山内弘隆一橋大学名誉教授

2026年6月12日・第221回国会 衆議院 経済産業委員会 第13号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 46 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 189 発言)

地産地消型の、地域分散型の電力システムの方が効率的ではないかというふうにお聞きになったというふうに理解しておりますけれども、これは確かに、例えば人口が減っていく中でなぜ大きな発電所が要るのかとか、いろいろな見方があるというふうに思っています。ただ、基本的に、電力のシステムというのは、ネットワークがあって供給されないとですが、いろいろな不具合が起きる。

例えば、去年ドイツのある村に行きまして、そこは再生可能エネルギーだけでその村の電気を供給しているところですけれども、これは世界的に有名なところですけれどもね。でも、それで何かあったときのためにそこには何があるかというと、ネットワークがつながっている。必ずそうなんですね。しかも、再生可能エネルギーですから結構高いんですけれどもね。要するに、値段を下げるとか、アベーラビリティーとか、安定供給というと、必ずネットワークが必要になります。

まあ、そうはいうものの、おっしゃるように、例えば、データセンターができるところに電源を造ればいいじゃないかということがありますけれども、さっき申し上げたGXの戦略地域の中にこういう提案があったんですね、原子力発電所の脇にデータセンターを造ればいいじゃないか、こういう話です。それはそれで結構なんですけれども、地域の分散型の電気がぽつぽつぽつぽつ出てくるのはそれはそれでもいいんですけれども、ああいった大きな電気を使う施設と電源が一緒になってしまうと、ネットワークの維持がなかなか難しくなる。

これは冗談ではなくて、ネットワークというのは全体で支えるのであれだけの、あれだけでもそれは高いと言われるとあれですけれども、白銀さんに怒られちゃうけれども、ネットワークの送電コストというのは、それが維持できているわけですよね。そこに、でっかい工場ができて電気をいっぱい使うのでネットワークにはもう通しませんということになると、ネットワーク自体が駄目になるんですね。これはなかなか、今の電力システムでは難しいことだというふうに思っています。

これもいい例かどうか分かりませんけれども、ガスなんかだともうちょっとネットワークは小さいので、ガスで、大きな工場があって、ガス事業者さんではなくて別の事業者さんがガスを持ってきて、工場に直接そのガスを提供した方が効率的じゃないか、こういう話がある。それをやると、ガスのネットワークの全体のガス量も減るんですよね。そうすると、ガスを使っている人のコストが上がる、そういう仕組みになって、これは二重導管問題と言うんですけれども。

そういう形で、ネットワーク全体を使いながらというのが大前提であると私は思っていまして、その中で、地域のものとか、これは安全保障上もといいますか、地域の災害的にも地域分散というのは必要かなというふうに思っていますけれども、そういう組合せではないかなというふうに思っています。

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