高市早苗 (自由民主党)内閣総理大臣

2025年11月4日・第219回国会 衆議院 本会議 第3号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 16 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 25 発言)

城井崇議員の御質問にお答えいたします。

社会保障に関する国民負担についてお尋ねがございました。

社会保障制度を持続可能なものにしていくため、全ての世代で能力に応じて負担し、支え合い、必要な社会保障サービスが必要な方に適切に提供される全世代型社会保障を構築することが重要です。

そのため、OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しや、電子カルテを含む医療機関の電子化を通じた効率的で質の高い医療の実現などについて、迅速に検討を進め、社会保障制度改革を進めていく中で、現役世代の保険料負担を抑えてまいります。

少子高齢化の進行などにより、社会保障給付費は今後も増加が見込まれますが、様々な改革を進めることを通じて、現役世代の保険料負担をできる限り抑制できるよう議論を進めてまいります。

租税特別措置や補助金の総点検についてお尋ねがありました。

今般の自民党、日本維新の会の連立合意において、租税特別措置及び高額補助金について総点検を行い、政策効果の低いものは廃止すると盛り込まれていますので、政府としても適正化を進めるよう関係大臣に指示をいたしました。

いずれにしましても、検討スケジュール、総点検の対象範囲を含めた検討方法、政府内の体制など、今後の具体的な対応については、与党ともよく連携しながら速やかに検討をしてまいります。

インテリジェンス政策の取りまとめと対外情報庁についてお尋ねがありました。

今般、自民党と日本維新の会との間で締結した連立政権合意書においては、国家情報局等の創設や対外情報庁の創設といった様々なインテリジェンス政策が盛り込まれました。政府としては、与党と緊密に連携し、情報機関の組織の在り方等について、お尋ねの事項も含め、早急に論点を整理し、検討を進めてまいります。

最低賃金を含む賃上げ方針についてお尋ねがございました。

この内閣が優先で取り組むことは、国民の皆様が直面している物価高への対応でございます。物価上昇を上回る賃上げが必要ですが、それを事業者に丸投げしてしまっては、事業者の経営が苦しくなるだけです。継続的に賃上げできる環境を整えることこそが、政府の役割です。

そのため、生産性向上支援や更なる取引適正化等を通じ、中小企業、小規模事業者の皆様を強力に後押ししてまいります。

本日設置した日本成長戦略本部において、賃上げ環境整備担当大臣に対し、物価上昇を上回る賃上げが継続する環境整備に向けた戦略策定を指示しました。

この戦略の中で、最低賃金を含むこれまでの政府決定への対応や、物価上昇を上回る賃上げ実現に向けた道筋を含めて、経済動向等を踏まえて、今後、具体的に検討してまいります。

賃上げのための公定価格の引上げ等についてお尋ねがありました。

国民の皆様が安心して必要なサービスを受けていただくために、医療、介護、保育、福祉等の公定価格の分野において、賃上げ、経営の安定、人材確保が図られるよう取り組むことが重要です。

このため、診療報酬等の公定価格について、賃上げや物価高を適切に反映させるとともに、報酬改定の時期を待たず、経営の改善や職員の方々の処遇改善につながる措置を行い、効果を前倒しいたします。

まずは、経済対策、補正予算に必要な施策を盛り込むべく、施策の具体化に取り組み、スピード感を持って対応していきます。

また、物価高から中小企業、小規模事業者を守り、持続的な賃上げを行えるよう、官公需も含めた取引適正化の徹底や、生産性向上支援、伴走支援の徹底など、企業の稼ぐ力の強化に向けた取組を強力に後押ししていきます。

介護、障害福祉分野の処遇改善や事業所支援についてお尋ねがありました。

御党提出の法案の取扱いは、国会で御判断いただくものと承知しております。

介護、障害福祉分野の処遇改善や事業者支援を早急に行えるよう、補助金の措置に向けて、経済対策、補正予算に盛り込むべき必要な施策の検討を指示したところでございます。施策の具体化を進めるなど、スピード感を持って対応してまいります。

保育士等の処遇改善についてお尋ねがございました。

令和六年度において、保育士等について一〇%を上回る処遇改善を行っており、その支払い状況や賃金の状況については、現場への実態調査や統計調査により確認することとしています。

御党の提出法案の取扱いは、これは国会で御判断いただくものと承知しておりますが、保育士等の処遇改善については、こども未来戦略などに基づき、民間給与動向を踏まえた更なる処遇改善に取り組んでまいります。

就職氷河期世代への支援についてお尋ねがございました。

今年六月に取りまとめた新たな就職氷河期世代等支援プログラムの基本的な枠組みにおいて、従来からの就労、処遇改善に向けた支援や社会参加に向けた段階的支援に加えて、新たに、家計改善、資産形成や住宅確保等の高齢期を見据えた支援を盛り込んでいます。

これに基づき、具体的な目標であるKPIを含む新たな支援プログラムを、今年度内を目途に取りまとめる予定としております。就職氷河期世代等への支援の強化に向けて、検討を進めてまいります。

社会保険料の事業主負担の軽減による安定雇用と生活の確保についてお尋ねがございました。

公費によって社会保険料の事業主負担を軽減すべきとの御提案につきましては、社会保険料が医療や年金の給付に充てられ、また、労働者を支えるための事業主の責任であることなどから、慎重な検討が必要だと考えています。

その上で、働く人の安定した雇用や生活を確保するため、正社員転換を行う事業主に対するキャリアアップ助成金による支援や、フリーランスの方などに対する求職者支援制度による支援などの施策に取り組んでまいります。

責任ある積極財政の財源、国債発行、税収増、増税の方針についてお尋ねがありました。

この内閣におきましては、強い経済を構築するため、責任ある積極財政の考え方の下、戦略的に財政出動を行います。

お尋ねの責任ある積極財政に係る財源、国債発行、税収増につきましては、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信頼を確保しつつ、経済あっての財政の基本的な考え方の下、今後、取組を進める中で具体化していくものと考えております。

来年度の安全保障関連経費につきましては、現在、令和八年度予算の編成作業中であります。予断を持ってお答えすることは差し控えますが、防衛力の抜本的強化に係る事業につきましては、現行の防衛力整備計画等に基づき編成していく方針です。

防衛力強化に係る財源確保のための税制措置につきましては、これまでの与党税制改正大綱等の趣旨も踏まえ、引き続き検討してまいります。

金融所得課税につきましては、税負担の公平性のほか、貯蓄から投資への流れを引き続き推進し、一般の投資家が投資しやすい環境を損なわないようにすること、これも重要でございます。こうした観点を総合的に検討する必要があると考えております。

基金についてお尋ねがございました。

基金については不断の見直しが必要と考えますが、いわゆる三年ルールの策定前に措置されたものも含め、基金ごとに、事業の性質や執行状況など、置かれた状況が異なっています。

そうした状況を踏まえて見直しを行ってまいりますが、見た目の残高を一律に積み過ぎと考えて政策の財源として活用することには課題があると考えております。

教員の処遇改善、働き方改革、業務削減を始めとする教職の魅力回復についてお尋ねがありました。

教師不足については、改善すべき課題であり、徹底した働き方改革の実施など、教職の魅力を高める取組を進めていく必要があると考えています。

先般成立した改正給特法等を踏まえ、業務の仕分を行った、学校と教師の業務の三分類を文部科学大臣が定める指針に位置づけており、教育委員会による学校の業務量管理を徹底してまいります。

学校部活動の地域展開については、各自治体の取組状況を把握しながら、円滑な移行に向けた国のガイドラインの見直しを進めてまいります。

給特法につきましては、様々な議論があることは承知しております。まずは、時間外在校等時間が月二十時間程度に達するまでに、幅広い観点から諸課題の整理を行ってまいります。

給食無償化についてお尋ねがありました。

いわゆる給食無償化については、これまでの政党間の御議論において、給食の質の向上や国と地方との関係などの論点について十分な検討を行うこととされています。

政府としては、今後の政党間の議論を踏まえ、制度設計の議論を進め、安定財源の確保と併せて、来年四月から小学校段階で実施してまいります。

公教育の強化、公立高校支援の充実についてお尋ねがありました。

公教育の強化は、我が国の未来を見据え、イノベーションを起こすことのできる人材の育成のために重要であると考えます。

高校教育については、老朽化対策に関し、引き続き都道府県において適切に取り組むとともに、政党間の議論を踏まえて、国として高校教育改革のグランドデザインを今年度中に提示し、各都道府県が策定する計画に基づく取組を支援する交付金等の仕組みの構築について、税制による対応も含め、安定財源の確保と併せて検討し、公立高校が地域の人材育成といった役割を果たすことができるように取り組んでまいります。

いわゆるデジタル赤字についてお尋ねがありました。

いわゆるデジタル赤字の将来予測については、政府全体で統一的な見解はありませんが、足下で、デジタル関連収支の赤字、これは年々拡大しております。

デジタル赤字が拡大し続けることは、我が国の経済成長や経済安全保障の観点からも好ましくはなく、まずはデジタル赤字の拡大抑止、さらにはその改善を進めてまいります。

このため、本日設置した日本成長戦略本部の下、AIを始めとする新しいデジタル技術の研究開発や産業化を加速化させるとともに、コンテンツ産業を含めたデジタル関連産業の海外展開を支援してまいります。

国内ICT産業の国際競争力強化についてお尋ねがありました。

ICT産業は、社会経済活動を支え、災害、安全保障面でも重要な産業です。本日開催した日本成長戦略本部において、戦略分野である情報通信として、総務大臣を担当大臣に指名し、強力に取組を進めることといたしました。

具体的には、進展するAI社会を支えるオール光ネットワークや海底ケーブルなどのデジタルインフラについて、グローバル市場を先読みした、研究開発から社会実装、市場獲得の一気通貫での支援により、国際競争力を強化してまいります。

AIの進展とクリエーター等の権利保護と補償の両立についてお尋ねがありました。

AIの進展により、クリエーターや権利者から、知的財産権の侵害に対する懸念の声があるものと認識しています。

政府においては、法、技術、契約の各手段を適切に組み合わせて対応することが重要であることをこれまでも示してきたところです。

その上で、イノベーションの促進とリスク対応の両立を理念とするAI法の施行も踏まえ、AI技術の進歩と知的財産権の適切な保護の両立が達成されるよう、検討を進めてまいります。

電気、ガス等公共料金の抑制、中小企業支援の即効策についてお尋ねがありました。

国民の皆様が直面している物価高に対応するため、既に、経済対策の策定に着手するよう指示を行っています。

電気・ガス料金については、寒さの厳しい冬の間、支援を行います。

また、再エネの活用や中小企業等への省エネ支援を進めてまいります。

このほか、賃上げ税制を活用できない中小企業、小規模事業者などを支援する推奨メニューを設け、重点支援地方交付金により、地域のニーズにきめ細やかに対応をしてまいります。

これらについて、財源を含め、早急に検討を進めてまいります。

野党の皆様との真摯な対話と合意を積み重ねながら、速やかに経済対策を取りまとめ、必要な補正予算を今国会に提出いたします。

燃料油価格支援についてお尋ねがありました。

燃料油の価格高騰対策としての定額引下げ措置の支援については、いわゆる暫定税率について結論を得て実施するまでの間、行うこととしています。暫定税率については、十月三十一日、与野党六党の実務者間で、ガソリンは令和七年十二月三十一日に、軽油は令和八年四月一日に廃止すること等について一致したところです。

灯油等の油種につきましては、経済対策において拡充することとしております自治体向けの重点支援地方交付金も活用し、地域の実情に合った的確な支援をお届けするなど、必要な対応を講じていく考えです。

政府は、このような取組を通じて、内閣の最優先課題として、国民の皆様が直面している物価高に対応し、暮らしの安心を確実かつ迅速に届けてまいります。

国土強靱化実施中期計画、建設業の担い手不足についてお尋ねがありました。

激甚化、頻発化する自然災害から国民の皆様の生命、財産、暮らしを守るため、国土強靱化の取組を切れ目なく推進する必要があります。第一次国土強靱化実施中期計画では、計画期間内における各施策の目標を設定し、その達成に向けて重点的に取り組むこととしております。

この取組に係る地方負担につきましては、地方の財政運営に支障が生じないよう、適切に地方財政措置を講じてまいります。

また、地域の守り手としてインフラ整備や災害時の応急対策等を担う建設業について、その担い手の確保、育成に向け、処遇改善、働き方改革、生産性向上等に引き続き取り組んでまいります。

以上でございます。(拍手)

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