村瀬佳史資源エネルギー庁長官

2026年6月19日・第221回国会 衆議院 経済産業委員会 第15号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 107 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 216 発言)

お答え申し上げます。

先日も大臣から御回答申し上げたとおり、東日本大震災以降、安定供給の確保、それから電気料金の最大限の抑制、需要家の選択肢の拡大などを大きな目標として、小売の自由化ですとか発送電分離といった電力システム改革を実施してきたところです。

こうした改革を通じて、二〇一五年には電力広域的運営推進機関というものが設立をされ、エリアを越えて広域で融通することによって安定供給の確保がより盤石にできたといったような面、それから、電力料金のメニューが多様化するということで、御家庭それから事業者の、需要家の選択肢が拡大したという点、それから、送配電部門が中立性、透明性が向上したことによって、そうした中で事業者間の災害時における連携などが高められてきたといったような効果はあったというふうに思っております。

また、電力システム改革が進展する中で大規模な事業再編も進んだわけでございまして、こうしたことで、エリアごとに分断されていた発電部門の調達というものがエリアを超えて統合されまして、より大きな調達力、購買力、いわゆるバーゲニングパワーを使って産油国などとの交渉を有利に運び、より効果的なエネルギー調達ができるようになり、こうしたことは、安定供給の確保それから資源の調達力の強化といった観点から大きな意義があったというように考えてございます。

一方、世界的な脱炭素化や、GX、DX、さらにはAXという急速な進展などがありまして、例えば、AIの導入に伴いまして、データセンターでギガワット級、つまり原子力一基分の電力を必要とするようなデータセンターの事業者が現れるといったようなことは、必ずしもシステム改革を検討した初期には想定されていなかったように感じております。

また、そうした電力需要の増加に対応するための電源それから送配電の整備に当たっては、必要な投資額も巨額なものに増大をしてございます。大規模な設備では数兆円規模の投資が必要となるケースも実際に出てきているところでございます。例えば、現在検討中の北海道―本州間の海底直流送電についても一・五兆円から一・八兆円ということで、これは二〇二四年時点での見積りですけれども、その時点でもこれだけの額が必要と見積もられておりますし、世界的に、発電の建設も、日本円でいえば兆円オーダーの投資が必要になってきているわけでございます。

こうした大規模化する送電線や電源の投資、これを促進していかなければいけない、大臣が先ほどおっしゃったように生命線だということで、しっかりこれを確保する上で、本法案では財政投融資を活用した貸付制度の創設を盛り込むなど、必要な電力インフラの投資に向けて国も一歩前に踏み込んだ対応を行うこととさせていただいているところでございます。

電力システム改革のメリットである需要家や事業者の選択や競争を通じた創意工夫を最大限生かしながらも、安定供給、それから脱炭素を進めていく、そうしたことは国も一歩前に出てしっかりとした成果を上げなければいけないということで、本法案に盛り込んだものも含めて、電力システム改革を次のフェーズに進めていきたいと考えてございます。

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