国民民主党・新緑風会の原田秀一です。本委員会で初めての質疑となります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
まず初めに、大分市佐賀関の大規模火災で亡くなられた方々へ心よりお悔やみを申し上げます。
それでは、質疑に入ります。
私は、日本の防災体制の最大の問題点は、市町村を基本単位とした戦後の制度が今なお続いていることだと考えます。ゆえに、大規模災害が発生した瞬間に決定的な人手不足に陥る構造になっています。
現在の災害対策基本法では、災害の応急救助の実施主体は市町村と規定されています。消防機能も市町村各自が保有しています。都道府県はその後方支援や調整が役割とされています。ただし、大規模災害が発生し、災害救助法が適用されると、都道府県が実施主体となり、市町村は都道府県の補助に回ります。
大規模な広範囲な災害が起きたとき、市町村ではなく都道府県が業務を担うのは、理屈としては理解できます。しかし、現行の防災対策で市町村から都道府県へ実施主体の転換は果たして機能するでしょうか。都道府県は、自治体間の調整、自衛隊派遣要請、広域応援を担当しますが、消防など実動部隊を持たず、現場能力が弱いと指摘されていて、統合指揮や広域調整が机上の調整になりがちです。
実際に、能登半島地震の報告書にはこのように書かれています。石川県による主体的な調整の不足、災害対応業務や市町支援業務への人的支援の不足が発生、救助の主体が石川県になり、被災者支援を単独市町で実施できない状況において、石川県の対応、支援だけではリソースが不足。要するに、通常の災害救助を行わない都道府県が、大規模災害だからといっていきなり救助の責任主体となることの難しさが浮き彫りになっています。
他方、市町村が大規模災害に対応するのも困難です。南海トラフ地震や首都圏直下型地震など巨大地震が予想される地域を、国は防災対策推進地域や緊急対策区域と指定しています。こうした危険地域における千百三十市町村を調べたところ、防災の専任職員を置いていない市町村は二割を超えていました。一名のみの市町村も相当数に上ると聞きます。情報分析、土砂災害判定、避難所運営や避難勧告判断など、数人で担うケースが大多数です。つまり、自治体に任せているが自治体にはリソースがいない、そういう構造になっています。
この問題は最近明らかになったものではありません。防災業務に携わる専門の職員を配置するなど、組織体制の充実を図ることが重要である、これは今から二十二年前の二〇〇三年に出された中央防災会議防災に関する人材の育成・活用専門調査会の報告書での指摘です。
この間も、東日本大震災、熊本地震、そして能登半島地震といった大きな災害も含め、日本は何度も災害に見舞われてきました。しかし、いまだに市町村の防災の専門職員は足りていない。これは国のリーダーシップで解決すべき問題ではないでしょうか。
また、災害対応で大きな役割を果たす消防職員の実態はどうでしょうか。令和四年度消防施設整備計画実態調査によれば、全市町村で必要とされるのは二十一万人ですが、実際の職員数は十六万七千人、充足率は七九・五%です。地方では六〇%台の市町村が多いと聞きます。
自治会もまた危機に陥っています。地域で消防や防災の核となる消防団員の数は、最盛期の約百八十三万人から去年は約七十五万人と、最盛期の四割にまで減少しています。このような状況からも、市町村だけで防災対応を担い続けるのは不可能です。
それでは、どうすればいいでしょうか。私は三つの改善策を提案いたします。第一に、市町村の人員不足を補完するため都道府県の防災組織を強化する。第二に、巨大災害など都道府県でも対応できない事態に備え、防災庁が実動組織を持つ。第三に、行政以外の対応、具体的には災害NPO組織を拡大させるために財政支援を行うです。
まず、第一の都道府県の防災組織の強化についてです。
大規模災害の激甚化、頻発化により大規模な災害が日常的に起こるようになった現状を考えれば、救助主体が都道府県になるのはめったにないことではなく、頻繁に起こることと捉え直すべきです。そして、能登半島地震で分かったように、県の対応、支援だけではリソースが不足する事態を避けるため、都道府県が自前で現場部隊を持つべきと考えます。
そこで、防災大臣にお聞きします。市町村の防災体制の現状についてどうお考えでしょうか、また、今後どう対応されるおつもりでしょうか、お答えください。
次に、都道府県が直接災害現場に出動できる都道府県版テックフォースのような現場部隊や、罹災証明の発行など災害時に滞りがちな事務に対する即応部隊を創設する必要があると考えますが、大臣のお考えをお聞かせください。
61山山内佳菜子(立憲)
人材育成には時間が掛かりますので、早急に御判断をいただき、早急に御準備を進めていただきたい、そのことを強く求めます。
最後に、お伺いいたします。改めまして、防災庁、意思決定権限、予算がなければ機動性は担保できません。改めまして大臣に、司令塔機能をどう定義し、どこまで権限を持たせるのか、お伺いをいたします。
この発言のページ
62
牧野たかお(自民)復興大臣
我々が今設置を目指しています防災庁は、先ほども申し上げましたけれども、現の内閣府防災、二百二十人という体制ですけれども、これを相当数、数を増やして、そして部門を増やして、特に事前防災に力を入れて、そしてまた各都道府県、四十七都道府県には必ず一人の専門の担当者を置いて、そしてまた本庁をつくった後には各、まあ幾つとは今申し上げられませんけれども、地域拠点をつくって、その地域の市町村と本当に緊密な連携をしながら地域の防災力を底上げしていくというのが防災庁の、これからつくろうとしている防災庁の姿でありますので、それに向かって取り組んでいきたいと思っています。
この発言のページ
63山山内佳菜子(立憲)
スピーディーな対応を求めまして、私からの質問を終わります。ありがとうございました。
この発言のページ
- (上の発言)
64原原田秀一(国民)
国民民主党・新緑風会の原田秀一です。本委員会で初めての質疑となります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
まず初めに、大分市佐賀関の大規模火災で亡くなられた方々へ心よりお悔やみを申し上げます。
それでは、質疑に入ります。
私は、日本の防災体制の最大の問題点は、市町村を基本単位とした戦後の制度が今なお続いていることだと考えます。ゆえに、大規模災害が発生した瞬間に決定的な人手不足に陥る構造になっています。
現在の災害対策基本法では、災害の応急救助の実施主体は市町村と規定されています。消防機能も市町村各自が保有しています。都道府県はその後方支援や調整が役割とされています。ただし、大規模災害が発生し、災害救助法が適用されると、都道府県が実施主体となり、市町村は都道府県の補助に回ります。
大規模な広範囲な災害が起きたとき、市町村ではなく都道府県が業務を担うのは、理屈としては理解できます。しかし、現行の防災対策で市町村から都道府県へ実施主体の転換は果たして機能するでしょうか。都道府県は、自治体間の調整、自衛隊派遣要請、広域応援を担当しますが、消防など実動部隊を持たず、現場能力が弱いと指摘されていて、統合指揮や広域調整が机上の調整になりがちです。
実際に、能登半島地震の報告書にはこのように書かれています。石川県による主体的な調整の不足、災害対応業務や市町支援業務への人的支援の不足が発生、救助の主体が石川県になり、被災者支援を単独市町で実施できない状況において、石川県の対応、支援だけではリソースが不足。要するに、通常の災害救助を行わない都道府県が、大規模災害だからといっていきなり救助の責任主体となることの難しさが浮き彫りになっています。
他方、市町村が大規模災害に対応するのも困難です。南海トラフ地震や首都圏直下型地震など巨大地震が予想される地域を、国は防災対策推進地域や緊急対策区域と指定しています。こうした危険地域における千百三十市町村を調べたところ、防災の専任職員を置いていない市町村は二割を超えていました。一名のみの市町村も相当数に上ると聞きます。情報分析、土砂災害判定、避難所運営や避難勧告判断など、数人で担うケースが大多数です。つまり、自治体に任せているが自治体にはリソースがいない、そういう構造になっています。
この問題は最近明らかになったものではありません。防災業務に携わる専門の職員を配置するなど、組織体制の充実を図ることが重要である、これは今から二十二年前の二〇〇三年に出された中央防災会議防災に関する人材の育成・活用専門調査会の報告書での指摘です。
この間も、東日本大震災、熊本地震、そして能登半島地震といった大きな災害も含め、日本は何度も災害に見舞われてきました。しかし、いまだに市町村の防災の専門職員は足りていない。これは国のリーダーシップで解決すべき問題ではないでしょうか。
また、災害対応で大きな役割を果たす消防職員の実態はどうでしょうか。令和四年度消防施設整備計画実態調査によれば、全市町村で必要とされるのは二十一万人ですが、実際の職員数は十六万七千人、充足率は七九・五%です。地方では六〇%台の市町村が多いと聞きます。
自治会もまた危機に陥っています。地域で消防や防災の核となる消防団員の数は、最盛期の約百八十三万人から去年は約七十五万人と、最盛期の四割にまで減少しています。このような状況からも、市町村だけで防災対応を担い続けるのは不可能です。
それでは、どうすればいいでしょうか。私は三つの改善策を提案いたします。第一に、市町村の人員不足を補完するため都道府県の防災組織を強化する。第二に、巨大災害など都道府県でも対応できない事態に備え、防災庁が実動組織を持つ。第三に、行政以外の対応、具体的には災害NPO組織を拡大させるために財政支援を行うです。
まず、第一の都道府県の防災組織の強化についてです。
大規模災害の激甚化、頻発化により大規模な災害が日常的に起こるようになった現状を考えれば、救助主体が都道府県になるのはめったにないことではなく、頻繁に起こることと捉え直すべきです。そして、能登半島地震で分かったように、県の対応、支援だけではリソースが不足する事態を避けるため、都道府県が自前で現場部隊を持つべきと考えます。
そこで、防災大臣にお聞きします。市町村の防災体制の現状についてどうお考えでしょうか、また、今後どう対応されるおつもりでしょうか、お答えください。
次に、都道府県が直接災害現場に出動できる都道府県版テックフォースのような現場部隊や、罹災証明の発行など災害時に滞りがちな事務に対する即応部隊を創設する必要があると考えますが、大臣のお考えをお聞かせください。
65
あかま二郎(自民)国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災・海洋政策)
今、原田委員の方から二問併せて御質問があったという御理解でよろしいでしょうか。
まず、一点目でございます。
いわゆる市町村における防災専任職員、またその防災に携わる人員の不足ということの認識ということで理解いたしましたけれども、まず基礎自治体、まさに最前線で対応に当たる、そうした立場にある防災体制というものを担うわけですから、とても重要であること、内閣府において、そういった方々、そうした現場にあって、いわゆる地方自治体において災害対応を担う職員向けのいわゆる防災スペシャリスト養成研修、これを平成二十五年から実施をしております。そのことを通じながら、い…
この発言のページ
66原原田秀一(国民)
御回答ありがとうございます。
関連して、総務省に御質問です。
先ほど、地方の消防職員が足りていないという現状を紹介させていただきました。大規模災害の激甚化、頻発化に対応するために、市町村を補完するための消防部隊を都道府県にも保有する必要があると考えますが、お考えをお聞かせください。
この発言のページ
67鳥鳥井陽一消防庁審議官
お答え申し上げます。
消防の広域化が必要だという御指摘かと思います。
消防の広域化につきましては、消防本部の規模の拡大とか人員の効率化等によって、現場への手厚い人員配置とか現場到着時間の短縮といった効果が期待されます。
昨今、人口減少進行ですとか大規模災害が激甚化、頻発化という現状を踏まえますと、一層のやはり消防力の充実強化が必要でございまして、特に小規模な消防本部において、出動態勢、保有する消防用車両など、消防の体制として必ずしも十分でないという場合もございますことから、消防の広域化、連携協力を推進していく必要はあると考えております。
このため…
この発言のページ