佐野雅宏健康保険組合連合会顧問

2026年4月21日・第221回国会 衆議院 厚生労働委員会 第5号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 11 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 104 発言)

ただいま御紹介をいただきました、健康保険組合連合会の佐野でございます。

本日は、このような場を与えていただきまして、誠にありがとうございます。

私は、保険者の立場として、今回の法案に関しての意見を述べさせていただきたいと思います。

お手元のパワーポイントの資料に従ってお話をいたします。

おめくりいただきまして、まず、今回の法律案に対する健保連の基本的な考え方、一ページでございます。

まず、その前に、健保組合の概況でございますけれども、賃上げ等々の効果がございまして保険料収入は増えておりますけれども、やはり赤字の基調は変わっておりません。依然として、全健保組合約千四百のうち、七割を超える組合が赤字となっております。この中において、やはり高齢者拠出金の負担が重くて、今後も、医療費の増加、また現役世代の減少によって、これまで以上に負担が増加するということが見込まれております。

そういった中で、私どもとしては、まさに持続可能な医療保険制度の実現に向けて、現役世代の保険料負担の軽減、これが不可欠だというふうに考えております。

そういった中で、今までも申し上げておりますが、給付と負担のアンバランスの解消、負担能力に応じた負担、負担の公平性の確保、また、保険給付の適正化、重点化、この観点から見て、今回の法律案はまさにこの考え方に沿ったものと考えておりますので、評価をしております。

具体的に、法案につきまして、二点コメントをしたいと思います。

まず一点目は、二ページでございます。

今回、書かれております、一部保険外療養の創設でございます。これにつきましても、やはり、医療費の増大が大変厳しい中で、将来にわたって医療保険制度を維持するためには、保険給付範囲を見直すべきだというのが基本的な考え方でございます。

そういった中で、今回、OTC医薬品で対応している患者との公平性の確保、また、現役世代を中心とする保険料負担の上昇の抑制、この観点から、一部保険外療養の創設には賛同いたしますけれども、次の点を要望したいと思います。

まず一点は、円滑な導入に向けてということでございまして、やはり、負担の公平性にも留意して、配慮が必要な患者の方の範囲を適切に設定をいただきたいということ、それから、国民、患者、またお医者さん、薬剤師の理解を得るためにも、周知広報を徹底、お願いしたいという点でございます。

それからもう一点は、今般の創設は賛同いたしますけれども、今後の見直しに向けて、やはり、保険料負担への変化、影響とか受診状況の変化について実態を検証いただきたいということ、それから、更なる保険給付の効率化、重点化についても対応を御検討いただきたいというのが私どもの要望でございます。

次に、三ページをお開きいただきまして、もう一点、出産の標準的な費用に係る給付体系の見直しでございます。

本件につきましては、私自身もこの検討会に参加をさせていただきまして、多くの関係者の御意見を聞かせていただきました。そういった中で、私ども健保連としての考え方を上に三点書いております。

まず一点は、やはり現行の出産育児一時金による支援方法では限界がある、そういう中で、出産費用の見える化、透明性、公平性の担保、さらに、適切な保険適用範囲の設定、これが必要だというふうに考えております。

また、昨今大変課題になっております周産期医療体制の整備についても、重要性は大変認識をしておりますけれども、これについては、出産費用の保険適用ということとは切り離して、別途解決策を考えるべきであるというふうに考えております。

そういった中で、全体としては、やはり現役世代の保険料負担、これについての納得感を得ることも極めて重要であるというふうに考えております。

そういった中で、今回法案が出ていますところの妊婦の経済的負担の軽減に向けて、もちろん新たな給付体系の導入には賛成でございますけれども、次の点を四点要望したいと思います。

先ほど述べた部分にも関連しますけれども、まず一点目は、やはり、この制度の導入に当たっては、妊婦の方の経済的負担の軽減等々、また、サービスを選択できるための環境づくりが極めて重要でありますので、そのためにも、前提となるサービス内容と費用の見える化、またこれに基づく標準化を確実に実施をいただきたいというふうに考えております。

また、さっきも申し上げましたけれども、分娩施設の体制維持、確保、また、産科医の先生方の確保、地域偏在の解消等々、周産期医療体制の整備は、これはやはり何といっても国のインフラ整備に関わる問題でございますので、出産の新たな給付体系の導入とは切り離して、公費による支援を含めて別途解決策を検討いただきたいと思います。

また、三点目でございます。新たな給付体系の導入は、やはり妊産婦の方の選択に不利益ですとか不公平が生ずることのないように、また保険者にとっても過度な事務負担が生ずることのないよう、移行期間、これはあくまでも時限的なものとして期限を区切っていただいて、できる限り速やかに新制度の方に移行をお願いしたいと思います。

最後、四点目でございますけれども、やはり分娩費、出産時一時金等の金額設定に当たっては、医療保険の財政、また保険料負担への影響についても十分に考慮をいただければというふうに思っております。

以上、法案に関する二点でございますが、せっかく今日はこういう意見陳述の場をいただきましたので、健保連として制度見直しを要望しているところについて若干御説明をしたいと思います。

次の四ページでございます。

参考として、今後の制度改革に向けた健保組合、健保連の主張というふうに書いておりますけれども、上に二点入れております。やはり、持続可能な医療保険制度の実現に向けて、年齢にかかわらず負担能力に応じた負担、これを目指して、以下の見直しをすべきだと考えております。

一点目は、高齢者の方の自己負担割合の見直し、年齢区分の見直しでございます。また、二点目は、後期高齢者の現役並み所得の方の給付費に対する公費投入でございます。

具体的には、下に絵を入れておりますけれども、高齢者の自己負担割合については、今、一割、二割、三割というふうになっているわけですけれども、可能な限り負担能力のある方には負担をいただくという観点から、年齢区分を引き上げ、また負担割合についても引上げをお願いしたいというふうに思っておりまして、将来的には、高齢者の方についてもやはり自己負担割合については三割を目指すべきだというのが私どもの考え方でございます。

また、下の方については、先ほどの二点目の方でございますけれども、現在、後期高齢者の方については、一割、二割の負担の方については公費が五〇%入っておりますけれども、現役並み所得の方は、自己負担は三割なんですが、給付の方には公費が入っておりません。直近のところでは、本来公費が入るべきだと考えている我々の部分が五千八百億円という大変大きな金額になっていまして、これが現役世代の過重な負担につながっているというふうに考えておりますので、この二点につきまして、是非とも早期に御検討をお願いしたいと思っております。

ちなみに、この二点につきましては、次の五ページでございますけれども、昨年厚労省の方でおまとめいただきました、社会保障審議会医療保険部会の中でも、年末の議論の整理の中でこの項目は取り上げていただいております。

アンダーラインを引いておりますけれども、この二点についても、令和八年度中に具体的な制度設計を行って、順次実行するということで書いていただいておりますので、是非ともこういった点の実施に向けても引き続きの御検討をお願いできればというふうに思っております。

以上をもちまして私からの説明を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)

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