現場では、書類上はガバナンスが整っているように見えましても、実際には不正や審査の形骸化が生じる事例があります。
これまでの不正事案を振り返ってみますと、経営層のメッセージの曖昧さですとか内部監査の独立性の不足、また、問題を指摘しづらい組織風土、これらが重なったときに不正が顕在化するという傾向が出ているというふうに思っております。こうした組織文化の実態に踏み込んだ評価が不可欠だと思っておりますので、お願いしたいというふうに思っております。
地方金融機関の現場におきましては、こうした収益環境の厳しさの中で、特に不動産融資やスキーム型の案件をめぐって審査の形骸化やガバナンス不足といった問題が顕在化してきたことは過去の事例が示しているところでありますが、その典型が、かつて、そして今も大きな社会問題となったのは、スルガ銀行のシェアハウス問題またアパマン問題であるというふうに思っております。
このスルガ銀行のアパマン問題につきまして、前回の委員会でも取り上げさせていただきましたが、改めて現状と対策を確認してまいりたいというふうに思っております。
この問題は、単なる過去の不祥事ではなくて、現在進行形の社会問題であると思っております。とりわけ、この十月に入り、重大な動きが明らかになりました。報道によれば、スルガ銀行は、東京地方裁判所に対しまして、調停成立の見込みが低い案件を調停不成立とするよう上申書を提出したとされております。これは、長年にわたりまして調停手続を信頼して待ってきた被害者の方にとって、突然土俵から降ろされるような衝撃であるというふうに思っております。被害者の生活と尊厳に深く関わる重大な問題であります。
そこで、まず事実関係から整理をさせていただきたいと思います。
スルガ銀行のアパマン向け不正融資では、第三者委員会報告書におきまして、行員の証言として、不正のない案件は一%あるかないか、また、偽装が一切ない案件は百件中一件から二件とまで記されております。審査資料は、通帳改ざん、自己資金偽装、レントロール偽装、入居実態の偽装だの、複数の行員が役割を分担して作り上げた、完成された不正スキームであって、個人の逸脱ではなく、明快な組織的不正と指摘があるところであります。
まず、金融庁はアパマン不正融資を一部の行員の逸脱ではなく組織的不正と認定しているのか、この点につきまして片山金融担当大臣にお伺いしたいと思います。
188石石田晋也金融庁監督局長
お答え申し上げます。
ただいま御指摘ございましたとおり、金融機関の収益環境、収益の見通しというのは厳しいものがございまして、今お話のありましたようなそういった行動様式、あるいは、それを管理する体制、チェックする体制、牽制する体制、さらにはそのビジネスモデル、ガバナンスの体制、こういったものを総合的に、私どもといたしましては、いろいろな角度からモニタリングをして、健全性の確保ということを図っていかなければいけないというふうに思っております。
この発言のページ
189中中川宏昌(公明)
是非よろしくお願いいたします。
収益環境が厳しいときこそ、経営トップが現場に対しまして、無理な営業はするなとか、また、ルールから外れることは絶対に許さないというメッセージを明確に発して、内部監査またコンプライアンス機能が実効的に機能することが私は重要ではないかと思っております。
そこで、もう一つお伺いをさせていただきますが、金融庁といたしまして、地方金融機関のガバナンスや内部管理体制について、近年、どのような点を評価して、またどのような点に引き続き課題があると見ておられるのか、監督上の対話を通じましてどのような改善を実際に促しているのか、この点につい…
この発言のページ
190石石田晋也金融庁監督局長
地域金融機関が質の高い金融仲介機能等を継続的に発揮するためには、財務の健全性と業務の適切性はもちろんのこと、今お話ございましたガバナンス機能の適切な発揮、構築、こういったことが重要であると考えてございます。
こうした観点から、金融庁では、地域金融機関に対しますヒアリング、立入検査等を通じまして、例えば、取締役会の牽制機能が有効に機能しているのか、経営陣等の役割が適切に果たされているのか等、こういった観点からガバナンスが適切なものになっているかといった点を確認するようにしております。加えて、このガバナンスを支える内部監査体制の適切性についてもモニタリング…
この発言のページ
- (上の発言)
191中中川宏昌(公明)
現場では、書類上はガバナンスが整っているように見えましても、実際には不正や審査の形骸化が生じる事例があります。
これまでの不正事案を振り返ってみますと、経営層のメッセージの曖昧さですとか内部監査の独立性の不足、また、問題を指摘しづらい組織風土、これらが重なったときに不正が顕在化するという傾向が出ているというふうに思っております。こうした組織文化の実態に踏み込んだ評価が不可欠だと思っておりますので、お願いしたいというふうに思っております。
地方金融機関の現場におきましては、こうした収益環境の厳しさの中で、特に不動産融資やスキーム型の案件をめぐって審査の形骸化やガバナンス不足といった問題が顕在化してきたことは過去の事例が示しているところでありますが、その典型が、かつて、そして今も大きな社会問題となったのは、スルガ銀行のシェアハウス問題またアパマン問題であるというふうに思っております。
このスルガ銀行のアパマン問題につきまして、前回の委員会でも取り上げさせていただきましたが、改めて現状と対策を確認してまいりたいというふうに思っております。
この問題は、単なる過去の不祥事ではなくて、現在進行形の社会問題であると思っております。とりわけ、この十月に入り、重大な動きが明らかになりました。報道によれば、スルガ銀行は、東京地方裁判所に対しまして、調停成立の見込みが低い案件を調停不成立とするよう上申書を提出したとされております。これは、長年にわたりまして調停手続を信頼して待ってきた被害者の方にとって、突然土俵から降ろされるような衝撃であるというふうに思っております。被害者の生活と尊厳に深く関わる重大な問題であります。
そこで、まず事実関係から整理をさせていただきたいと思います。
スルガ銀行のアパマン向け不正融資では、第三者委員会報告書におきまして、行員の証言として、不正のない案件は一%あるかないか、また、偽装が一切ない案件は百件中一件から二件とまで記されております。審査資料は、通帳改ざん、自己資金偽装、レントロール偽装、入居実態の偽装だの、複数の行員が役割を分担して作り上げた、完成された不正スキームであって、個人の逸脱ではなく、明快な組織的不正と指摘があるところであります。
まず、金融庁はアパマン不正融資を一部の行員の逸脱ではなく組織的不正と認定しているのか、この点につきまして片山金融担当大臣にお伺いしたいと思います。
192
片山さつき(自民)財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)
このスルガ銀行の不正融資問題につきましては、二〇一八年一月頃に社会問題化したことを踏まえまして、金融庁は、同行に対する立入検査等を実施したところでございます。その結果、スルガ銀行におきましては、法令等遵守態勢や業務運営態勢等における組織的な問題を背景に、今御指摘のありました、いわゆるシェアハウス向け融資やアパマン向け融資を含む投資用不動産向け融資につきまして多数の不正行為が行われていたことが確認され、また、同年九月に公表された第三者委員会報告書も踏まえて、金融庁が二〇一八年十月に業務改善命令を発出しております。
金融庁として、債務者にとって可能な限り早…
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193中中川宏昌(公明)
そこで、監督行政の初動体制について伺いたいと思います。
スルガ銀行では、二〇一五年から複数の通報や苦情が金融庁の窓口に寄せられたと報じられております。しかし、実効的な行政介入が行われたのは、二〇一八年のシェアハウス問題以降でありました。二〇一五年の段階で金融庁が検査に入れば被害は半減していたかもしれない。また、明確な兆候があったにもかかわらず行政が迅速に動けなかったのは問題ではないか。こうしたことを行政にも検証すべき点があるかと思っております。
そこで、お聞きさせていただきますが、二つお聞きします。
まず、金融庁は二〇一五年前後の通報件数、内容をど…
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194石石田晋也金融庁監督局長
まず、二〇一五年頃から通報、苦情が寄せられていたということで、その通報件数、内容をどのように把握していたのかという点につきましてですが、当庁の相談室というところがございますが、そこにスルガ銀行に関する苦情が入り始めたのは、アパマン問題の関係につきましては遅くとも二〇一一年頃から、また、シェアハウスの問題に関しましては二〇一五年くらいからということが確認されているところでございます。
このシェアハウスを販売していた不動産業者の経営不安や賃料の支払い停止等が大きく報道されましたのが二〇一八年の一月でございまして、当庁といたしましては、このシェアハウス問題が…
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