小林孝一郎 (自由民主党)

2025年11月20日・第219回国会 参議院 財政金融委員会 第2号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 10 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 182 発言)

御答弁ありがとうございました。

是非、価格転嫁ができるような環境整備を進めていただけたらと思いますので、よろしくお願いをいたします。

それでは、次に移らせていただきます。

私は、地方の勤務医として血液・腫瘍内科で働き、白血病や悪性リンパ腫といった重い疾患に向き合ってきました。政治を志した原点は、十七歳の少年との出会いにあります。

移植後の合併症により一か月、二か月と集中治療室での治療が続く中、親御さんから、もう治療費を払い続けられない、治療をやめてほしいと告げられました。高額療養費制度が事後申請だけの仕組みであったとき、一時的とはいえ、支払うことの負担が大きかったのだと思います。自分の子供の治療を金銭的理由によって諦めなければならないという現実に、私はただただ茫然と立ち尽くしました。どんなに苦しい言葉を親御さんは私に伝えなければならなかったのか、本当に自分の無力さにさいなまれました。医療技術だけでは救えない命があると思い知らされた瞬間でした。治療を中断することはありませんでしたが、少年を救うことはかないませんでした。

制度を変えなければ、今の制度では救えない命がある。現場の医療者が制度の壁による無力感を感じ、そして経済的な理由で患者や家族が治療を諦めなければならないというようなことがあってはならない。絶対に守らなければならない、譲ることのできない最後のとりでとなるセーフティーネットが必要であります。

私は、政治の道を歩むことを決意し、今この場に立っています。決して医療界の意見だけを述べるつもりはありませんが、経済状況によって治療や命を諦める国にしてはいけません。医師として、医療現場に立ち、感じた思いを伝えていくことが私の使命、責任であると思っています。

質問を続けさせていただきます。医療、介護の未来像についてです。

高市総理は所信表明で、経営難が深刻化する医療機関や介護施設への支援は待ったなしと明言されました。診療報酬や介護報酬に賃上げや物価高騰を迅速に反映させ、改定を待たずに経営改善や従業者の処遇改善につながる補助金を措置するとのことです。私自身、医師として二十年以上現場に立ち、県議として地域医療に携わり、さらに四人の子供を育てる親としても、この言葉に胸が熱くなりました。医療や介護の現場が崩れれば、地域、患者、家族、そして子供たちの未来の安心も失われる、そんな危機感を日々感じていたからです。

実際、私が勤務してきた病院などでも、電気代や医療材料費が跳ね上がっています。給与改善の必要性を感じても、収支が伴わなければ踏み出せない、赤字に苦しむ病院や診療所からの声が私の元には数多く届いています。国民の命と健康を守ることは重要な安全保障です。地域の医療機関や介護事業者を守ることは国の基盤を守ることにほかなりません。

必要な支援を進める一方で、財源の使い方は国民の負担にも関わるため、慎重な検討が欠かせません。県議として地域医療構想の議論に携わった際、必要な医療を必要な場所に必要な量をという視点を大切にしてきました。人口が年々減少する中山間地域と都市部では求められる医療の形が異なります。その地域の特性を踏まえた財源の配分と計画こそがこれからの時代の医療のあるべき姿だと考えます。

そこで、お尋ねします。

医療・介護現場に対する足下の処遇改善、物価高騰への対応は早急に必要であります。あわせて、中長期的に見たときに、財政コストの観点だけでなく、その地域に合った必要な医療、介護を過不足なく受けられる財源及び地域の提供体制が必要と考えます。財政を預かる財務省は、国民の負担と安心を両立する医療、介護の未来像をどのように描いておられますでしょうか、お伺いいたします。

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