細谷雄一慶應義塾大学法学部教授

2025年2月26日・第217回国会 参議院 外交・安全保障に関する調査会 第3号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 61 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 90 発言)

よろしいでしょうか。ありがとうございます。

日本の役割ということで、今、高良先生から、間に入って止める、止めていくということ、御指摘をいただきました。恐らく幾つかの考え方があるんだろうと思います。

まず第一に、日本は攻撃的な兵器というものをヨーロッパの多くの国やアメリカと異なって提供しておりませんので、したがって、かつての安倍政権時には比較的プーチン大統領と日本の関係は良かったということもございますので、ロシアの中では、アプローチする上でG7の中では恐らく最もロシアにアプローチしやすい位置にいるんだろうと個人的には考えております。

一方で、ロシアの側からしますと、日本はロシアに対して経済制裁をしていると、非常に厳しい経済制裁をしています。これはやはり、侵略した後に百四十の国が国連総会で決議を出して、侵略した国を非難しないということは戦後の日本の平和国家としての道のりを否定するものになりかねない、やはり侵略というものを許してはいけないと。少なくとも、戦前に日本が戦争を起こしたという反省から、そのようなことがないように厳しい態度を取るというのは、私は適切な対応だったと思います。

しかしながら、このことをもってロシアは日本と対話をするという意欲を大幅に失っておりますから、そう考えたときに、日本が間に入って止めに行くということは、恐らく志としてそういう姿勢を持つのは必要だと思いながらも、制裁をしているという国の立場を考えると容易ではない。しかしながら、そのことは日本の立場、つまりは侵略というものを断じて許さないという立場を国際社会に示すということ、逆に、もしもそうした制裁をしなければ異なった目で日本が見られることになるわけですから、私はその判断は正しかったと思います。

一方で、私は、間に入って止めるというのは、つまり戦闘をしている国の間に入るということはこれは極めて危険が伴うことですから、日本の役割というのはあくまでも停戦をし、戦闘が終わった後にいかに復興を支援をするかということだろうと思います。あるいは、日本がそれが今まで国際社会へ貢献してきたことだと思いますので、やはり日本にできることとして、アメリカがかつて、例えば中東和平であるとかユーゴスラビアの和平に貢献するようなことは、積極的に戦地に行って兵力を展開することができない日本にとっては容易ではない。したがって、戦後の復興などのために日本は民生的な役割を中心に貢献すべきだというのが私の考え方でございます。

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