪よりも重い七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金とすることとされたものでございます。
その後、自動車運転過失致死傷罪の規定は刑法から平成二十五年に制定された自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律に移されまして、罪名も過失運転致死傷罪に変更されたということでございます。
165
和田政宗(参政)
更にお聞きをしますけれども、この過失運転致死傷罪より最高刑が重い危険運転致死傷罪は、これはなぜ創設されたんでしょうか。
この発言のページ
166佐佐藤淳法務省刑事局長
お答えいたします。
危険運転致死傷罪は平成十三年の刑法改正により創設されたものでございますけれども、それ以前は、飲酒運転や著しい高速度運転などの悪質かつ危険な自動車の運転行為による死傷事犯につきましても、不注意な運転行為によるものとして業務上過失致死傷罪により処罰されていたところでございます。
しかしながら、この罪は、これらの事犯の悪質性や重大性に的確に対応するものではなく、被害者やその御遺族を始め広く国民の間にも、過失犯として処罰されることに対する疑問の声、あるいは刑が軽過ぎるなどとして罰則の整備を求める声が高まったことから、故意に悪質かつ危険な運…
この発言のページ
167
和田政宗(参政)
この答弁にありますように、自動車運転においては、事故を起こしたときの重大な結果に鑑みて、刑罰の新たな整備ですとか、最高刑が引き上げられているんですよね。
先ほど小型船舶の例を出しましたけれども、ほかにも乗客等が運転者や運航管理者に身を預ける状態のものがあり、事故が起きると即座に命の危険につながるものがあります。それを業務上過失致死傷罪で一くくりにしておいてよいのかという問題提起をしたいというふうに思います。身を預けて例えば船に乗ったところ、運転者や運航管理者が必要な注意義務を果たさずに乗客を死亡させたというときでも、最高刑は五年なのですね。
辺野古の…
この発言のページ